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何も求めないということは幸せである、○か×か

注意:捏造スコットランド
左右はどっちでもいいけど、仏→英
スコットランドに向けるイギリスの感情はあくまで兄弟愛です。異常だけど。
言いたいことが伝わらない駄文

「なんでやねん」

 *

スペインがイギリスの家に寄ったのは、特に用があったからではない。
あえて言うなら、暇潰しだろうか。
もう少し説明を加えると、上司につれられてイギリスに渡ったはいいものの、「じゃ、適当に時間を潰して待っといてや」と放り出されてしまったのだ。
なんだそれは。
これがドイツならさぞ憤慨しただろう(といっても、ドイツの上司の場合はそんな不手際を起こすはずがない)。だが、スペインは呆れこそしたものの怒りはせず、「ほんなら」とイギリスの家にやってきたのだ。ゆっくりと時間がつぶせるだろうと。
そして通された部屋で彼が口にしたのが、冒頭のセリフだ。
「アホやろ、お前」
思わず出たセリフ。
いつもなら噛み付いてくるはずのイギリスがぐっと詰まったまま何も言わない。
自覚があるのだ。
「アホ」
そんなイギリスにいつも浮かべている笑顔を引っ込めたスペインは容赦なく暴言を吐く。
そしてため息をつくと、冒頭のセリフを吐かせたもの…椅子の上に寝そべっていた猫のそばに腰を下ろした。
上品な白い長毛の猫。まんまるい目とペコンと垂れた耳…。
「これ、スコットランドの猫やんなぁ?」
愛らしい中にも知性を感じさせるスコティッシュフォールド。
イギリスからの返事はかえらないが、それ自体が答えになっている。
「ほんまアホ」
スペインはため息をついた。
猫の背中を撫でると、猫は気持ちよさそうに前足の上に頭を置き目を閉じた。
愛らしい猫。確か名前は…そう、名前はなかったはずだ。スコットランドはただ「猫」と呼んでいたはずだ。
「どないしたんや。怒らへんし、いうてみ?」
とはいうものの、いつもの笑顔が見られないスペインはそれだけですでに怖い。
固まったままのイギリスにスペインはようやく…苦笑ではあるが…笑顔を取り戻し、猫を抱えて猫の座っていた椅子に座った。
それを見てイギリスは小さく息をつき、向かいにあるカウチに腰を落ち着ける。
「で?この猫、どないしてん?」
そんだけ気まずそうにしてんねやから、留守の間あずかってるってわけやないと思うけど?
スペインの言葉にまたイギリスは言葉に詰まり、それからぼそぼそと勝手に連れてきたことを白状した。
「こないだ…スコットランドのとこに行ったら、留守で…、玄関の扉をカリカリ引っ掻いてるコイツみつけて…」
で、思わず連れて帰ってしまったということであるらしい。
「でも…もう一週間になるのに、あいつ迎えにこねぇし…」
子供のように涙目で拗ねて見せるイギリスを見て、スペインは本当に呆れ切った。
なんだって彼は…
「えぇ加減にしぃや。イギリス。百年も前ならまだしも、なんで未だにあいつにこだわってんねん」
「……」
「立派な大人やん。今更庇護を求める年でもなし。理解できひんわ」
黙り込むイギリスを追い込むようにスペインは続ける。
「仲のいい兄弟ごっこがしたいんなら他あたり、他。フランスあたりにしとったらえぇやん。あいつやったらベタベタに甘やかしてくれるわ」
フランスがそんな関係を望んでいるわけではないのは知っているが、スペインはいい加減彼らの割りきれない関係にはいらいらしていた。
「なんでフランスが出てくんだよ」
「くだらん言い訳やったらいらんで」
「ちげぇ、俺は…ただアイツを…アイツに理解されてぇってだけで…代わりでどうなるようなもんじゃ…ねぇし」
スペインは彼の言葉に舌打ちした。
これはもう一種の呪いだ。
「アホ、そんなんできひんことはずっと昔にわかったことやろう」
小さい頃からあれだけ拒絶されてもまだ懲りないのか。
やはり呪いだ。
彼らには呪いがかかっているにちがいない。
「アホらし」
今日だけで何度“アホ”と言っただろう。
ほんまアホや。
イギリスを口の中で罵り、いや、そのアホに付き合っている自分こそが一番のアホなのだと忌々しくなった。
「俺だって、わかってる。いつだってあいつはくれなかった。どれだけ欲しがってもくれなかった」
