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愛おしさに流れ 2

オチが弱い。
ずいぶん久しぶりの更新です。
「わ、私がインフルエンザでちょっと寝込んでいる間に…なんでこんなに事態が急変してるんですか!!!!!」

ルートヴィヒとフェリシアーノの親しい友人である本田は、混乱のあまり特徴的な髪をパサパサ言わせながら頭を左右に激しく振った。

本田がインフルエンザのため、一週間寝込んでいた間に、

フェリシアーノの姉、ロヴィーナのまさかの妊娠発覚。
怒り狂うロヴィーナの兄貴分であるアントーニョ。
大勢からリンチを受けたかのようなルートヴィヒの大怪我。
…ついでにルートヴィヒの兄、ギルバートはショックで2日寝込んだという。

「な、なんでこんなことに…!!!」

取り乱す本田を見て、フェリシアーノは「ヴェー」とないた。

「ごめんね、菊。連絡しなくちゃとは思ってたんだけど、色々ドタバタしてて…」
「いいえ、それは…」
もちろんものすごくリアルタイムで情報が欲しかった本田ではあるが…
「お見舞いにもいけなくてごめんねー」
「それも大丈夫ですよ」
インフルエンザを幸いとばかり熱でぼーっとしながらもゲームにアニメにと励んでいた後ろめたさもある。
だがそんな内心を見せるちらとも見せることなく微笑んで見せた本田は、今は空席になっているルートヴィヒの席を見て眉を下げた。
「えぇっと…聞きたい事はたくさんあるのですが、まずはルートヴィヒさん。入院なさっているんですって?」
「うん。肋骨と腕が折れて他に、いくつかの骨にもヒビが入っててね。ヴェ、すごかったんだぁ…本当に満身創痍だったんだよ」
それで傷に雑菌が入ってしまい、高熱を出して夜病院に運ばれたのだとフェリシアーノは言った。
「壮絶…ですね」
「ヴェ、アントン兄ちゃん、いつもはすご~く優しいけど、怒ったらものすごーーーく怖いんだよ」
「その…ようですね」
普段のアントーニョからは全く想像が出来ないが。
「顎の骨にもヒビがはいっちゃってね、大きく腫れ上がっちゃったからものも食べられないんだって」
「それは大変ですね…」
本田はお見舞いにいかなくては…と考えたが、一応完治しているとはいえ、少し前までインフルエンザにかかっていた身。万が一ウィルスが残っていたらと考えるとすぐには行けそうにない。
「それで入院はどれほどになりそうなんですか?」
「うーん、とりあえず一週間くらいってきいたよ」
「ルートヴィヒさんは若いし丈夫ですが…それでも、完治までにはずいぶんとかかりそうですね」
ルートヴィヒの体の事を思い、本田は憂いた。
色々と考える事はあるが、とりあえずは現状確認を…と「ロヴィーナさんはどうなんです?」と話を転じた。
「ヴェ、姉ちゃん?姉ちゃんも今おやすみしてるよ」
「おやすみって…まさか体調が思わしくないんですか?」
「ううん。そうじゃないよ。ただうちの両親がね心配しちゃって家から出してくれないんだよね」
聞く所によると、近頃、両親の知り合いの娘さんが若くして流産してしまったのだという。
それでかなり神経過敏になっているらしい。
「あれ?ということは、ご両親はロヴィーナさんが出産なさることに賛成なさっているんですか?」
「ヴェ、そうだよ」
聞くと、二人の両親は両親に結婚を反対され、結局駆け落ちしたのだという。祖父母とはそれ以来もずっと没交渉状態。
「だから前からどんなことがあっても子ども達の恋愛には賛成するって決めてたんだって」
「それでも、やはりショックだったんじゃないですか?」
いくらそう決めていたとしても…ロヴィーナはまだ17。相手の男…ルートヴィヒに至っては16だ。
「うーん。パードレ(父のこと)はね。最初はすっごいうろたえてたよ。“あぁ、そんな。ロヴィーナが、子ども?本当に?あぁ嘘だろう”って、頭を抱えて部屋の中をウロウロしてたよ。でも、マードレ(母のこと)が、“あら、そ。良かったわね。貴方もロヴィーナが決めたんだからいいじゃない。応援してあげなさいよ”って冷静に言ったらちょっと落ち着いたみたい」
「それは…ご理解のあるご両親で…」
「女は度胸よ ってマードレが言ってたよ」
「えぇっと…では、ロヴィーナさんも落ち着いていらしてるんですか?」
「うん。“ま、予定がちょっと早くなったけど出来たものはしょうがないし”って言ってたよ」
