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ゼロの夜想曲 2-02

『朝帰り』という言葉を使うと、少々色っぽい話を期待するかもしれないが、玲治の場合にそれはない。
特に寝る必要のない彼が、夜間の散歩から朝になって帰ってきただけの話だ。
彼は近頃めっきり散歩の友となっている『破壊のピラミッド』を、ヒョイと空中に投げるとそのままストック空間へと転送させ、それから未だベッドで眠っているルイズの方を見、時計を見た。
まだ彼女を起こすのは早い、洗濯物を出しておくか・・・と彼が思ったところで、「ううん」とルイズが唸るような声をあげている事に気づいた。

ん・・・うううん・・・・うう・・・ダメ・・・ううう・・・・なんで・・・・

・・・どうやらうなされているらしい。
いつも生意気な顔をしているルイズが、眉間に皺をよせて唸っている様は・・・とても興味深かった。
じっとうなされている様子を伺っていると・・・
「悪趣味ですよ、旦那ぁ」
壁に立てかけておいたデルフリンガーが言った。
「人がうなされているのを見てニヤニヤするなんて」
「イイ趣味じゃないか。」
にやりと笑ってまたじっとルイズを見る。
「いつものすました顔より、こっちの歪んだ顔が可愛いと思わないか?」
「旦那・・・・。いや、まぁ旦那らしいですけど・・・」
彼は玲治に呆れる・・・というよりは、ルイズに同情したように言い、それから
「もしかして、貴族の娘っこの悪夢の原因はだ・・・旦那じゃぁ・・・」
と怯えたように続けた。
デルフリンガーの慌てぶりに玲治は小さく笑い・・・
「だとしたらどうする?」
とにやりと笑った。
とたんにブルブル震えだす刀身に「冗談だ・・・」と言おうとした途端・・・

「いやあああああああああ・・・・!!!!!!!」

ものすごい悲鳴を上げて、ルイズが飛び起きた。
そしてそのままゼェゼェと荒い息をついた。
「お・・・お嬢ちゃん?」
「ルイズ・・・?」
二人(?)が話しかけるが、彼女は全く気づいていないらしく、両手でバッと自分の頭を抱え込むと、なにやらブツブツといっている。
「おい、ルイズ・・・?」
流石に本気で心配になってきた玲治が細い肩に手を置いた途端・・・ものすごい勢いで彼女が振り返り、思わず玲治の体が引いた。
「ど・・・どうした?ルイズ・・・」
「な・・・なんで・・・なんでなんでなんで!!!!なんであんたがでてくるのよ!玲治!!!!」
「え・・・何が?」
「何がじゃないでしょう!何かってに人の夢の中に入ってきてるのよ!!!!」
「んなこといわれても・・・」
「一体いつ、だれが許可したのよ!!!ちょっと言ってみなさいよ・・・・!」
「ルイズ・・・?」
ローブを着た玲治の両肩をつかみ、がっくがっくと揺さぶるルイズに玲治もタイジタジだ。
「なんで勝手にでてくるのよ!!!最初はスッゴクいい夢だったというのに!!!玲治のせいでだいなしじゃない!!!」
「あぁ・・・その・・・ごめん?」
「謝ってすむなら官憲なんていらないのよ!!!!」
「え・・・そこまで?」
「あんたが出てきたせいで・・・せいで・・・・・・」
言いかけたルイズの顔がふと曇る。
「俺のせいで・・・?」
「そうよ・・・あんたのせいで・・・」
「ルイズ?」
「あんた・・・何いってたの?」
「え?」
急に落ち着きを取り戻したルイズがゆっくりと玲治に視線を合わせる。

「あんた・・・なんか変なこと言ってた」

その言葉にピクリと玲治が反応した。

夢は未来に写し鏡。

「どんなことを?」

「なんだったかしら・・・なにか・・・重要なことを言っていた気がする。」
「思い出せ、ルイズ、俺は何を言っていた?そしてルイズ、お前は何を答えた?」
キュンと昇順を絞ったような玲治の目にルイズが震えた。
混乱する頭でなんとか夢の内容を思い出そうとした・・・・が・・・最初の方・・・昔の夢の方はなんとなく思い出せるのに、しかし玲治が出てきた後半部分は深い霧におおわれていて判然としない。
ついさっきまでは鮮明に覚えていたはずなのに・・・。
「なにか・・・言ってた。そして私に手を伸ばして・・・」
「そして?」
再度促され、ルイズはパクパクと数度口を動かし・・・
「わからない・・・」
覚えてないとつぶやいた。
ルイズの言葉に玲治はため息をそっとついた。
それは果たして落胆からくるものだったのか、それとも安堵からくるものだったのか。
「旦那?」
ルイズから離れた玲治にデルフリンガーが声をかけると、ルイズもまた不安そうな目で彼をおった。
「玲治?」
離れて行く彼を怖がるかのようなルイズの声。
彼女に背を向けていた玲治は小さく笑い、それからルイズを振り返った。

「さぁ、起きる時間だぜ。ルイズ」

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