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君が為に嗚呼眠る 13

満足したといいつつ、他にネタもなかったので続けてみた。
読み返しません。

まだ続くのか。
そんな思いが顔に出たのだろう。
「ギルドの方は、すぐに終わりますよ」
といって、受付の少女は笑い「ところでパーティギルドの名前は決まっていますか?」とフランシスの方を見て言った。
「ギルドの名前ねぇ…。ルート、何かある?」
フランシスが話をふると、ルートヴィヒは少し考え「あぁ」と言った。
「テンプル騎士団というのはどうだ?」
「テンプル騎士団?」
片方の眉をひょいと上げて見せるフランシスにルートヴィヒは頷く。
「言っておくがこの名前は別にロマンだとか趣味だとかの問題じゃない。お前が言うとおりに兄さんがこちらに来ているとすれば、その名前をつけていれば会いに来てくれる可能性が高いと思ってのことだ」
何を隠そうルートヴィヒの兄、ギルベルトは中世の騎士団が大好きなのだ。
なにかしらで『テンプル騎士団』というギルドの名前を聞けば、彼ならば必ずピンときて駆けつけてくれるはずだ。
その理由を聞いたフランシスはなるほどと納得し、ロヴィーノを見た。
「俺には依存はないぜ」
「うん、お兄さんも。本当はもっとロマンチックな名前がいいんだけど、そんな理由じゃ断るわけにはいかないよね」
「ありがとう」
「…えーっと、では、テンプル騎士団?でよろしいですか?」
「それで頼む」
ルートヴィヒが言うと「わかりました」と彼女は頷き、「ギルドマスターは誰になさいますか?」と聞いた。
「冒険者ギルドからは特にギルドマスターだからといって恩恵があるわけではありませんが、ギルドマスターという存在は必要なので」
「そっか。えーっと…じゃぁ、ルートヴィヒやる?」
「いや、フランシスの方がいいだろう。俺は他の種族とは友好的とはいえないからな。お前のほうが都合がいいだろう」
「おっけー、じゃぁ俺…じゃなくて、私で。私はフランシーヌよ」
「はい、フランシーヌさんですね。ではこちらの水晶に手を当てて下さい」
「はいはい」
フランシスが手を当てると…今度は特に音もしなければプラズマが走ることもなかった。
「はい、結構です。ではロヴィーノさんとルートヴィヒさんも続けてどうぞ」
少女の言葉にルートヴィヒが先に手を水晶に置き、続いてロヴィーノが手を置く。
手を置く際にロヴィーノは相当びびっていたのだが…今度は電気も走ることはなく、彼はほっと息をついた。
「はい、結構です。これであなた方は三人一組と扱われますので…えっと、注意事項は必要ですか?」
「いや、いいよ」
フランシスは手を振って説明を断った。
「悪いことはせず、まじめにやれば特にペナルティはないでしょ?」
「えっと、はい、まぁそうですね。ではわからないことがあったら、いつでも聞いて下さい」
これですべてが完了です。
にっこりと微笑む少女にロヴィーノはホッと息をついた。
まだ昼にも届かない時間だが、色々となれないことをしたせいでかなりぐったりだ。
だが
「まだまだだ、ロヴィーノ」
脱力しているロヴィーノにルートヴィヒは言った。
「これから装備を整えなくてはいけないからな」
「装備?」
「そうそう、冒険者ギルドに登録してるんだから冒険してなんぼでしょう!」
「はぁ?」
張り切るフランシスに胡乱な目を向けるロヴィーノだが、ルートヴィヒに「どちらにしろ、他の国や町、地方を回る必要がある」と言われると渋々頷いた。
「まだ俺は戻れる可能性を捨てては居ないんだ」
「俺はどっちでもいいんだけどね~、っていうか、むしろこの世界をまわらないと損でしょう!なぁ?」
男の子に生まれたからにはうんたらかんたらと興奮気味に語る“美女”。
ギルドに集まっていた冒険者達が怪訝な目をして“彼女”を見つめた。
それに気づいたロヴィーノとルートヴィヒは慌ててギルドを出ていき、「あ、ちょっとちょっと!」とフランシスは置いていかれてはかなわないと二人を追いかけた。

