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ゼロの夜想曲 2-04

しばらくしてルイズの元に戻ってきた玲治の口の端には乾ききれない血がついていた。
彼はルイズが指摘するまでもなく、人の視線でそれに気づいたようで赤い舌でペロリとなめとった。
まるきり快楽殺人犯の顔で。
不幸にもそれを見てしまった数人の生徒は顔色をなくし、つい先程食べたばかりのものが胃を逆流するのを感じて口を手で抑えた。
ルイズもまた微妙な顔をしたが・・・彼女はまだ少し彼らよりも耐性があった。喉の奥をしめるように息を飲み、それから「行くわよ」と玲治に声をかける。
玲治は大体の事情はわかっていたが特にフォローすることもなく、腹ごなしのあとは昼寝だとでもいうようにあくびをした。
「あんたねぇ・・・!」
いい加減我慢ができなくなったルイズが声をあげると、
「あぁ、そうだ」
玲治は言い、ルイズの頭に手を置いた。
「な・・・なによ!」
「いや、ちょっと・・・」
こっちを向け。といいつつルイズの体を反転させ、その目をのぞき込む。
鼻がつくほどの至近距離にルイズはカッと顔を赤くするが、玲治は気にした様子もない。
「な・・・なっ・・・!」
「もういい」
叫びだしそうな気配に玲治はさっと彼女から距離をとり、ぽんぽんっと頭を叩いた。
「な・・・なんだったのよ・・・!」
「あぁ・・・ほら、回復具合をみただけだ」
「あ・・・」
「相当消耗してたみたいだからな。」
「べつに・・・あれくらいなんでもないわよ!」
「そうだな」
玲治は軽くいなすが、あの時は本当に消耗していたのだ。
無論、彼がついていながら彼女を衰弱死させるなんてことはないだろうが・・・。
「今は十分元気そうだ。」
本当は美味そうだと言ってやりたいところだが、一応玲治は自重した。

教室の扉を開けると・・・
「だぁ~りん♪」
朝には似あわぬ甘ったるい声とともに、これまた甘ったるい香水をつけたキュルケが玲治にとびかかってきた。
「っと・・・」
両手で彼女を受け止めると、「キャッ」とわざとらしい声をだし、体を玲治に押し付けてくる。
「もぉ!せっかくパーティでは一緒におどろうと思っていたのにぃ!」
体をくねらせるキュルケ。玲治は迷惑そうな顔をしているが、されるがままになっている。
そんな二人を見てルイズが舌打ちしそうな顔で睨んでいるが、キュルケは全く気にした様子もはない。
「俺では太刀打ちできそうになかったからな」
「そんなことないわよ!ダーリンが一番♪言ってくれれば、あんな人達みぃんな袖にしてやるのに♪」
「出来ない癖に・・・」
ボソリと言ったルイズの言葉をキュルケはきかないふりをする。
チッと舌打ちをしたルイズは自分たちにクラスメートの視線が集まってることに気づいた。
大半は玲治とキュルケに・・・だが、中には明らかに彼女一人を注視している人間がいる。
しかも、ルイズをみているのは全て男で・・・数人で顔を寄せ合いコソコソと話し・・・顔を赤くしながらチラチラと彼女を伺うといった風で、かなり怪しい。
ルイズが眉間に皺を寄せていると・・・
「白のパンティ・・・」
「へ?」
声に振り返ると、いつのまにやってきたのか少しだけ眠そうな顔をしたタバサが立っていた。
「な・・・なによ、白のパンツがどうかしたの?」
ルイズが首を傾げると、タバサは「・・・覚えてないならいい」と小さく呟いて、三人の横を通り過ぎ自分の席へと座った。
いちゃつく(?)二人の隣で首をかしげていたルイズは・・・やがて、パーティの日に自分がしでかしてしまった事を思い出して、ボンッという音とともに顔を真っ赤にし・・・
「ちょ・・・何見てんのよ!あんたたちぃぃぃぃ!!!!」
ルイズの方をニヤニヤとしながら見ているクラスメートたちを怒鳴りつけた。
そしてシンと静まり返った教室で一人、ぜぇぜぇと肩を上下させると、ついで玲治の方をキッと睨みつけ、
「あんたも!いつまでもそんな女に構ってんじゃないの!!!!」
玲治にしがみついているキュルケをベリっと引き離すと、彼の腕をつかんで自分の方へと引き寄せた。

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