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ピエタ 06

シバ=主人公(一応、多分、きっと)
シュウジ=無口で大柄、喧嘩半端ない  クロ=切れ長の美形、頭のネジが緩い
ヒロ=美人系、割りとまとも?  カナ=バカナ シュウジが好き
ユウキ=新人 チャラい。  ナンゴウ=赤毛 ???
ミヒカ=大学生でバンドリーダー  名無し=ヒロのバイト先の先輩

※カナとヒロ※

カナとヒロはけして仲がいいとは言えないが、二つの意味で同士であり、また仲間である。
一つは彼らが他のメンバーとは違い、根っからのゲイで男しか愛せない性癖をもっているということ。
そしてもう一つは、見込みの薄い相手に不毛な恋をしているということだ。

カナはズーズーと音をたてながら紙パックのイチゴミルクをストローで飲みながら、後ろの席に座るなんとなく元気のないヒロを見た。
ヒロの様子が少しおかしいなとカナが気づいたのは一昨日のこと。
どうせシバの事だろうとは思ったが、当のシバは知らんぷり。
まぁその点は全く期待できないことはわかっていたから、慰めてやろうと昨日はユウキも誘って三人でエッチをしたのだが、いまいち盛り上がらず、今日も結局この調子。
仕方なく直接話を聞いてやろうと思ったのにヒロは一向に口を開かない。だからズーズーとわざと音をたてるのは半ば嫌がらせに近い。
それでも話をしようとしないヒロは実はかなりの頑固者だとカナは知っている。
「で?なんなの」
根負けしてカナが口を開くと、ヒロは彼をジロッと睨んだ。
「どーせシバのことなんだろうけど」
「うるさい。お前に相談する事じゃないし、ほっといてくれ」
「とかいって、僕くらいしか相談する相手いないくせに」
「生意気言うな、バカナ」
バカナと言われ、カナはムッとしたような顔をした。
「いいから言いなよ、アホヒロ」
「……。大したことじゃないし」
「だったら、聞いた後で“バッカじゃない”って言ってあげるから」
いちごみるくをぺしゃんこにするカナ。
「さっさと吐きなよ。わざわざ僕が話を聞こうっていうんだからさ」
頼んじゃいない。
ヒロはぶつぶつ言いながらも「ほんと大したことないし」としぶしぶ話始めた。
「ただ…こないださ、バイト先の先輩にコクられたんだよ」
「えぇ!ほんと?!」
「まぁ」
「どんな人?」
「大学生の…わりとイケメン?面倒見のいい先輩だよ」
「男なんだ?!」
女子高生が恋ばなしているみたいに目をキラキラさせるカナにうんざりしながら、しかし他に話す相手がいないのも本当なのでヒロは仕方なく話を続けた。
「バイト終わって、飯でも食いにいくかって誘われてさぁ。で、飯食った後、コクられた」
「わぁ、いいね、いいね、そういうの憧れるなぁ」
カナは見た目だけは純粋無垢なポメラニアン系女子だが、実際はただの淫乱だ。
普通の恋愛なんて殆どしたことが無いらしく、ありがちな恋愛話にすら目を輝かせうっとりとする。
「それで?それで?あ、でもヒロにはシバがいるわけだし?」
「もちろん断った」
「あぁ!もったいない!」
途端、がっかりとしたような顔をするカナ。
この無神経なところが嫌いなのだ。
「でも諦めないって言われた」
いらっとしながらヒロが言うと、カナはまた目を輝かせた。
「先輩、男だね~」
「うざい、バカナ」
「それで?」
「別に先輩の話はそれだけだけど…その最後のところをシバに見られたっぽくてさ」
ヒロの言葉にカナはひゃーっというような歓声を上げた。
「すっごーい、ドラマみたい!それで?ねぇどうなったの?」
「どうなったって…」
むっつりとした顔でヒロはため息をついた。
「なんにもないよ」
だから落ち込んでるんだし。
「え?!何にもって…何にも?!」
「そう何にも」
ため息をついて暗い顔をするヒロに今度ばかりはカナも気まずい気持ちになった。
「あー、シバ鈍いしね」
「フォローとかいらないし」
「いや、でも二人の話は聞いてなかったんじゃない?」
「それは…シバもそういったけど…」
「ほらぁやっぱり!」
「でも微妙な雰囲気くらいは感じ取ってたはず。なのに何にも聞かないでチケット取り出して、先輩と来い…だよ?」
「あらぁ」
「これが落ち込まずにいられるかよ」
机にバタンと突っ伏すヒロを、カナは少し考え「うーん、じゃぁとりあえずさ、ライブいってみたら?その先輩と一緒にさ」と言ってみた。
「はぁ?やだよ、先輩が勘違いしそうじゃん」
「それはそれ。上手くやれば一石二鳥だよ」
「えぇ?」
「だから、その先輩には“あのドラムが僕の本命ですよ、だからさっさと諦めてください”って知らしめて、シバには同時にゆさぶりをかけるわけ」
ヒロは少し興味を持ったのか顔を上げカナを見た。
「そんな上手くいくかな?」
「さぁ、それはわかんないけどさ、上手くやれば意識くらいしてもらえるかもよ」
「んー」
「それにシバはダメだったとしても先輩への牽制にはなるんじゃない?」
逆に先輩が燃える可能性…についてはカナはわざと口にはしない。そんな事を言ったらせっかく浮上しかけたヒロに水をさすことになりかねない。
「なるほど」
思惑通り、ヒロは少し元気が出たのか表情が明るくなる。
「バカナの癖になかなか良いこと言うじゃん」
「だからバカナはやめてってば」
むっとするカナの頭をヒロはくしゅくしゅにして「ま、お前も上手くいくといいな」と心にもないことを言いカナの機嫌をとる。
そしてカナが笑ったあたりで「ま、無理だろうけど」とボソリと言いヒロはカナの不興をかった。

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