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あなたと俺とでできる毒

注意:捏造スコットランド
一行だけ独ロマ要素あり。
読み返さない

会議場となっているホテルに到着した瞬間に目に飛び込んできた光景を見て、俺は舌打ちをしたくなった。
スーツ姿のドイツと、彼を会場まで送り届けたところであるらしいラフな格好のプロイセンだ。
無駄にべたべたとしながら別れを惜しんでいる。一緒に住んでいるくせに。
ハグして、キスして、ついでに寂しいゼ…と大声で喚く白髪野郎。
なんだ、この薄ら寒い光景は。
居合わせた会議に出席する連中は苦笑し、その他の一般の客は目を丸くしている。
知らぬ奴らが見ればまるきりゲイのカップルだ。
ドイツめ、こまった顔をするくらいならキッパリと拒否すりゃいいんだ。
それを甘やかすからプロイセンのど阿呆が調子にのる。
ほら見ろ、お前は気づいてないかもしれないが、お前の背後でロマーノが苦虫噛み潰したみたいな顔してやがるぜ。
イライラとしながら睨んでいると、ふとプロイセンの視線がこちらに流れた。
目があった。
思った瞬間ニヤリと笑われ、俺は彼を射殺したくなった。
いや、いま手元にウェストリー・リチャーズがあれば確実に実行していたところだ。
覚えてろ。
視線だけでプロイセンに言い、俺は彼らに背を向けた。



ただでさえ機嫌が悪かったのに、それを煽るように会議で俺があてがわれた席は、右にフランス左にドイツという最悪なものだった。
なんだってこんな席順になるんだ。
絶対に係りの奴がプレートを置き間違えたにちがいない。
そうは思うが、それを口にしてこの席を離れるのは、まるで言い訳をして彼らから逃げているようで絶対に出来ない。
大英帝国様はプライドが高いんだ。
こんな事で、たとえ勘違いだとしても逃げたと思われるのは癪だ。

お陰で俺はいつも以上にピリピリしていた。
機嫌が悪いとすぐに他人の意見にケチを付けてしまうのだが、今日はその口を開くのすら億劫だと思うほどにイライラとしていた。
アメリカの誇大妄想もいいとこな意見にも何も言わず、フランスの理解出来ないエレガントは話にも罵声も浴びせず、俺の意見に言いがかりをつけてきた奴らも無視。
ただ早く会議が終わればいいとだけ考えていた。
そんな俺の様子は少し…いやだいぶおかしかったのだろう。
イライラのタネその1であるドイツが俺を心配そうにみて「大丈夫か?」と声をかけてきやがった。
うるせぇクラウツ
その言葉を飲み込み「あぁ」とだけ返す。
それで放っておいてくれればまだいいのに、ヘタレのイタリアとブラコンプロイセンのせいで無駄に世話好きなドイツはチラチラと視線を送ってくるのをやめない。
くそ、いらいらする。
「イギリス、本当に…」
「うるっせぇよ!」
あぁ、我慢してたってのにやっちまった。
幸い会議は紛糾していて誰も気づかなかったようだが…、あぁやっぱりいらいらする。抑えられない。
「てめぇはイタリアとプロイセンの心配をしてりゃいいんだよ、クラウツ野郎」
悪態をつくと、ドイツはぽかんとして「なんだそれは」と言い、そして…
「ぷっ、なにそれ、恋人にかまってもらえない女の子のセリフ~?」
右となりから髭野郎が余計な事をいいやがった。
「な、てめぇ!何言ってやがる!」
「えー、今のイギリスの言葉って、焼きもちそのものじゃねぇ?それにあれだろ?お前、今朝、ドイツがプロイセンと仲良くしてんの見てから機嫌わりぃんだろ?」
お兄さん、お見通し☆って…マジうぜぇ。
「てめぇ、今日こそその中途半端な髭「そういえばイギリスにも兄がいたな」」
引っこ抜いてやる。
そう続けるはずだった言葉はドイツの無神経な言葉に遮られた。
髭の胸ぐらをつかんでいた俺はピタリと動きを止め、フランスの笑顔が少しずつひきつり変化するのを他人事みたいに見ていた。
「あーぁ、ドイツのばか。持ち出すならアメリカだろうに」
フランスの言葉の後半はほとんど独り言だったが、あいにく胸ぐらをつかんだままだった俺にはよーく聞こえた。
「何かマズイことを言っただろうか?」
本気で困惑しているらしいドイツの言葉に俺は髭から手を離した。
そして振り返り、「いや別に」と言ってやる。
ドイツは俺の顔を見て怪訝な顔をした。
自分じゃわからないがひどい顔をしているにちがいない。
俺にとって兄は鬼門だ。
特に“彼”は。
「イギリス?」
「んだ「あー、大丈夫、大丈夫」」
またもや俺の言葉は遮られた。
今度はフランシスに。
「こいつきっと昨日の酒が残ってんだよ~。もぅすげぇたち悪くてさ~。お兄さん、絡まれまくり!」
「そ、そうなのか?」
だれがだ。
「ほんと、だからあんまり気にしないで、ちょっと頭いたいだけだろうし」
昨日は一滴だって飲んじゃいねぇし、フランスとだって会ってねえ。
「そうか。それは大変だったな」
俺が無言でむくれている内に、ドイツはフランスに簡単に丸め込まれてしまった。
なんでそんなデタラメ信じるんだ?
あー、いらいらする。
だからクラウツも髭も大嫌いなんだ。
無神経に傷を突いたクラウツも、腫れ物をさわるみたいな髭の態度も!
そして何よりムカつくのは、さらっと流す事の出来ない自分自身だ!
俺は持っていたペンをぎりぎりと握りしめ、アメリカの「じゃ、十五分間の休憩にはいるぞ!」という無駄に大きな声に、誰よりも先に席を立った。

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