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花天月地 2

駄文ですので、読まなくてもいいです。ごめんなさい
それから、俺はその家にちょくちょく通うようになるのだが、来るたびに、アリスは驚いたような顔をしていた。
それが何故かわからなくて、聞いてみると、
「普通は、此処にはそのままじゃ来れないようになっとるんやけどなぁ・・・」
といっていた。
俺は、また、曖昧に頷くことしかできなかった。
そして、そのうち、俺が来るたびに困った顔をしていた。
「あんまり来ぃへん方がええんやけど・・・」
そうポツリとつぶやいたこともあった。
そして、花には触ってはいけないといわれていた。
どうしてかと聞くと、
「咲かせるまでとっても大変やし、7週間で枯れてしまうから」
なのだそうだ。7週間も咲き続けるのかと驚いたが、アリスはただ黙って頷くだけだった。
そして、もう一つ。
「裏の庭には行ったらあかんよ」
どうしてかと聞くと、曖昧に笑ってはぐらかされてしまった。
アリスは、いつもいつもそこにいて、特に何をするでもなかった。
していることといったら、花の世話だろうか。
だが、世話といっても、花に害虫がつくわけでもないし、花に水をやるわけでも、土いじりをするわけでも、種まきをするわけでもない。
ただ、時々、庭に向かってブチブチと何かいっているのに出くわすくらいなのだ。
それが何かと聞いても、彼は答えない。
ただ、笑って俺を部屋に入れて、お花のお茶を入れてくれるだけだ。
そして、そのお茶は毎回、違う味がした。
きっと、庭にさく花と一緒で、一つとして同じものはないのだろうと思う。

それからどれくらいが経ったのだか・・・短いようで長いようで・・・。
俺はまた引越しをすることになった。
俺は大いに反対したのだが、子供の都合など、親が聞いてくれるわけもない。
家を飛び出た俺は、同じ角をまた三回まわり、あの草原へと出た。
そのとき、もう一つ気付いた。
此処はいつだって、真昼なのだ。
「アリス!!!!アリス!!!」
大声で彼の名前を呼びながら、草原を駆けた。
その頃には情がうつっていたのだろう。俺にしては珍しいことだが、そのときは本当に離れがたいものを感じていたのだ。仕事で留守がちな父親や、育児放棄と言われても仕方のないような育て方をしていた母親よりも、よっぽど俺はアリスになついていた。
俺は、アリスのような大人を知らなかったのだ。
「アリス!」
柵のすぐちかくでもう一度叫ぶと、アリスがひょこっと顔を出した。
玄関からではなく、家の角から。
どうやら、裏の方に回っていたらしい。
俺が駆け寄ろうとすると、彼は慌てて、出てきて俺を押し留めた。
「ちょっと・・・火村。君どうしたん?えらい顔やで」
俺は、彼の腹のあたりに顔を埋め、それから彼を見上げた。
焦った顔のアリスを見て、自分が泣きそうになっているのに気付いた。
「俺、引っ越すんだって・・・」
「引越し・・・?」
「そう・・・。」
いったとたん、じわりと涙が溢れたのを覚えている。
アリスは慌てて腰を落とすと、俺の視線に顔をあわせた。

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