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君が為に嗚呼眠る 04

続かないと言いつつ、ちょっと書きたくなったので続けてみた。
読み返してない…汗

「どうよ、俺様…じゃなかった。私、フランシーヌ様のこの美貌~!」

小指をつんと立てて妖艶に微笑むフランシス。
身長、体重、手の長さ、足の長さ、腰回り、バストサイズはもちろん、爪の形や唇の色まで細かく指定したというフランシスは確かに美しかった。
しかし、
「フランシス様の美しい面影を残しつつ仕上げたこの美貌!もう、自分の体とはいえ思わずよだれがでちゃうよなぁ!もう!お兄さん…いや、お姉さん、最高!ステキ!愛してる!」
かなり残念である。
おそらく男だった時よりもずっと。
建物の中にいた人々も最初こそフランシス…今はフランシーヌらしいが…の姿に見惚れ息を呑んでいたが、今は可哀想なものを見る目になってそそくさと目を逸らしている。
ロヴィーノはなんだかいたたまれない気持ちになった。
「なにせこの姿デザインするだけで3日よ!3日かかったんだよ!もうね、俺、仕事の時よりよっぽど頑張っちゃったもんね!」
フフンっと鼻を高くするフランシス。
いつもならば『うるせぇぞ!コノヤロウ』と頭突きをする所…なのだが、どうにもそんな気が起きないのは、一概に女性の姿をとっているからというだけではないような気がした。
「それより、お前、今が非常時だってわかってんのかよ」
「え?…あぁ、ログアウト出来ないってやつ?」
「なんだ、わかってんのかよ」
「うんうん。なんかルートヴィヒが焦っててさぁ、っつか、聞いてよ。俺、あいつのキャラクターもデザインしてやったんだけど「どこにいるんだ?」」
話が長くなりそうだと無理やりに遮ると、フランシスはちょっと気分を害しながらも「今、外部とのアクセスポイントに行ってるよ」と教えてくれた。
「アクセスポイントってなんだ?」
「そのまんまだよ。外部とアクセス出来るポイント。バグがあったりとかプレイヤー同士でトラブルがあった時とか、困った時に外部にいてモニターしているサポートの人に直接問い合わせ出来るポイントの事だ。管理者兼運営の権限を持っているルートヴィヒの場合は、そんなことしなくても外とつながる事が出来るらしんだけど、その回線が死んでるみたいだ…とかなんとかいってさぁ」
「……本当にでられないのか」
深刻な顔をするロヴィーノに対し、
「だいじょーぶ、大丈夫だって~」
フランシスはあくまでも陽気だ。
「まぁちょっと調子が悪いだけだろ?気にすること無いって。菊ちゃんがなんとかしてくれるって」
菊ちゃんとは本田菊の事で、カークランドという男に詰め寄られた男だろうとロヴィーノは予想がついた。
フランシスはかなりの信頼を彼に置いているようだが…果たして本当に大丈夫なのだろうかとロヴィーノは不安になる。カークランドを冷静にさせようとしてはいたが、自身がかなり取り乱しているのには気づいていなかったようでもあった。
それに彼らを取り巻いていた人々の顔は、誰もが緊急事態に茫然自失といった感じで何も手に付かないといった様子だった。
「そういえば、アルってやつはいないのか?」
「アル?アルフレッドのことか?あれ?ロヴィーノ知り合いだっけ?」
「いや、知らねぇけど…」
「あいつなら入ってきてすぐに『さ、ルートヴィヒとフランシスの救助に向かうんだぞ!』とかいって、俺が話しかける間もなくギルドを飛び出して行っちゃったよ」
「ギルド?」
「あぁ、この施設の事ね。冒険者ギルドっていうんだよ。冒険者として身を立てたいやつはここでギルドに登録して、依頼を受けながらレベルアップするんだ」
ゲームによくある設定だと言われ、そんなものなのかとロヴィーノは納得した。
「それでお前はこんなとこで何してんだよ」
「何って。外から入ってくる奴がいないか待ってたんだよ。俺たちが入る時に、スタート位置をココにしてたからさ。もし外部のやつが入ってくるならここに現れるんじゃないかってルートヴィヒが言ってね。で、ロヴィーノが来たわけなんだけど…何かメッセージ預かってる?」
「いや」
ロヴィーノはそれを否定し、ついで自分がどういう経緯でゲームに入ることになったのかを話した。すると揚々としていたフランシスの顔は徐々に曇り、顎に手を充てて止まった。
「なんだ、それ…。俺たちがゲームに取り込まれたって…」
「俺だってわかんねーよ。ただいくら覚醒させようとしても無駄だったとかなんとか…そんな話ししてたぜ」
「そういえば…ログインする時に何かエラーコードが出てたような…」
「あ、そういえば…」
何かよくわからない文字の羅列が…と思った時、
「そのコマンドを覚えてないか?」
と、第三者の声が割り込み、ロヴィーノはぎょっとした。
見ると傍らに先ほどまでは居なかった少年が立っていた。
少年…12歳くらいの少年だ。金の髪に水色の透き通るような目、幼さの残るふっくらとした頬。手足はすらっとして細く、黒いマントを羽織っている。
誰だ…?
怪訝な顔をするロヴィーノを見て、少年は気まずそうに顔を逸らした。
「そう…ジロジロと見ないでくれ。恥ずかしい」
「ププッ!可愛い!ショタっ子!ショタっ子!」
まだ背が低く、大人の胸のあたりまでしか身長のない少年の頭をウリウリと撫でるフランシス。それを嫌がり手を払う仕草にロヴィーノは強い既視感を覚えた。
「まさか…そいつ…」
プルプルと震える手で少年を指さすと「お、やっぱりわかっちゃった~?」とまたキラキラしたエフェクトを飛ばしてフランシスがにっこりと微笑んだ。
「そう!この美しい少年は俺がデザインしたルートヴィヒだぜ!テーマは“ あの頃君をもう一度!~花も恥らう紅顔の美少年 編~ ”だ!」

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