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それなりに楽しい呪いの日々

王道学園で、俺様凶暴の友人?が主人公
書きたいとこだけかく。

寮の自室に戻ると、生徒会の副会長が裸で縛られ転がされていた。ベッドの上に。
「わぁ、シュールだなぁ」
さるぐつわを噛まされた彼は、俺に気づくともがもがいいながら体をよじらせた。
「ははは、何言ってるかわかんねーし」
何言いたいかは大体わかるけど。ふひひ。
俺がジロジロと副会長の体を眺めると、彼はカッと頬を赤くしてもぞもぞと体を動かした。
男の癖に驚異的な色気だ。これは舞鶴が執着するのもわかるなぁ。
あ、キスマーク発見。ついでに噛んだ後も。っつか、痛そうだな。
「むご、もごごご」
「いや、だからわかんねーって」
後ろに細いロープでくくられた手が痛々しくて、少し緩めてやろうかなんて思ったりしたが、舞鶴は人のものに触られるのを嫌うし、犬並に鼻がきくのでやめた。
あいつ頭のネジが数本外れている上に、変な歯車が噛み合ってるような感じだから怒らせたくはない。
「っつかさー、副会長もけっこう頑張るよねぇ」
「むうーーー、むぐむぐ」
「いい加減、舞鶴に落ちちゃえば?」
「むーーーー!!!もがもが!」
「あいつがあんなに一人に執着するなんてありえないんだぜ」
「むぅーん!ふぐ!」
「愛されてんじゃん。はは。舞鶴のファンが泣いて悔しがるよ」
「ん!んー!うー」
「っつかさ、もう何度かやられてるんだろ?ならもういいじゃん。諦めなよ」
「むぐぐ!むぐぅ!」
「舞鶴とか超優良株じゃん。なんたってニューヨークを買い占めたっていう“久慈”の一人息子だぜ?」
なんてやってたら、ガチャンと音がして舞鶴が帰ってきた。
相変わらずあっけにとられるほどいい男だな、おい。
肩に担がれてる男が気になるけど。
「あ?何やってんだ、杏樹。まさかそいつに手ぇ出してねぇだろうな」
ギロリとにらまれ、俺は副会長から一歩離れた。
可哀想に、副会長顔が蒼白じゃん。
「出さないって。だって舞鶴のでしょ、副会長は」
手癖が悪い自覚はあるけど、それでも俺は舞鶴のものだけは手は出さないように気を付けている。
だって死にたくはないしね。
舞鶴は俺をじっと見たあと、ふんと鼻を鳴らした。一応信用してくれたらしい。
「それより舞鶴。お前何持ち帰ってきたの?誰それ」
聞くと、彼は一言「生徒会長」と言って、副会長が寝ている舞鶴のベッドではなく、部屋の反対側にある俺のベッドに肩に担ぎ上げていた男を放り投げた。
気を失っているのか何の反応もなく転がった彼は、確かに何度か見たことのあるイケメンだ。舞鶴とはタイプがちょっと違うけれど、モデル体型でめちゃくちゃモテる。
「どうしたの、これ」
「拾ってきた」
「どこで?」
「副会長を俺の部屋に転がしといたの忘れて生徒会室行ったらそいつが落ちてた」
「えーっと…」
それって本当に落ちてた?
色々言いたいことはあるが…
「舞鶴、もしかして生徒会長も気に入ったの?」
「いや」
「あれ?違うんだ」
でも気に入らなきゃわざわざ舞鶴は拾い物なんてしないはず。
自覚がないだけで、やっぱりお気に入りなんじゃないかと思っていると、「杏樹にやろうと思って」と舞鶴は言った。
「俺に?」
「あぁ、杏樹にちょうどいいと思って」
「へ、へぇ」
うわー。
迷惑きわまりないな…と思いつつも、口に出しては「ありがとう」と言っていた。
舞鶴と上手く付き合うにはいくつも注意事項があるのだが、先程言った物に手を出すなってやつに加え、彼が“やる”と言ったものは、それが何であれ受けとれと…というのも最重要事項の一つである。
そしてそれは彼が捨てていいというまでは絶対に持っていなきゃいけない。
さもなきゃ痛い目にあう。
物理的にも精神的にも。
「嬉しいか」
「うん、もちろん」
多少ひきつってはいるだろうが、それでもニコリと微笑めば、舞鶴は誇らしそうに口元を歪めた。
そして彼は素っ裸で縛られたままの副会長のもとへゆくと、彼を会長を運んできた時のように肩に担ぎ上げた。
「舞鶴?」
「風呂、入れる」
「あ、そ」
副会長はモガモガいいながら芋虫みたいにバタバタ身をよじっているが、舞鶴は全く気にしていないようでそのままバスルームの方へと消えた。
副会長と一緒で舞鶴が風呂だけで終わるわけがない。
可哀想に。だけど舞鶴が一人に夢中になっているのはとてもいいことだな…なんて思っていると、俺のベッドで横になっていた会長が目を覚ました。
彼は半身を起こしてぼんやりしていたが、俺を見つけると「お前、舞鶴の…!」と言って顔を青ざめさせた。
舞鶴が有名なのは知っていたけれど、俺もけっこう知名度があるのかな…?