「あれ?なぁ、そういえば支払いはしたのか?」
外に出てロヴィーノが聞くと、ルートヴィヒはもちろんだと頷いた。
「ギルドに登録したカードが手のひらに消えたように、銀行口座も持っていればその情報のカードを体内に取り込めるんだ。だから直接先ほどの水晶のようなものに手をかざして支払っておいた」
「へぇ…便利だな」
それじゃぁ、強盗なんて出来ないのだな…とロヴィーノは感心するが、もちろんそんな簡単な話ではない。現金でなくても、現金化できる宝石をはじめとして世の中にはたくさんあるのだ。
「さて、で、買い出しだけどどうする?二手にわかれる?」
「ん?あぁ、そうだな。そうしてもいい」
「じゃぁ、お兄さん…じゃなかった、お姉さんは道具屋とか薬屋とかいってくるから、二人は武具方面まわってきたら?」
「あぁ、それでいい」
三人は買い物が終わったら宿に戻り、それから揃って昼食に出かけることを決めフランシスは左手へ、そしてロヴィーノとルートヴィヒは右手へ進んだ。

10分ほど歩き、ロヴィーノとルートヴィヒの二人は武器や防具などを扱っている店が多く立ち並ぶ区画にやってきた。
こんなに同じものを扱う店が密集していて成り立っていくのだろうかとロヴィーノは不思議に思ったが、それぞれに特徴があるのだとルートヴィヒは言う。
「あそこの店は弓矢の専門店、向こうはミスリルで作った武具の専門店、そっちは忍刀の専門店。同じ商品を扱っているとしても、その店の鍛冶屋の腕や種族によって客層が変わってくるんだ」
「腕はわかるけど、種族ってのは?」
「あぁ…、種族によって、ある種族とは仲がいいとか悪いとかがあるんだ。わかりやすく言うと、犬科の獣人族は猫科の獣人族と仲が悪い…とかいう具合だ」
仲が悪い種族同士だと、同じパーティで狩りをした場合に経験値が減ったり、魔法の効果が減少したり、店でものを買う場合には値段をふっかけられたりするらしい。
「ちなみに、俺は魔族以外のすべての種族と仲が悪い」
「はぁ?!」
ポロッとこぼされた言葉にロヴィーノが驚きの声を上げると、ルートヴィヒは困ったように肩をすくめた。
「魔族っていうのは基本的には嫌われ者だからな」
「…そうなのか」
「しかし、比較的にましな対応をしてくれる種族もいる。代表的なのはヒューマンだな。ヒューマンという種族は一番ノーマルな種族なんだ。誰からも嫌われない変わりに好かれもしないような。ゲームでは初心者向けの種族だったんだ」
「でも、魔族は嫌われるんだろう?」
「まぁな。しかし、比較的マシな部類なんだ。一番ノーマルというだけあって、鍛冶の腕もまぁあまりいい者はいないが…と、あそこに入ってみるか」
ルートヴィヒの視線の先では、ちょうど店先にセールものであるらしい剣の入った樽を並べている青年がいた。もちろん、種族は人である…が…
「そういえば、お前は人と見た目は一緒なのに、それでも魔族ってわかるのか?」
ロヴィーノが不思議に思って聞くと、「それはわかるものだ」とルートヴィヒは言った。
「いや、漠然と見てるとわからないかもしれないな。しかし相対するとわかる。特に魔族はな」
ルートヴィヒ自身は本人なのでわからないが、他の種族は魔族と相対すると嫌な感じを受けるらしくすぐに魔族とわかるのだそうだ。
「よく…わかんねーけど」
ロヴィーノが首を傾ぐと、「それはお前が俺に気を許してくれているという証拠かもしれないな」とルートヴィヒは嬉しげに笑った。

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