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小説家

ヒムアリ 注意:いつになくいちゃついてて気持ち悪い
ソファに押し倒し、彼の負担にならない程度に気をつけて体重をかけた。
俺の影が落ちたアリスは、一瞬驚いたような顔をした後、すぐにふてくされたような顔をした。
ふっと口の端で笑ってやれば、ふいと視線をそらしテレビの方を見た。
つけっぱなしだったテレビ。
ニュース番組に舌打ちし、彼を逃がさないように、少しだけ身体を下げてから右手を伸ばした。
リモコンを手に取り、テレビを切る。
プツンっという音と、静電気の立つジーンとした音。
それが収まると、完全に静かになった。
そらされたままのアリスの顔、頬がほんの少し上気しているのがわかり、また小さく笑ってしまった。

「つれないな」

笑いを含んで言えば、横を向いたまま、アリスが目だけをこちらに向け、すぐにまたそらした。
明らかに不機嫌な態度。
だが、押しのけようともしない態度は合意の証。

「アリス」

名前を呼べば。

すぐにこちらを見るのがその証拠。

口を尖らせて、眉間に皺を寄せてはいるが、ただの強がりだ。
それに・・・やはり俺は笑ってしまう。
仏頂面で鉄面皮だとか陰口叩かれている男が、どうだ?
全く、腑抜けもいいところだ。
もう一度自嘲に笑うと、アリスは自分がバカにされたと思ったのか、ますます拗ねた顔になり、唇を噛んだ。

「あぁ、噛むなよ」

言っても大人しく聞く男ではないけれど。
上に流していた髪の一房が落ち、アリス頬のあたりにおちた。
それに、アリスが目を細め、それを合図にしたように俺はアリスとの距離を詰めた。

硬いガードをゆっくりと解くように。
あくまでゆっくりと。
急ぐのは良くない。
ゆっくり、やんわり、やさしく・・・・。

だが・・・

「おい、アリス・・・」

俺は顔を離すと、アリスをにらみつけた。
アリスは、目を丸くして俺を見、俺の不機嫌なことに気付くと、ちらりと舌を出した。
そして、手を伸ばし、俺の胸を軽く押す。

最低だ。

大げさに舌打ちをする。
俺はゆっくりと身体を動かし、アリスを逃がしてやった。
アリスはすまなそうな顔をして半身を起こす。

「普通・・・口付け交わしてる間に他の事かんがえるか?」

ガシガシと頭をかきながら言えば、アリスは照れたように笑って、

「そんなん、気付くんは君だけや」

悪戯っぽく笑う。
俺はアリスに不審の目を向けた。
君だけ?
そりゃ、他にも、口付けを交わす相手がいるってことか?
言外に言うと、

「おっと、失言」

大げさに、口元を抑えるアリス。
目が笑っていることから、冗談だとは分かるが、それでも腹立たしいことには違いない。
大げさにため息をつくと、アリスはソファから立ち上がった。

「小説家の俺でええって言ったのは、君やからな」

釘を刺すように言って、彼は書斎へと軽い足取りで入っていった。

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