さすがイタリア女…といったところか。
イタリア男が頼りない(?)分、肝が座っている。
それに“予定がちょっと早くなったけど”という言葉が、よくよく考えるとこれまたすごい。
…付き合い始めるまで、相当なグダグダがあったことを考えると余計に。
「では、そちらの方は大丈夫なんですね」
「うん。問題はルートのほうじゃないかなぁ」
「えぇなにせ大怪我ですからね…」
「それもだけど」
フェリシアーノが珍しく苦笑を浮かべる。
「ルートのところはうちと違ってすっごく堅いところだからねぇ」
「あ、あぁ…」
確かルートヴィヒ及びギルバートの父親は弁護士だったか検事だったかをやっていて、母親は大学の教師をやっていたはずだ。
家に遊びに行った時にちらっと挨拶を交わした程度しか知らないが、二人共ルートヴィヒと並ぶかそれ以上の堅物といった印象がある。
「反対されているんですか?」
「うーん。俺もよくしらないけど…反対…は、されてないのかなぁ~」
腕を組み、首を左右に傾ける。
「お父さんの方は、まぁ作ってしまったものは仕方ないんだからちゃんとやりなさいって感じみたい。でも、お母さんのほうが大激怒してるんだって」
「はぁ…まぁ、それはそうですよね」
「目を覚ましたギルバートが一転して二人の味方についちゃうくらいには怒ってるらしいよ」
どちらかというならば、ルートヴィヒは父親似で、ギルバートが母親似であるらしい。
その母親は今はとにかく昔は…いわゆる元ヤンとでもいおうか。かなりやんちゃで血の気の多い人物であったらしい。
今回の怒りは昔とったなんとやらとでもいおうか。怒りに我を忘れて全く話を聞いてくれない状態にあるのだという。
「未成年のくせに女の腹をふくらませるような男に育てた覚えはない。子どもについては反対はしないが賛成もしない。が、お前は自分の子ではないのでとにかく出て行け!の一点張りなんだって」
「それは…」
「ルートのお見舞いにも全く顔をみせないらしいよ」
ついでに入院費も出さないと言っていたらしいが、それについては父親が出してくれたらしい。
「困りましたね」
「うん。で、ルートはルートで自業自得だから…とかなんとかいっちゃって、熱で朦朧としながらも求人雑誌めくってるらしいよ」
「……」
なんと…このまま両親のサポートもなしに学校を辞め未成年のまま世帯を持つ気であるらしい。
ルートヴィヒらしいといえばらしいが…。
「でも難しいでしょうねぇ」
一昔前ほどではないが、それでも色々と難しいのではないだろうか。
「うん。だよね。だからギルバートも、とりあえずショックだったことやアントン兄ちゃんへの怒りはおいておいて必死にフォローに回ってるっぽぃよ。でもほら、うちは賛成してるし、うちにきちゃえばいいんだよって俺は言ってるんだ」
ヴェっとにっこり微笑むフェリシアーノを見て、本田は少し安心した。
「そうですね」
頭の堅いルートヴィヒはなかなか頷かないだろうが、フェリシアーノの押しに弱いことには定評がある。
なんとなくではあるが、本田は全てがうまくまとまるのではないかという予感がした。
「そういえばアントーニョさんはどうです?落ち着かれたんですか?」
ふと気づいて聞くと、フェリシアーノはうんと頷く。
「アントン兄ちゃんもやさぐれちゃったり、拳を痛めたりしてちょっと大変みたいだったけど、フランシス兄ちゃんのお陰でなんとか元にもどったみたいだよ」
「やさぐれ…」
やさぐれたアントーニョなど本田には想像もつかない。
「今は育児本とか命名の本とか買い込みまくってるらしいよー」
「ふふっ、そうですか」
そちらの姿は想像が容易く、思わず本田は微笑みを浮かべた。
「それは安心しました。…でも、私、正直とても驚いていますよ」
「うん?」
「ルートヴィヒさんとロヴィーナさんのことです。…あの、お恥ずかしいことながら、お二人はまだ清い交際をなさっているだとばかり…」
本田はポッと頬を赤くしていった。
「自分を基準に考えてしまってダメですね」
まさか躰の関係もすでにもっていたとは…。
「お二人共発展家でいらしたんですね」
本田の言い様にヴェーっとフェリシアーノは笑い、そして

「姉ちゃんが、ルート押し倒しちゃったんだって!」

本田にとって今日最後の爆弾を投下した。

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