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チャンドラ

すみません。未プレイです。
やりたいんですが、アクションは本当に無理なんでorz
フリ→セシ 左右はどうでもええ

初めてその顔(かんばせ)を見た時に、息をつまらせたのは何も俺ばかりではないだろう。
まさかあんな悪魔のような真っ黒な鎧から、あんなに物腰がやわらかな美しい男が出てくるなんて…一体誰が想像出来ただろう。

 *

一緒に戦い始めすでにずいぶん経っているというのに、一向に俺は彼の顔が見えるパラディンの姿に慣れない。
戦っている最中はさすがに彼を気にする暇はないが、普段は駄目だ。
彼のさらされた美しい顔を見ると、体温がかーっとあがって心臓がドキドキして挙動不審。まともに話せないどころか目を合わせることすらままならない。
こちらの陣営は、もしかして顔で選んだのか?と思うほど美形が揃っているが、俺の中では彼は全くの別格で、遠目に見ただけでもドギマギしてしまう。
パラディンセシルを前にした時のみっともないほどの動揺に、ティーダは苦笑しクラウドはあきれ返っている。
当のセシルも当然そんな俺に気づいていて、近頃では暗黒騎士の姿でいることが多いのだが、それを見るとホッとすると同時になんとなく残念というか落胆というか…。

その妙な気持ちをセシルが居ない隙に二人に相談してみたのだが…
「うわ、フリオニール鈍感すぎ!」
ティーダは顔をひきつらせて笑い、クラウドは不味いものでも食ったような顔で黙って部屋を出ていってしまった。
「あ、クラウド、ずるいっす!」
「っと待て!」
クラウドを追いかけようとしたティーダの腕を掴み引き留めると、彼は嫌そうな顔でこちらを見た。
「えー、もう勘弁してくれってぇ」
「何がもう勘弁してくれ…だ!まだ肝心の相談まで話がすすんでないじゃないか!」
「いやいや、もう十分わかったってか、おなかいっぱいってか」
「何を言ってるんだ?」
「とにかく!フリオニールが言いたいことも、その理由もぜーんぶわかったって事っすよ!」
「え、そうなのか?」
「そうっすよ!っつか、とっくの昔に俺もクラウドもわかってたことだって!なのに今さらわかりきったこと持ち出すから、クラウドも呆れてて出てったんすよ」
「え!」
「え!っじゃないっすよ」
呆れるティーダは俺をからかっているようには見えない。
俺はつい最近、やっぱりこれはちょっとおかしくないか?って感じ始めたばかりだっていうのに?
「い、いや、でも。俺の態度がおかしかったのは分かりやすかったと思うからわかるとしても…でも、理由までわかるってのは…」
もごもご言うと、彼は大きなため息をついた。
「あー、もう、フリオニールはほんと…。よく鈍いって言われないっすか?」
「いや…。それより、その理由なんだが、やはり俺はどこかおかしいんだろうか?」
「そりゃおかしいっす!変態っす!」
「変態?!」
ガーンとショックを受けていると、「ちがった!」とティーダはあわてて両手をふった。
「びょーき!そう、びょーきっす!」
「病気?!」
「うっす」
彼はしかつめらしい顔で両手を胸に組み頷いた。
「昔から不治の病っていわれている難病っす」
「ふ、不治!?」
「古来これにきく特効薬はないと言われてるっす」
ついでに手術も出来ないと言われ、俺は頭が真っ白になった。
「これを治すのは、相手を同じ病に感染させるか、それとも相手を失うかしかないっすね」
思わせ振りなティーダの言葉に俺はますます不安が積もる。…というかなんなんだ?相手にうつすとか、失うとか。ま、まさか…。
「その相手ってのは…」
「もちろんセシルっす」
当然といわんばかりのティーダに俺は思わずよろめいた。
「な、なんだと」
俺が不治の病で、それを治すにはセシルに病をうつすか、もしくはセシルを殺すしかない?
嘘だろう?本当にそんな病がありうるのか?
絶望的な顔でティーダを見るが、やはり俺をからかっているようには見えない。
まさか、本当に本当なのか。
「そんな病気聞いたことないぞ」
「はは、だからフリオニールは鈍いんすね。今時五歳の子供だって知ってるっすよ!なにしろ進んでるっすからね」
今の…いや、ティーダの世界の子供はそんなに医学に精通しているのか!
それとも俺が知らなかっただけで、5才でも知っているようなメジャーで恐ろしい病気なのだろうか…?
「ち、ちなみに感染力はどれくらいなんだ?」
「感染?あぁ、相手が落ちる確率っすか?そりゃ人それぞれっすね」
「なるほど、免疫力によるのか」
「免疫?」
ティーダはしきりに首をかしげながらも、まぁそうすね、と言った。
「セシルはあれで男だし、丈夫だから…」
「いや、そういうのは関係ないっすよ、マイノリティの問題も近頃じゃゆるくなってるし、相性の問題っすね」
「あ、相性」
何だか恥ずかしい言葉だ。
マイノリティ…?とかいう言葉はさっぱり意味がわからないが。
思わず顔が赤らむ…と、ティーダに哀れむような目で見られた。…何故だ。
「ま、とにかく!フリオニールはまずセシルと会話するとこからっすね」
「なに?」
「お互いを知り合うって大切なことっすよ!フリオニールはジタンやバッツみたいに口が上手くないし、難しいとは思うけど。最初は戦いが終わった時に“お疲れ”って声をかけるとこから始めるといいっすよ!あ、もちろんパラディンのセシルを見ても逃げちゃ…」
「待て待て!待ってくれ!」
俺はティーダの言葉が信じられなかった。
まさか、彼は…
「俺に彼を感染させろって言ってるのか?」
「感染?やけにひっぱるっすね。その話題。でもまぁそういうことっすよ。フリオニールだってまさか失れ…」
「ちょっと待て!」
「え?」
彼はやはり、俺自身が助かるためにセシルを犠牲にしろと言ってるのだ!
俺は血の気がますます引いていくのを感じだ。
「ティーダ、お前、本物のティーダだよな」
「なーに言ってるっすか!本物っすよ、本物!偽物に見えるっすか?」
「……」
なんてことだ。
俺はティーダのことを完全に誤解していた!
彼は少し抜けたところはあるが、根はまっすぐで正義感が溢れる、明るくてとてもいい子だと思っていたのに!
セシルとも気軽に言葉を交わしていて、仲がよくて、俺は彼が羨ましくてならなかったのに!
彼は、セシルが犠牲になることを簡単に選び、そして俺にそれを進めている!
信じられない…。
人間不信になりそうだ。
気持ちが悪い。
吐きそうだ。
これは病の症状の一つだろうか。
俺は口元を抑え、ティーダがなにか言っているのにも耳を貸さず部屋を出た。



後日、俺が真っ白になった後、ティーダを追い掛け回し彼を半殺し…いや、八割殺しの刑に処したのは言うまでもない。

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