「おはよー。会長。目、覚めた?俺は舞鶴のダチの杏樹ね。ついでに此所は俺と舞鶴の部屋」
「なんで…」
いいかけて彼は痛そうに顔をしかめ腹を押さえた。
「…ツゥ」
「もしかして舞鶴になぐられた?」
「あぁ、あの野郎、いきなり生徒会室に入ってきたかとおもったら…」
「ごめんなぁ、舞鶴は暴君だからね。誰もとめらんねぇのよ」
「信じらんねぇ野郎だ…」
「まぁそうだよね」
でも本当。
「あいつ気にくわないやつに対しては容赦ないから、会長も逆らわない方がいいよ」
ケツにハバネロ入れられたくはないだろう? と言えば、会長の整った顔が見事にひきつった。
「それは…嫌だな」
ゴクリと会長が音を立てて唾を飲み込んだ時、バスルームの方から「いやだ!やめろ!!!放せ!!」というようなくぐもった悲鳴が届いた。
「あ、あれは…?」
「あー…、副会長だよ」
「副会長…?そういえば今日は学校にも来ていなかったが…」
ぎゃーっという悲鳴とともにどたばたと騒がしい気配。
「おい…」
「大丈夫大丈夫。あれはかわいがっているだけだし」
「か、可愛がる」
やめて!誰か!!!放せ!!!嫌だと言っているだろう!!!ヒッ!!!
そして一度シーンとなって、バッシャバッシャという音が聞こえてきた。
「お、おい、俺がここに連れてこられたのって…まさか、冗談じゃねぇぞ…!」
慌てて立ち上がろうとする会長の肩を叩き俺は大丈夫だといってやった。
「今のところ舞鶴は副会長に夢中みたいだし」
「じゃぁなんだって俺はこの部屋に拉致されたんだ!」
「あー…それは…」
俺の口からはちょっと言いづらい。
言いづらいが、しかし言わないわけにもいかない。
「会長さ、舞鶴が俺にくれたんだ」
「…は?」
「だから、舞鶴が会長をプレゼントとして俺にくれたんだよ」
「俺がプレゼント?」
会長っていうのはものすごく頭がいいはずだが、だからといって理不尽な状況を一気に理解出来るほど柔軟ではないらしい。
「そう」
「お前への?」
「そう」
1つずつ確認していく。
「舞鶴からの?」
「そう」
「意味がわからん」
「意味がわからなくても…」
といったところで、甲高い副会長の喘ぎ声が聞こえてきた。
お盛んだな…。
会長の顔色がひどいことなってるけど。
「まぁそういうことなんだよ。さっきもいったけど、舞鶴に逆らうなんて正気の沙汰じゃないからね。俺はありがたく受け取ったから」
「受け取ったって…は?」
うん。わかるよ。わかりたくないんだろうね。
でも理解してもらわないと、本当に困るから一生懸命説明するよ。俺。
「舞鶴ってのはさ、会長もしってるとおもうけど、ものすごーーーーく凶暴なんだよ。気に食わないとなれば、殴る、蹴るは当たり前。人を二階から投げ落としたり、シェパードをけしかけたり、屋上から吊り下げたり、すっぱだかで町中に放り出したり、逆に人っ子一人いない山ん中に放り出したり、そりゃもう好き勝手やるんだよ」
「あ、あぁ」
「もうほんとうむちゃくちゃな奴なんだけど、彼の気に触らないようにしとけばまぁ被害は防げるんだわ」
その一例が俺。
俺、幼稚園から舞鶴と一緒だぜ。
それなのにまだ生きてるんだぜ。
知っている奴は俺のことをまんざら冗談でもなく「奇跡の男」と呼んでたりするんだぜ。
もちろん、それなりに努力は必要なんだけど。
「その中の一つに、あいつからのプレゼントは絶対に断っちゃいけないってのがあるんだよ」
「プレゼント…」
つまりこの場合は会長なんだけど。
「あいつからもらったもの…、缶コーヒーでも、消しゴムでも、お古の女でも…。俺にとってはいらないものであっても、絶対に受け取らなきゃいけねーんだよ」
「じゃないと機嫌を損ねるのか」
「そういうこと。受け取らなかった場合、好意を踏みにじられたと舞鶴は感じるらしい。ちなみに俺は幼稚園の頃、舞鶴のプレゼントを断ったことがある」
ちなみに粘土でつくった何かだったと思うんだが…
「気づいたとき、俺はICUで寝かされていた。目撃者である他の園児の話によると、俺はジャングルジムから足を滑らせたんだそうだ。だが医者はこの怪我はそんなもんじゃないはずだってしきりに頭をひねってたけどな」
