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銀狼の国

いろんな奴を主人公にしていろいろ書きたかったもの
あきた。
なにげにR15くらいはあるので注意。
でもやっぱりエロは無理だ。

「バーミッシュ、リシュファルトが来てるぜ」

声を剣を下ろし闘技場の入り口の辺りを伺うと、白金の髪を持った美しい男がニコリと笑って俺の方に手を振っているのが見えた。
「ったく羨ましいぜ、まさかお前なんかがリシュファルトと専属契約を結ぶなんてな」
からかいともヤッカミともつかない言葉に俺は返す言葉がない。
俺はただ小さく笑ってみせ、それからリシュファルトの方へと足を向けた。
俺が彼の方へ行くのを隊の連中が羨ましそうに、そして憎らしげに見ている。そのことにため息をつきそうになるのを必死に堪え、リシュファルトの前に立った。
「随分熱心に剣を振っていたね」
「あぁ、研ぎに出してたのが戻ってきたんでその慣らしだ」
リシュファルトは「へぇ」と相槌を打つと、「昼食にでないか?」と俺を誘った。

リシュファルトはとても美しい男で、女性はもちろん男性にも絶大な人気を誇っている。
生まれこそ男爵家とそれほど高い地位ではないが、剣の腕はたつし魔法の心得もあり軍部では出世頭に挙げられる。
そのリシュファルトと俺は専属契約を結んでいる。専属契約とはいわゆる愛人契約である。
軍は男社会であるから、見た目がきれいなものは狙われやすい。
それを回避するための制度が専属契約である。
これを結んでいるもの同士はパートナー関係になり、パートナーを持つ相手に手を出すのはご法度だ。
これは軍規にも記されており、他人のパートナーに手を出したことが発覚すれば厳しい処罰がある。
リシュファルトはとても美しい男であるから、これまで何度もあぶない目にあってきたのだそうだ。それをこれまでは実力で退けていたそうなのだが、それも苦痛になってきたのか、つい一月前に俺に契約を持ちかけてきた。
ちなみに俺とリシュファルトはそれまで全く面識がなかったはずで、なぜ俺が選ばれたのかは不明だ。

「今日は少し汗ばむね、冷たい麺料理が食べたい気分だ。君は?バーミッシュ」
「何でも構わん」
「本当に君は色気がないね」
彼に色気がないと言われてもなんとも思わない。
彼に色気がありすぎるのだ。
通りすがりの男女が彼を振り返るのはもちろん、見惚れてつまずいたり、何かにぶつかるのもよくあることなのだから。
「では、フラウ=ミゼットへ行こう。あそこのトマトを使った冷製麺は食べる価値ありだ」
なんでもいい。
俺はリシュファルトの横を黙って歩く。
俺から見ると、リシュファルトは頭半分ほど背が低いのだが、これはなにも彼が小柄だということではない。彼はその繊細な顔立ちから女性のように見られることもままあるが、身長は男の平均よりも高く、軍人としてそれなりの体格を持っている。
「そういえば聞いたかい?バーミッシュ。そろそろ出兵命令が出るって話」
「噂なら耳にはさんだが、本当なのか」
「らしいよ。我が国はリンデルヴァッハの同盟国だからね。援軍として出るって話だ」
「そうか」
「詳細は知らないけどリンデルヴァッハの北にあるなんとかという城を占拠しているデルマンを攻めるらしい」
「城落としか…」と呟いた俺を彼は少し下から見上げて笑った。
「バーミッシュとしては楽しみみたいだね」
俺はなにも言わなかったが、確かにその通りだった。
近頃は平和すぎてつまらなかった。俺は剣を振るうことしか能のない男だ。平和が嫌いとまでは言わないが、戦いのない日々は俺を少しずつ殺していく。
「何時頃になりそうなんだ?」
「近い内だ」
「そうか」
一体どこから仕入れてきた情報なのかと思ったが、それは口にしなかった。
俺は彼の専属契約者であるが、彼自身にさほど興味はなかった。

