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ルクス・ペイン

久しぶりだけどかきたくなったんで。
ゲーム開始直後くらいで。
出てくるレイジはもちろん玲治であって、高野じゃございません。
駄文すぎる上に、プレイしていないとわからない
読み返さない

「メロディ?どうしたの?」

いつものように犬のメロディを連れ、街を歩いていたナミは突然に相棒が足を止めてしまったのに気付き振り返った。
「メロディ?」
商業施設が多く立ち並ぶ第三区。
メロディは行き交う人々の方をじっと見つめていたが、急にキュウンと怯んだような声を出しナミを振り返った。
「誰か、いるのね?」
動物の言葉がわかるナミは緊張する。
「誰?…なに?この感じ…。不安?喜び…?メロディ!行ってみよう!」
ワゥン!
「大丈夫!見つからないようにするから!」
走り出したナミ。
メロディは一瞬躊躇する素振りを見せたが、すぐに彼女の後を追って駆け出した。

そうしてしばらく。
彼女は奇抜なデザインで知られるインターネットカフェの前に来ていた。
カフェの前に置かれた看板。
そこに隠れてそっと窺っている先には、通りを見ながらぼんやりと立ち尽くす青年がいた。
年は彼女の姉と同じくらい…つまり高校生くらいの青年だ。
「なんか、変な感じね、メロディ」
クゥン
ケーキ店の倅であるアキラや、古書店の店主をしているリョウよりは小柄。そしてネットハックを得意としているシンジよりは背が高い。
ちょうど近頃こちらに越してきたばかりのアツキと同じくらいの体格だ。
黒い短めの髪に痩身、長めの手足。
ナミはそんなごく普通の青年を見つめてながらしきりに首を傾げていた。
「なんだろう?優しい?…ううん、違う?」
人の心を読むことの出来る彼女は、青年を複雑に取り巻いている雰囲気に困惑した。…と、次の瞬間振り返った青年と、ナミはバッチリと目が合いドキッとした。
今からではもう姿を隠しても間に合わない。
ナミは不安を訴えるメロディを片手でなだめながら、そっと看板の裏から出ていった。
「お兄さん、誰なの?」
ナミを観察するような視線。それはなんとも奇妙なもので、ナミは胸をドキドキさせながら聞いた。
「俺はレイジ、君は?」
「私?私はナミ。そしてこっちはメロディよ」
警戒しながら、しかし精一杯無邪気に見えるように振る舞うナミ。
青年、いやレイジはそんなナミを見透かすようにじっと見つめていたが、やがてふと笑顔を見せ彼女を驚かせた。
「ナミちゃんか。君は不思議な力があるみたいだね」
「え」
「あは、大丈夫だよ、そんなに警戒しないで。俺は敵じゃないよ」
敵意がないことをしめすためか軽く両手を広げるレイジ。
そんな彼からは先程までの色々な感情が入り交じったものは感じられず、ただただ優しい空気だけが流れてくる。
「お兄さん、もしかしてアツキお兄ちゃんのお友達?」
「うん?君のお兄さんかな?」
「ううん、アツキお兄ちゃんは近頃こっちに引っ越してきたんだけど、ちょっと雰囲気が似てるから」
「アツキって人は知らないけど…どんなところが似てるの?」
「えっと…不思議な目とか、優しいけど時々怖いところとか。それに不思議な力があるとこかな」
「不思議な力?」
「そう、あなたにもあるんでしょ?メロディが言ってるもの」
メロディという言葉にレイジは犬の方をちらっと見て目を細めた。
「なるほど。でもちょっと違うな。俺の力は不思議な力じゃなくて怖い力だよ」
「怖い?」
警戒をにじませるナミと、それに反応してグルルっと小さく唸るメロディ。
そんな一人と一匹を見てレイジは目を細め、もう一度「大丈夫」と言った。
「俺は君たちを傷つけるつもりはない。本当よ。わかるだろう?」
「……うん。わかる。ね、メロディ」
ワウン!
「よかった」
彼はそっとナミの方へと近づき、数歩前で立ち止まると「ここはちょっと変わってるね」と言った。
「え?あのネットカフェのこと?」
「ネットカフェ?」
「うん。あの気持ち悪い緑色の建物のこと」
ナミが指差す方を見たレイジは「あれ、ネットカフェだったの?」と目を見開く。
緑と一言いっても、新緑の色や、お茶の色、青みがかったの、黄身が強いもの…といろいろあるが、その建物の壁は…なんとも目に痛い、健康に悪そうな色をしていた。
「一応ね、気持ち悪いからお客さんは殆どいないんだけど…アキトお兄ちゃんはよく通ってるみたい」
「へぇ。アキトお兄ちゃんね。その人も不思議な力を持っているって?」
「うん、そうよ」
「そういう人はこの町には多い?」
「うーん…」
「他に誰か知っている?」
「えっと、あ、ルイちゃん!ルイちゃんは占いが出来るよ!百発百中!すんごいの!」
パッと表情を明るくして手をたたくナミにレイジは目を細めた。
「お兄さんも仲間…だよね?」
「え…?うーん、どうだろうな」
伺うように聞かれ、レイジは困ったようなかおをした。
「仲間といいたいけど…違うかな」
「違うの?」
「うん。敵…じゃないけれど、敵の方が近いかもしれない」
「え?」
不安げなナミを無視して、「近頃、この街で変なこと起こってないかな?」とレイジは聞いた。
