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ゼロの夜想曲 2-03

淡々と朝の準備を手伝った玲治は、ルイズが教科書の類を確認している間、窓際に立って見るともなしに風景に目を移した。
彼の頭を占めているのは、彼女が今朝見たという夢のことだ。
未来と現の写し鏡・・・。
夢、彼女の見た夢にはどんな真実が、そしてどんな予兆が隠されていたのだろう・・・?
自分が出てきたのだと彼女は言った。
そしてひどく恐れていた・・・。
その意味は・・・?
今度、夜魔リリスに探らせようかとも思ったが・・・彼が夜に集めて回っているマガツヒでは彼女を召喚することはかなわない。
こんな事なら低レベルの仲魔も入れておくべきだったか・・・。
それとも、一気にここにいる人間からマガツヒ奪ってしまおうか・・・そうすれば・・・いや、それでは本末転倒だ。
玲治は首を横にふる。
やはり少しずつ少しずつ奪っていく方が効率がいい。
急がばなんとやらだ。

それにしても腹が減った。

いや腹が減ったといえば少し語弊がある。
なにしろ悪魔は物を食う必要がない。だが、たとえるならば、それは “空腹” に一番似ているからそれでいいだろう。
飢えているというほどではないが、マガツヒが欲しい・・・。
少しくらいなら・・・

少し思考がずれてきた玲治が眉間に皺をよせるのを、少し離れた場所でルイズが見ていた。
彼女は今朝の夢見の事で少々不安定になっていた。その上に、玲治がなにやら思い悩むような面持ちをしているのに胸がざわついた。
そろそろ食堂の方へと行かなければいけない時間だが・・・声をかけるのが躊躇われる。
伸ばしかけた手を握り締め、引き戻したとき、
「びびるこたぁねぇだろぅ」
からかうようにデルフリンガーが口を開いた。
「な・・・何よ、びびるって!」
「だってそうじゃねぇか。あいぼ・・・いや、あの人にびびってんだろぅ?」
「ち・・・違うったら!何をいってるのよ!!!」
「だったらすぐに声かけりゃぁいいじゃねぇか、何、てぇひっこめてんだよ」
面白がるデルフリンガーをルイズはにらみつけるが・・・彼には全く効果が無い。
こうなったら、調理場の釜の中にでも放り入れて叩きなおしてやろうか・・・などと考えていると、ようやく二人の様子に気づいたらしい玲治が、「何をしてるんだ?」と首をかしげた。

二人が食堂につくと、すでに大半の人間は自分の席へとついていた。
彼らは人々の間をぬって自分の席へと向かう。
ルイズの隣には玲治の席が特別に設えてあったのだが・・・・
「玲治・・・悪いけど・・・」
「あぁ」
ルイズが最後まで言わないまでも、玲治は彼女の言いたいことを理解し、自分の目の前に置いてある料理を手にとりそのまま立ち去った。
彼が持った皿には一目で今朝仕留めたばかり・・・というようなまるまると太ったウサギが乗っていたのだ。
恐らく生肉しか受付ない・・・と玲治が漏らしていたのを料理人たちが耳にして気を利かせたのかもしれないが・・・そこまで考えてくれるならば、もう少し配慮をして欲しいものだ。ルイズをはじめ、彼の席にあった料理を不運にも見てしまった生徒たちは一様に顔を青くし、口元を手で覆っている。
彼らは貴族であり、犬をかっての兎狩などをたしなむものもいるが・・・さすがに、皿の上にそのままが出されたものは見たことがなく、胃がヒクヒクと痙攣した。

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