フラウ=ミゼットで食事をした後、俺達はまっすぐに近くの安宿に入った。
別に軍の宿舎でも良かったのだが、リシュファルトが部屋は飽きたと言ったのだ。
安宿で何をするか。
密談…ではない。
専属契約者としての責務を果たすのだ。
専属契約というものは別に誓約書を交わすわけでも目印を互いにつけるわけでもない。
俺たちは相手にパートナーがいるかどうかを“嗅覚”によって判断している。
嗅覚といったが、実際には匂いではなく第六感に近いもののような気がするが、契約者同士…つまり、体の交渉があるものにはお互いにその相手の匂いがつく。
それによって俺たちは相手にパートナーがいるのか、それとも独り身なのかを判断するというわけだ。
まるで犬のようだと思うかもしれないがそのとおり。
俺の国の人間は先祖である銀狼の血が濃い。普段は姿形こそ人と全く変わらぬ姿をしているが、俺を含め獣形になることが出来るものも多い。
部屋に入って早々に俺たちは抱き合い、お互いの匂いを確認しあう。
リシュファルトからは彼自身の香りと共にほどよく俺の香りが混じっているのが分かる。俺のメスの匂いだ。
嗅ぐと否応なしに体の熱が上がる。だが、
「匂いが薄い」
俺と同じように匂いを確認していたリシュファルトからは不満の声が上がった。
「そうか?」
「あぁ、やっぱりお前には匂いがつきにくいみたいだ。まだ前回から5日も経っていないのにもう消えかけている」
それは受け入れる側と受け入れさせる側の問題だろう。
俺は気にせずに彼の匂いを取り込み、俺と彼以外の薄い香りを嗅ぎとる。
別に他の男との密通を疑っているわけではないが、こういう時、俺はひどく狭量になる。彼の友人のクミの香り、隊のウッドラン、ヘインス…それから…
「第二王子とあったのか」
「あぁ、うん。わかる?」
「また言い寄られているのか」
俺の問いに彼はクスリと笑い、俺から少しだけ体を話してイタズラっぽい目で俺を見上げた。
「妬いてくれるのか?」
「心配しているんだ」
そう答えれば、彼はつまらなそうな顔をした。
「君は本当に色気がないな、バーミット」
「放って置いてくれ」
「君なら何人も妻を取ることができるだろうに」
俺たちの種族は一夫多妻制で、一部の“魅力的”なオスがメスを独占しその他のオスのほとんどは子孫を残すことが出来ない。
よって軍にあらずとも、オス同士でパートナー関係を結ぶものは多い。
それをわざわざ専属契約と呼び区別しているのは、軍という特別な環境のせいだろう。
「俺には興味が無いな」
「そうかい?」
「お前はあるのか?リシュファルト」
聞くと彼は少し考え、首を横に振った。
「俺もない…かな五人も六人も妻を持って日々渡り歩くなんて趣味じゃない」
彼はそういって俺の首筋に鼻を押し当てた。
「それで?」
「ん?」
「第二王子のことだ」
「あぁ」
彼は興味無さそうにつぶやいた。
「別に。大したことじゃない。口説きにはきたみたいだけどね、俺にしみついた君の匂いを嗅いだ途端、腰を引いて逃げていった」
「なんだそれは」
「第二王子は、いっちゃ悪いけど大した器はないからね、完全に腰が引けてて面白かったよ」
リシュワルトの言い方はかなり悪意があるが…しかし、第二王子に大した器がないというのは割りと有名な話だ。
彼は現在、女妻が3人いるのだが、いずれにも子供がいない。噂では、女がその気にならず子が出来ないのではないかという話もある。
「それより、バーミッシュ。あのチビの匂いが濃いようだが…?」
「…」
チビ…とは、俺の隊の新人の事だ。子犬のような奴で俺のことをとても慕ってくれている…だが…
「まさか専属契約に反するようなことは…」
「していない」
若くて初々しい新人兵は、そういう意味で狙われる事が多く気にかけてやっているのは本当だが、そういうつもりはない。
大体…言っては何だが、彼はあまり食指が動かされるタイプではない。それはリシュファルトにも何度も言っていることではあるのだが、俺はイマイチ信用されていないらしい。
「本当だな」
「あぁ」
「俺はオスを共有する気はないからな」
「あぁ」
「裏切ったらひどいぞ」
そう言いながら彼が仕掛けてきたキスに答えてやり、それから「どうする?」と聞いた。
「先に風呂にするか」
それに彼は首を横に振った。
「いい、さっきクスリを飲んだから」
彼の言うクスリとは、オスがメスになるクスリの事だ。
といっても、体が女になるわけではなく、オスを受け入れられるように準備するクスリだ。
俺自身は飲んだことがないからよくわからないが、受け入れる場所をほぐし、粘液を出し、また中を衛生的にするものであるらしい。
「いいのか?俺は汗臭いぞ」
「構わん。いや、むしろその方がいい。匂いがいっぱいつくからな。知っているか?お前とヤッた後は、他のオスは俺に近づこうともしないんだ」
他のオス…特に自分よりも強いオスの匂いのたっぷりとついた“モノ”には近づかないのは、俺達の血に残る獣の習性なのかもしれない。
そんなことを思いながら俺はリシュファルトの服を手荒に剥ぎ取ってゆくと、彼はくつくつと楽しそうに笑いながらなされるがまま白い首を晒した。
俺がその首筋に軽く歯を立てると、彼は小さく呻き、すすんでベッドに倒れこんだ。