多分、目撃者の園児は嘘をついているか、そもそも現場を見てはいないはずだ。
ただ、やったのが舞鶴だと知って偽証したにちがいない。
そう、まだ物心ついたかつかないくらいの子供ですら、舞鶴の恐ろしさは骨身に染みていたのだ。
「それからだ。俺はどんなものだって、舞鶴から“やる”と言われたものは全部受け取るようにしている」
「ちなみに受け取ったものを紛失した場合はどうなるんだ?」
副会長のあんあん喘ぐ声も気にならなくなったのか、会長は真剣な顔で俺に尋ねた。
「それも経験がある。あれは小学校三年の頃か…」
無くしたものは確かカエルのキーホルダーだった。
俺はそれをランドセルにつけていたんだ。それがいつの間にかなかった。
「俺よりも早く失ったことに気づいた舞鶴は、それこそ般若みたいだった」
いっそ角が生えていないのが不思議なくらいだった。
「その時は、欄干から10メートル下の川に落とされたな」
しかも真冬に、流れが早いと有名な川に。
「着ぶくれていた俺は、死に物狂いだったな」
結局二つ隣の町まで流されたけど。
「まじか」
「まじだ」
疑うなら、その時流木か何かでで切った背中の傷を見せてやってもいい。
あのとき、川辺利で震えていた俺を保護してくれたおばさんは真っ青になって何があったのかと俺に尋ねたっけ。だから俺は丸い石の上でふざけてたら落ちたってこたえたんだよな。
それが一番正しい答えだって混乱しながらも、俺ははっきりとわかっていた。
「あともうひとつ、こっちの方が会長には関係ありそうな話」
「なんだ?」
「贈り物が逃げた場合」
俺の言葉に会長はピクンと反応した。
「そんなことがあるのか」
「うん、あったね。舞鶴は俺の事を割りと気に入ってくれてるらしくてね、さっきもいったけどお古の女を回してくれることがよくあったんだよね」
別に俺が望んだわけじゃないんだけど。
舞鶴は特定の相手を作った事はなかったが、もてるから女は抱き放題だった。
その中でも特に気に入ったのがいた時、彼は時々俺にその女をプレゼントしてくれた。
「大抵の子は舞鶴の恐ろしさを知ってるから、舞鶴にお前は杏樹のとこいけって言われても逆らわなかった」
舞鶴も女は遊びだとわかっているせいか、一週間もすれば“あれ、捨てていいぞ”とか言ってたし、女も納得済み。
むしろ、俺にまわすってことは“良かった”ってことだって喜んでたのもいた。
俺から解放されればすぐにまた舞鶴にモーションかけにいったりね。
「でも、中には勘違いしちゃう子がいちゃってね」
そう言えば、会長はよく分かるというように頷いた。
彼も似たような経験があるってことか。
「俺は“貰った”んだけど、プレゼントのほうが逃げ出しちゃってさ。あの時は…もう可哀想だったな…」
「それは…聞いたほうがいいのか?」
「別に聞きたくなきゃ聞かなくてもいいけど…」
どうする?と見ると、彼は少し考えて首を横に振った。
「いや、いい」
「まぁどうでもいいけど。それよりさ、聞いてわかったとおもうけど、俺はあんたを貰っちゃったわけだからそこんトコロを自覚して行動してほしいなぁと思うわけだ」
「具体的には?」
「んー…っつっても、俺、男を貰ったの初めてだしな…。でもまぁ恋人的な感覚?」
あからさまに嫌な顔されてしまった。はは。
「振りで十分だけど、舞鶴は鼻がいいから彼の前だけってんじゃなくて、普段からなるべく恋人っぽく振る舞うように心がけて欲しいなぁ」
「面倒くせぇ…」
「そういわないでさぁ、俺も死にたくないし、あんたも死にたくないだろう?ま、ゲームだと思ってさ」
「ゲームか…」
「そ、舞鶴がもう捨ててイイっていえば終わりだしさ」
「捨てて…か」
苦笑する会長。
確かに、誰かに捨てられるような覚えはひとつもないだろうな。だが一応は納得してくれたようで、「まぁ副会長みたいになるよりはマシか…」と力なく笑い、俺に右手を差し出した。

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