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焼き林檎 3

おそらく・・・1年以上はたっているな・・・前のかいて。
100112
火村はその名の通り、炎を使うのを超のつく攻性の能力者だ。
対してアリスは風の能力を駆使する能力者。
すべてを燃やし尽くす力をもつ火に比べて風は攻撃力がそれほど強いものではなく、回復や補助の方をより得意としている。
だが、アリスにはもう一つ・・・乗算の能力があった。
自分自身の力に大して使えないという欠点はあるが、しかしそれを差し引いてもありあまる魅力的な能力だ。
乗算それは世にも稀な能力であり、知られる限りでは彼以外にその能力を持ったものはいない。
乗算・・・それはその名の通り・・・
火村の能力にそれをつかえば、火を炎に、炎を大火に、大火を烈火に、烈火を爆炎に変えることが出来る。
自分以外のすべての能力者に対して、その力を何倍にも大きく膨らませられる稀有な能力だ。

「火村!!!!」

24時間365日・・・年中無休。
通して眠ることのない街。その夜空にいくつもの黒い影を見つけてアリスが嬉々と相棒の名前を呼ぶ。
火村はアリスに名を呼ばれるまでもなくそれらの存在には気づいていた。
だが、動かない。
張り切るアリスに先陣を譲ろうというはからいだ。
アリスはそれを見て取ったのか、嬉しそうに猫のように目を細め・・・
「行く!」
そう宣言して、屋上の柵に危なげなく飛び上がり立った。
そして右手を大きく上に振りかぶると・・・・
「いけええええええ!!!!!」
勢い良く振り下ろすとともに、ゴゥと大きな風が起こった。

無数の小さなコウモリのようなもの。
それはかなり高い場所を飛んでいたせいで、見上げるものがいたとしても人の目にはコウモリにしか映らなかったが・・・しかし、実際にはそれはコウモリよりもずっと大きなものだった。
それは、醜悪な顔に、黒い毛のはえた猿のような姿、背中にはコウモリの大きな羽根を持っている。
火村やアリスたちが一般にガーゴイルと呼んでいる彼らは、摩天楼にうごめく無数の美味そうな人間の気配にギャァギャァと耳障りな歓喜の声を上げていたが・・・次の瞬間・・・・
「ギャアアアアアアア!!!!」
「ギィィィィィィィ!!!!」
「グガァアアアアア!!!!」
“何か”に襲われ、悶絶の言葉を発して落下していった。そして、それは地上につくはるか前にボッと燃え上がると、一瞬にして炭となりハラハラと地上に降り注いだ。恐ろしいほどの高熱をもった炎・・・。
突然落ちていき、そして燃え尽きた仲間に、無事だったガーゴイルは一瞬声を失い動きを止めた。
と、次の瞬間、またしても彼らを何かが襲い、三匹が犠牲になった。
だが、最初の犠牲者とは違い・・・彼らは見ていた。
仲間が鋭い刃物で羽根を、あるいは胴を真っ二つに裂かれた瞬間を。

あまり頭はよくない彼らだが、事、戦う事に関してはそれなりに鼻が利く。
何者に仲間たちがやられたのかをとっさに把握し、そして、襲撃者の姿を探し出し
「ギャアアアアア!!!!!」
殺気立った咆哮を高層ビルの屋上にいるアリスと火村の方に浴びせた。


一段と大きなガーゴイルの叫びに、
「気づいた。」
「あぁ、気づいた。」
アリスと火村が言葉を交わす。
「手伝うか?」
「要らない。フォローだけ頼むわ」
張り切るアリスに火村は肩をすくめた。アリスがまた一つ技を放ち、今度は2匹が落ち・・・それにすかさず火村が火をつけた。
「まぁいいさ。その方がヤツが出てくる可能性が高い」
「あぁ。アリス様の健在をしらしめなあかんからな!」
ひゃは!っと笑って、また右腕を大きく振りかぶるアリスに火村は苦笑し・・・そして、風に乗って聞こえてきたガーゴイルの声に不快そうに眉間にしわをよせた。

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