「突然人が怒り出したり、泣き出したり、人を傷つけるようなことをしたり…。そんなことはないかな?」
「えっと…、知ってる?メロディ」
クゥン
「あ、そうだ。この間、ひどい事件があったのは知ってる!あのね、動物がたくさん殺されたの。マンションで…とてもひどいこと」
「そう、他には?」
「うーん、同じマンションで何か事件があったって聞いてる」
「そう…じゃぁ、まだ完全に秤が傾いたわけじゃないのか」
「秤?」
「うん。ナミちゃんが言ったように、俺にも特殊な能力がある。それでわかるんだよ、この街が少しずつ傾いているのがね」
「それって…どういうこと?」
「いい事じゃないね。此処はとてもマガツヒが濃いから」
「なに?それ」
「うーん、言葉で説明するのは難しいな」
レイジは苦笑し、街を見回して目を細めた。
「マガツヒが満ちている。こういう場所には、悪魔が集まりやすい」
「あ、悪魔?」
「うん、もうすでにいくつかは入り込んでいる」
レイジはナミを見下ろし、「気をつけて」と言った。
「君は多分狙われやすい。そのアツキって子も、もう一人の子も」
「うん…」
ナミはレイジの言葉を完全に理解したわけではなかったが、近頃街に奇妙な空気が蔓延しているのは知っていた。
それがあまりよくないものであることも。
だから祈ったのだ。
「だけどね、大丈夫!お兄ちゃん…アツキお兄ちゃんがいるから!」
助けを呼んだときに現れた人。
ちょっと冷たくて、近寄りがたい感じがするけれど、心の中はとても暖かで優しくて…それでいて強い人。
「アツキお兄ちゃんは特別なの。何かあってもきっと私たちを助けてくれるって信じてるから」
ナミの言葉に彼は驚いたように目を見開き、そうなのかと優しく微笑んだ。
「なるほど、そうか…、ここには対抗する力もあるのか」
ナミはレイジから喜びのような感情と、そして寂しいような物悲しい感情を読み取った。
「だったら、逃げ隠れするよりも立ち向かう方を勧めようかな」
「え?」
レイジは浮かべていた微笑みを引っ込め、真剣な表情をするとまっすぐにナミを見た。
「いいかい?ナミちゃん。この街はきっとこれから少しずつ、しかし急速におかしくなっていく。それに君は脅かされるだろう。怖かったり、悲しかったり、許せないような思いをするだろう」
予言のように告げられる言葉にナミは硬直して聞き入った。
「逃げた方が楽かもしれない。耳を塞ぎ、目を閉じて隠れていた方が安全かもしれない。だけど、もし君がこの街と、この街に住む人々を大切に思うなら、失いたくないと思うなら、立ち向かわなくてはならない」
「立ち…向かう?」
「そう。これはアツキという人が本当に信頼できる場合に限るんだけど…」
「大丈夫!お兄ちゃんはすごいもの!それにマコちゃんもいるよ!」
「マコちゃん?」
「そう!警察官なの!マコちゃんもすごいの。私とメロディのことちゃんとわかってくれるもの!」
ワン!
勢いこむナミと尻尾を振って吠えるメロディにレイジは優しい目を向ける。
「だったら、彼らを信頼し、助けてあげてほしい。彼らもきっと頑張ってくれるだろう。だけど君の助けが必要だと俺は思う。無理をしろとは言わないけど、君が気になったり気づいたりしたことは彼らには伝えた方がいいだろう」
「うん!大丈夫!私の味方はメロディだけじゃないもの。スズメもカラスも野良猫も、みんな私の友達だから!」
ワンワン!
「そうか、それなら大丈夫かもね。だけど、それなら一度辛いことがあったからといって簡単に諦めちゃだめだよ」
「うん!…あ、ねぇお兄さんも手伝ってくれるんだよね?」
「えっ、俺?」
「うん、お兄さんも力があるんでしょう?だったら手伝ってくれるよね?」
「あ、いや…」
困ったな。
レイジは少しだけ嬉しそうに苦笑し、「悪いけど」と首を横に振った。
「俺はもうすぐ行かなきゃいけないんだ」
「そう…なの?」
ついさっき知り合ったばかりだというのに、さみしげな表情を見せるナミ。
それがレイジには嬉しかったようで「ごめんね」と謝りつつも上機嫌だ。
「でも、応援しているから、頑張って」
「うん!頑張るよ!ね、メロディ!」
ワウン!!
任せろというように吠えるメロディ。
「…それじゃぁそろそろ時間みたいだ」
「うん。じゃぁまたね、レイジお兄さん!」
「あぁ。また。会えるといいな」
ワン!
「メロディも」
レイジはそう言うと、一歩ナミたちから遠ざかった。
すると…
「え?」
彼の存在感が急に希薄になった。
「それじゃぁ、さようなら、頑張って」
手をふる彼の体が急速に薄れていき、背後の風景が透けて見え出す。
そして、ナミがあっと声を上げる前に彼は夢のように消えてしまっていた。
驚いたナミはしばらく動けずにいたが、やがてメロディと顔を合わせ「見た?」と聞く。それにワンとメロディは答え、不思議そうに首を傾いだ。
「ねぇ、メロディ、夢じゃない…よね?」
ワウン!
「そうよね?うーん…」
彼女はしばらく考えるように首をかしいでいたが、答えは出なかったのか「まぁいいか」と笑顔を見せると「いこ、メロディ!」と犬に声を掛け、町中を歩き始めた。
「がんばろうね、メロディ」
ワン!

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