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死にかけ勇者の伝説 02

とりあえず書きたいトコだけかく。
途中で飽きた… 読み返してない
気が向いたら続き書く

勇者は百年に一人、必ず生まれる。
しかしその大半は、旅の途中に力尽き魔王の元まで勇者がやってくるのは実に七百年ぶり。
だが、その勇者は魂が半分以上体から抜けかけている死にかけであった。

「何故、俺はこんなことをしているんだろうな」

医者の見立てによると、勇者は末期の“虚無病”であるらしい。
虚無病とは、その名の通り虚無に体が蝕まれる病だ。
薬や手術、祈祷などによる治療は不可能で、死病として知られている。
しかし治療法が全くないわけではなく、患者の体の虚無は白と黒の力を同時に注ぐことで中和することができる。
といっても、その二つを同時に行えるものはおらず、また少しずつ患者を慣らす必要があるため治療には長い時間がかかる。そのため虚無病はほぼ不治の病と同意語である。
しかし幸いにも(?)虫の息で魔王城にたどり着いた勇者の場合は、傍や白を使わせれば並ぶものはいないという世界一の魔術師がおり、そしてまた黒最強の魔王がいた。というわけで勇者はここ一週間ばかり、毎日一度、30分程度ずつ二人に治療を受けている。
「だからってなんで俺が…」
「ぶつぶつ言わずに集中したらどうです」
魔王が顔を上げると、眠り続ける…もしくは昏睡状態の…勇者を挟んで反対側に美しい魔術師が柳眉を潜めて立っていた。
「さっきから不安定がすぎるようですが?」
虚無の治療には、白と黒の力を同時にバランスよく対象に入れる必要がある。
どちらが多すぎても少なくても、また量だけでなく、注ぐ早さや質も十分に気を付けなくてはならない。
「ちっ、おまえに合わせてやっているんだ」
「それはそれは、しかし全く合わせられていないようですね。まったくこれだから大雑把な魔族は…」
「貴様、誰に口を利いていると…!」
「にっくき、打ち倒すべき仇ですけど?」
「俺は勇者の命の恩人だぞ?!」
「貴方が治療すると言い出したんでしょう。いいんですよ、私は。今ここで最終決戦をはじめても」
「そんなことをしたら…」
「えぇ、勇者は確実に死にますね。そしてあなたはめでたく死にかけの勇者に挑み勝った魔王として末代まで蔑ま…いえ、讃えられることでしょうね」
にっこりと笑う魔術師だが、その目はどこまでも冷ややかだ。
魔王は「くそぅ」と悪態をつきつつ勇者の治療に集中した。
「しかし、やはり解せぬ。なぜ魔王である俺が死にかけの勇者の蘇生をせねばならんのだ」
「よいではありませんか。双方ともに万全な状態で全力を出しきり戦う。かつて四天王の一人、ルビカンテが決戦の前に勇者たちに回復魔法をかけたという前例もありますし」
「だれだ。そのルビカンテというやつは」
「まったくものを知らぬ魔王ですね。話しているこちらが羞恥を覚えるほどですよ」
「おまえは…なんだってそんなに偉そうなんだ」
「媚びへつらえとでも?」
軽蔑しきったような目。
これまでかつてそんな目を向けられたことのない魔王は微妙に腰が引けた。
「……お前、性格が悪いと言われないか」
「猫をかぶるのが上手いとは言われますね」
「……だろうな」
「ところで、今日はこのあたりで切り上げましょう。一気にやると魔力中毒を起こしますからね」
そういって勇者にかざしていた手をひく魔術師。それを見て魔王もまた手を引いた。
「しかし、少しは良くなっているのか」
「なっていますよ。……まぁ、ほんの少しですが」
魔術師曰く、まだ自立呼吸もままならない状態であるが、それでも体が自然に腐っていくような症状は抑えられているらしい。
本当に死にかけもいいところ。いや、無理やり生かされていた感たっぷりな勇者である。
「まぁ、あと10年くらいあれば大丈夫でしょう」
「じゅ…10年…」
ちょっと気が遠くなりかけた魔王は、視線を伏せ勇者の青ざめた顔を見つめた。
目を開いたところは見たことがないが…顔立ちは美しいといえるだろう。
ただし死にかけで腐りかけで、魂が半分以上肉体から剥離しているが。
「自分の魔力をそそいだからって変な愛着抱かないでくださいね。魔王が勇者に惚れるとか怖気が走ります」
「な…ッ…なんだってそんな発想になるんだ」
魔王はウゥっと呻きながら頭を抱えた。
しかし全く愛着を覚えなかったと言えば…それは嘘になる。
何しろまだ一週間とはいえ、自分の力を分け与えている相手なのだ。
「…でも、もしかしたらそっちのほうが私達にとっては都合がいいのかもしれませんね」
「……やっぱりお前は性格が悪いな」
「それはどうも。…あ、それはそうと…」
「まだあるのか?」
帰ろうとして呼び止められた魔王は仕方なしに振り返った。
「えぇ、まぁ大したことではありませんが」
「なんだ…」
振り返ると、穏やかに微笑む魔術師がいた。
しかしその外見と中身が180度違うということを彼はここ一週間ばかりで学んでいる。
「貴方の側近に頭のない騎士がいたでしょう」
「頭のない…デュラハンのリオのことか」
「リオ…というのですか」
うっとりと微笑む魔術師に魔王は背中の産毛が逆立つような悪寒を覚えた。
「お前…何を考えている…?」
「いえ、別に大したことじゃないですよ。それより少し疲れました。少し休みたいんで、出てって下さいませんか。魔王」
「ク…」
自分で呼び止めておいて…とは、もう言い返す気にもなれなかった。
「もういい」
魔王は肩を落として、すごすごと勇者と魔術師の為に用意した城で一番のゲストルームを後にした。

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