「やったら無駄な事はやめ、あいつはいくらせがんだってくれへんよ」
優しさも、愛情も、慈しみも、全部。イギリスの欲しいものは何一つあいつは与えない。
それがあいつなのだから。
「なぁ、スペイン。俺が間違ってたと思うか?」
「アホ。俺に聞くなや」
「なんでだめなんだろう?フランスとマシュー、プロイセンとドイツみてぇになれねぇんだ?」
「しらんわ。それに泣き言言う相手まちごうとるわ」
大体、仲よしこよしの兄弟になりたいわけでないなら、その例えはおかしい。
だがスペインはつっこまなかった。
突っ込んでしまえば、それこそアホを見る。
それにしてもスコットランドもいい迷惑だろうとスペインは思う。
彼がイギリスに抱いている感情はけして負のものばかりではないのは、イギリスでは無いからちゃんと知っている。
だがだからといってスコットランドがそれを素直に表に出すわけがない。
彼にとってイギリスはいわば捕食者だ。
プロイセンが特殊なだけで、誰もが喜んで全てを明け渡すことをよしとするわけではないのだ。
特に地方に成り下がることを許容できないプライドの高い元国家は。
地方色が濃く、いまも昔の国家枠が根強いスペインはそれをよく知っている。
彼らは国家でなくてはいきていけないのだ。一地方ではだめなのだ。
別に本当に死ぬということはないだろう(いまも地方であることには代わりはないし)。
ただイギリスが望み、またスコットランドが拒絶しつづけるという形でならば、スコットランドは今のスコットランドのままでいられるのだ。
イギリスが望み、スコットランドが拒否する関係。そうでしか彼らは彼らとして共存できないのだ。
その関係生が少しでも崩れればどうなるか。
イギリスはそれをわかっていない。
変わりたい、変わろうと願うイギリスには悪いが、果たして変わったところでそれは決してイギリスの望んだものには成り得ない。
むしろ大きな絶望が待っている。
それがわかっているこそスコットランドは拒否するのだ。
イギリスが変化を望む事を切望することと同じくらいの思いの強さで。
イギリスはわかっていない。フランスだってわかっていない(彼はイギリスの気を引くためにスコットランドがかたくなな態度を取り続けていると思っている節すらある)。いや、そもそもわかっている国はどれほどいるだろうか。
イタリアもスペインと同じく都市国家だったので同じような事情を抱えている可能性はあるが、彼らはのんびりとしているからその事実に気づかない。他の国々のほとんどは上手く折り合いをつけている。
あぁ、だからこそ報われない。
周りが迷惑をする。
いっそ暴露してしまおうかと思うが、それはそれで面倒臭いことになりそうで、さすがのスペインも空気を読む必要がある。
「…とにかくや」
彼は長く考えた後、ため息をつくようにいった。
「この猫は返してき」
「え」
驚くイギリスは、
「あぁ、いや、やっぱり俺が返しとくわ」
「え」
次に本当に悲しそうな顔をスペインに見せた。
だがそこはスペイン、そんなことには気が付かない風ににっこりと微笑み猫を抱え上げると、猫に向かって「なー」という。
「俺が勝手につれだしたいえば、あいつも怒らへんやろ」
といっても100%イギリスが連れだしたことはバレているだろうが。
「いや…でも…」
「あー、うるさいうるさい。とにかくイギリス、お前はもうちょっと大人になり」
「……うるせぇよ」
「どっちがやねん」
スペインは鼻を鳴らし、そのまま立ち上がる。猫を持って。
「えぇ加減せんと、愛想つかすんはスコットランドだけやないで」
「…んでそんなこと言うんだよ」
「嫌がらせやないよ、忠告や。ありがたく聞いとき。せやないと後悔することになるで、ほんま」
うなだれるイギリスを見て、本当にしかたのないやつだとスペインは思う。
年だけは無駄に食っているくせに、本当にわかっていない。
ついでにこんなヤツのどこがいいのかと、フランスの正気も疑う。
「ほんなら、邪魔したわ」
むしゃくしゃする。
帰りには絶対にフランスのところによって、愚痴をいう必要がある。ついでにプロイセンのアホウも呼んでおこう。
スペインはそう決めておとなしい猫を抱え直し、携帯電話に手を伸ばした。

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