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ダイナ

その日はひどく疲れていた。
殺人事件でいろいろと嗅ぎまわった後、その前の事後処理を手伝わされに大阪府警へ、その作業の途中に、強盗殺人が起こり、俺は府警でお留守番させられ・・・・結局、作業がおわったのは午前2時・・・。
もちろん、京都まで帰る元気なんて欠片もなかった。
今すぐ、服を全部脱いで、ベットにダイブしたい気分だった。
おそらく死んだように眠れるだろう。
頭をぐらぐらにさせながら、10年来の友人らしき男の家に赴き、チャイムを鳴らす。
真夜中にチャイムを鳴らすのかと、眉を潜める人もいるだろうが、そんなことは心配ない。
此処の住人というのは、昼夜逆転の生活を送っているのだから。
ほら・・・・ドアの内側からパタパタと年齢の割りに幼いはしゃいだ足音が聞こえるだろう?
そして、開かれたドア。

あぁ、我が親友殿、さっさと俺にベットを提供しやがりなさい。

だが・・・何かおかしい・・・。
俺は出てきた親友殿の顔を見て首を傾げた。
「お前はいつからダイナにクラスチェンジしたんだ?」
たしか・・・俺の友人はアリスであって・・・その飼い猫のダイナではなかったはずだが・・・・。
彼の頭には、なにやら可愛らしい猫のような三角耳がついている。
アリスがダイナなら・・・俺は三月ウサギだろうか・・・?
「いやぁ・・・なんか今朝おきたら・・・・」
喋っているアリスの言葉を殆ど無視し、俺はヤツの耳を触る。
おぉ・・・ほんとに頭から生えている。根元はちゃんと頭皮に・・・根元は硬めの毛だが、耳になると、猫のようなふかふかなほっそい毛並みで、猫の耳同様やわらかい。
俺はふと思いついて、思いっきり引っ張ってみた。
「えい」
「うぎゃあああああ」
途端に上がる悲鳴。
うはぁ・・・ほんとにくっついてる。
ふむ。なかなか面白い。
俺はなおも引っ張った。
「いたい!いたい!いたい!ちーーーぎーーーれーーーるーーー!ちーぎーれーるーって!」
いい加減煩くなったので手を離すと、少ししたから涙目で睨まれた。
「あぁ・・・悪い」
ふーふー猫ののように息をするのがまた面白い。
「絶対悪いなんて思っとらんやろ!」
「そんなことはない。今から教会に行って先ほどの行為を懺悔したい気分だ」
「・・・ぜんっぜん信用できへんわ。この無神論者め」
「ふーん」
アリスの耳は、本物の猫のようにぴくぴくとしている。
「・・・・ホンマきいてへんな・・・・」
俺は思いついて、アリスに手を伸ばし、猫をあやすように顎の下をくすぐってやった。
「ごろごろ~♪ってアホ!」
どつかれた。
アリスの顔を見ると、真っ赤になっている。
「何、赤くなってるんだ?気持ち悪いな・・・」
俺が言うと、アリスはなおも赤い顔で睨む。
「めっちゃ恥ずかしいわ、アホ!」
「あぁ・・・なるほど」
耳がピコピコしていてやはり面白い。
猫の耳がついてるだけで、やたらと可愛く見える。不思議なものだ。
俺の視線に、アリスは怯えたように耳を抱え込んだ。
あぁ・・・猫の耳が見えなくなった。
途端、あくびが出る。
「もぅええわ!さっさとねぇや!俺はまだ締め切り抱えとるンや!」
「んーぁ・・・・そうだな・・・」
俺は猫耳になったアリスの横を通り、彼の寝室を使うために奥へと入った。

そう・・・それほどまでに疲れていたのだ。
アリスの耳が猫の耳になっていたとしても、気にもならないほどに。
だが・・・まぁ、翌日には気にせずにおれないようになるのだから、その日は気にせずにゆっくり眠れて、ある意味幸せだったのかもしれない。
何しろ、次の日、アリスのケツからは長い尻尾が生えていたのだから。

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