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花天月地 4

不思議な感じの話にしたかったのですが、見事に玉砕。
もーわけわからんはなしになった。
ごめんなさい。
「君、一緒に仕事しようか?」
「一緒に・・・?」
「そうや。君が此処に帰ってきたら、君はお茶にせずに、一緒に仕事することにしよう!」
「お茶にせず・・・?仕事・・・?」
だが、アリスはもう俺の話は聞いていなくて、一人で、それがいいと、なにやらブツブツ独り言を言っている。
そして、突然振り返ると、
「そのときは、ぜぇんぶ教えてやるから」
「全部・・・?」
「そう。なんで俺が此処におるかとか、俺の仕事のこととか、お茶の作り方とか・・・
 あと、なんで7週間で枯れてしまうかとか・・・あと裏庭のこととかな」
俺は少し考えて、
「それって楽しいの?」
っと聞いた。
すると、アリスはこれまでにない満面の笑みを浮かべて、頷いた。
「あたりまえや。これは俺にしか出来へん仕事なんやぞ?」
自慢げに胸をそらして言った。
そして、そこで一瞬間をおいて、少し悲しそうな顔をした。
「・・・まぁ・・・裏庭のことはちょっと困ることもあるけどな・・・。」
アリスは、窓のない裏庭の方を見る。
「俺にもできる?」
「あぁ、出来るとおもうで!なんたって俺が出来るんやから!」
「それって・・・自慢にならないと思う・・・」
俺の言葉に、アリスは照れたように頭を掻きながら笑った。
「お、もう結構な時間やで。そろそろかえらな」
「え?今何時?」
聞くと、アリスはくるりと目玉をまわして、
「んー・・・正確な時間はわからんけど、君が来てから2時間くらいたっとるんやないか?」
といった。
俺が出てきたのは確か夕方近くだったから、此処を出たら、もう暗いかもしれない。
俺は一気に慌てた。
暗くなるまでに帰らないと、母親がうるさいのだ。
「帰らないと・・・」
俺がぽつりというと、その微妙な声のニュアンスに気付いたのだろう、アリスは立ち上がった俺のそばに来て、腰をかがめた。
「大丈夫か?送ってってやれんけど・・・・」
「大丈夫。」
こっくりと頷いた俺は、そのときにはもう、此処を引っ越すことが頭からすっぽりと抜け落ちていた。
急いで、身支度を整え、玄関を出た俺を、庭先まで送ったアリスを振り向くことなく俺は駆け出した。
早く帰らないと、あの母親に何を言われるかわかったものじゃない。
今なら、あの女の言葉など意に返さないのだが、当時の俺はまだ弱かった。
あの女の罵声と、時々飛んでくる平手が怖くて仕方なかったのだ。
急いでなだらかな平原を走っていると、背中でアリスが“表から来なきゃだめだから”と大声でいっているのが聞こえた。
それから、同じ角を三回まわり・・・・。

あれから、何度も季節が過ぎ、年月が過ぎた。
俺は、中学生になり、高校生になり、大学生へとなっていた。
そして、時折、あの出来事を思い出す。
一つとして同じものがない個性的な花々。
長い年月をかけて咲く花。
2年で咲いてしまった花。
80年かけて咲く花。
毎回毎回全く味の違う、お花のお茶。
行ってはいけない裏庭。
裏庭に咲いた花は彷徨う。
俺が咲くまでの時間。
いつか戻ってくるアリスの庭。
そのうち分かるといっていたアリスの言葉は確かに正しくて、これだけの言葉を並べてみると、真実の断片が見える気がした。
何よりのヒントは、7週間で枯れる花という所。
7週間は7日が7回、つまり49日・・・。
俺もいつか咲く所。
長く会わないほうがいいといった言葉を思い出す。
そして、普通は来れない場所だといったアリスの言葉も。
きっとあの場所は、生きたままでいける場所ではなかったのだ。
本当なら花となっていく場所だったのだろう。

早く、彼にまた会いたいと思う。
そして、仕事を手伝ってやらなくてはならない。
毎日毎日、お花のお茶ばかり飲んでいては、いくらおいしくても辛いだろう。
俺は待っている。
俺は、俺が咲くときを待っている。
そしてそのときは間違わずに、表の庭に咲こう。

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