彼の体はとても卑猥で美しいと俺はいつも思う。
軍人であるし…その前に男であるから、彼の体は女とは違い筋肉質で柔らかみは少ない。
しかし、彼ほど俺の欲を煽るものはない。
彼の白い髪、薄い紫の瞳、あえぐ為に開かれた唇から除く赤い舌。どれもが俺を高ぶらせる。
「あっ…、バーミッシュ」
苦しげにも見える痴態は、しかしあからさまに快感を示していて俺の自尊心をくすぐる。
俺がことさらにじらすと、彼は自ら足を開きそこに指をあてて俺を揺する。
こんなこと…娼館のアバズレでもやらない。
「いやらしい男だ」
呆れ混じりに言えば、彼は妖艶に笑い「早く」と腰を揺すって見せる。
俺たちは何度もつながり、お互いを貪る。
はじめはお互いに向き合って、俺が上になり、それから彼が上になり、四つん這いになり…
俺や彼から溢れたあれこれでベッドがぐっしょりと濡れそぼるまで、陽がくれ、月が昇るまで何度も何度も交わり、最後には入れたまま横になる。
彼は俺にぎゅっと抱きつき、腰に足を絡めてとろんとした目で俺を見つめ、やがて眠りにつく。

*

翌日、目をさますと彼はちょうど浴室から出てくるところだった。
あいからずとんでもなく色気のある男は、腰にタオルを巻いたきり。
赤く腫れた乳首を俺に見せつけ、俺の視線に気づくと近づいてキスをしかけてきた。
そして…
「おい」
股ぐらを卑猥に触った。
「リシュファルト」
萎えているそれを握りすりすりと快感を与えてくる。
「おい…」
さすがにもうやらないぞっと呆れていると、彼はつまらなそうな顔をした。
「なんだよ、もう終わり?」
「散々やっただろう」
「そうだけど」
「まだ足りないのか?」
「うーん、もう少し欲しいかな」
「欲張りだな…」
普段の彼しか知らないものが見れば、きっとにわかには信じられないだろう。
何しろ普段の彼は、清廉潔白というか…、色気はあるものの一方で色ごとについては距離をおいているような印象のある男だ。
黙りこむと、彼はそれをOKのサインと取ったのかシーツの中から俺を取り出すとそれを猫のようにペロペロと舐めだした。
「昨日は舐めてないから」
「物好きだな…」
「ん…」
彼はちゅっぽちゅっぽと音を立てながらいやらしく俺を吸い、口に入らない部分を手でこすり、そして空いた手で自らを慰めている。
全くくらくらするほどの痴態だ。
俺はしばらくは黙って彼のさせたようにさせていたが、リシュファルトが物欲しげな目で俺を見上げた瞬間に理性が崩れた。
「クソッ」
俺は悪態を一つつき、彼を持ち上げると俺の上に座らせた。

 ***

「おはようございます!!バーミッシュさん!」

宿舎に戻った俺を最初に出迎えたのは、リシュファルトが“チビ”と言って嫌っているクウトだった。
彼はいつものように子犬のようにくっついてきたのだが、なぜかすぐにハッとしたように立ち止まり一歩下がった。
「?どうした?」
奇妙な態度に不思議に思っていると、彼は顔を赤くして目を泳がせた。
「あ、あの、昨日はリシュファルトさんと一緒だったんですね」
そう言われて、彼が戸惑っている理由がようやくわかった。
俺から彼の匂いが強く漂っているのだろう。
「そんなに匂うか」
苦笑しながら聞くと、彼はますます真っ赤になった。
「悪いな」
「い、いえ…あ、あの。う、羨ましいなって思って」
「羨ましい?」
意外な言葉に俺は少し驚いた。
「クウト、なんだお前もリシュファルトにあこがれていた口か」
「え!あの、そうじゃなくて…」
リシュファルトはお前には少し荷が重いんじゃないか。
クウトとそんなやりとりをしていると、「ぶはは」っという笑い声が聞こえ振り返るとそこには隊で親しくしているゴーシュが居た。
「なんだ?」
髭面の彼はヒィヒィ言いながら笑っている。
「知っていたが、お前は本当に朴念仁もいいところだな。クウトが言いたいのは…」
「ちょ、ちょっとゴーシュさん!!!」
何か言いかけたゴーシュの言葉をクウトが慌てて遮る。
「おかしなこと言わないでください!ぼ、僕はそんなんじゃありませんからっ!」
クウンは妙に早口でそんなことをまくしたてると、逃げ出すように離れていった。
「なんだあれは」
目を丸くする俺に残った男はくすくすと笑い、「大変だなぁ」と言った。
「なにが」
と聞くが、彼はそれには答えず小鼻をくんくんと動かし「強烈だなぁ」といやらしい笑みを浮かべた。

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