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ピエタ 05

シバ=主人公
シュウジ=無口で大柄、喧嘩半端ない  クロ=切れ長の美形、頭のネジが緩い
ヒロ=美人系、割りとまとも?  カナ=バカナ シュウジが好き
ユウキ=新人 チャラい。  ナンゴウ=赤毛 ???
ミヒカ=大学生でバンドリーダー

音楽にはセックスとはまた別の刺激と快楽がある。
音楽で飯を食っていこうと思った事はないが、ドラムを打つのは好きだ。

クロのおかげでセックスをやる気力が消失した俺は、その分バンドの練習に力を入れていた。
俺は一つのバンドの正式なメンバーというわけではなく、臨時のドラム(ドラムをやりたいやつってギターやベースに比べて少ない)をいくつかのバンドで兼任している。
「シバ」
夜八時過ぎ。練習を終えスタジオを出た俺を追ってきたのは、練習をしていたバンドリーダーのミヒカさんだった。
「ミヒカさん」
変わった名前だが、もちろんこれはあだ名だ。
彼は大学生で、頼りがいのある兄貴肌の人で皆に好かれてる。
何か忘れ物でもしていたかなと考えていると、「ほらこれ」と彼は俺にチケットを渡してきた。…20枚ほど。
「今度のライブのやつ、シバのノルマだからよろしく」
一枚500円でワンドリンク付き、二杯目からは有料だが出場するバンドの演奏は聞き放題。
ちなみに当日でも確実に手に入るチケットは格安店のではあるが、あまり金のない高校生相手に捌くのは結構骨だ。
「悪いけど頼むわ」
すまなそうに言うミヒカさんは本当にいい人だから断ることなんてできやしない。任せて下さいよ…なんていい後輩面をついついしてしまう。
そんなミヒカさんに近頃客も固定化しているから、新規開拓してくれといわれたがどうしようか。
ミヒカさんと別れて考えながら帰り道を歩く…と、そういえば今回はユウキがいるのを思い出した。
あいつは顔が広そうだから割と期待ができるかもしれない。
例のメンバーにも毎回買ってもらっているのだが、音楽には興味がないのかヒロ以外は滅多に来てくれない。
それでもシュウジ以外は他の人にも販売してくれるので頼りになる。
今回はクロも少しは多めに買ってくれるだろうしもしかしたら楽勝かも。
そんなことを考えていると、通りの先にヒロを見つけた。
誰だろう。
ヒロはドーナツ店の前で知らない男と話していた。
話しかけようか黙ってようか迷っていると、ヒロがペコリとその男に頭を下げ、男は通りの向こう側に渡っていった。
男の背中を見送ってホッとしたように肩を落とすヒロ。
なんか怪しい。
訳ありだろうか?

「ヒロ!」

歩き出そうとしたヒロに声をかけると、彼はびっくりしたような顔で振り返った。
「え、シバ?どうしたの、こんなとこで」
「どうしたって、バンドの練習の帰りだよ。お前こそどうしたんだよ、さっきの誰?」
「あ、あーバイトの先輩で…」
妙に焦っているというか気まずそうに見えるヒロは「いつからいたんだ?」と俺に聞く。
やっぱり訳ありらしい。
からかってやろうかとも思ったが、まぁ勘弁してやろう。
そのかわり…
「ついさっきだよ、それよりさ」
俺はミヒカさんにもらったばかりのチケットを二枚取り出した。
「二枚で千円になりまーす」
宅配ピザのにいちゃんみたいに爽やかぶって言うと「またぁ?」とヒロは呆れたようにいった。
「頼むよ、親友。さっきの先輩でも誘って二人で来てくれよ」
少しだけ探りをいれてみる。すると
「あー、いや、先輩は…」
もごもごいいながら素直に財布を取り出すヒロ。
そんなヒロを見て俺はピンときた。
ふーん。なるほどね。
もしかしたらさっきのはヒロの本命ってやつなのかもしれない。
ヒロに本命ねぇ。こりゃ意外だ。
もっとちゃんと顔を見ておけばよかった。
そう思いながら俺は千円を受け取り、チケットを渡した。
「まいど」
にっこり笑ってやると、ヒロは困ったような笑みを返した。



シュウジに一枚売り付け、クロとカナに五枚、ユウキに三枚売れば手持ちは四枚になった。
クロが詫びのつもりか多く買ってくれたおかげで早くもノルマの達成は間近だ(クロは女に少し高い値段で売ると言ってた。悪いやつ)。
これならもう少しミヒカさんから受け取ってればよかった。
ミヒカさんはいい人だから、多分俺のノルマから何枚か抜いて自分のノルマに入れていたはずだから。
俺は三校時まで真面目に授業を受け、四校時はサボることにしてヒロを誘ったのだが、断られたので一人で屋上に上る。
ヒロのやつ、ちょっと様子がおかしかったようにも見えたが…まぁ気にするほどでもないだろう。
屋上にはちょっとつっぱった感じの生徒が数人座り込んでいた。
その人たちは俺をちらっと見たが、すぐに興味をなくしたのか目をそらしトランプゲームに戻った。
俺は彼らから離れた場所に足を進め…ナンゴウを見つけた。
あの赤毛のナンゴウだ。
配管のひとつに背を預ける形で一人でぽつんと座っている。
眠っているわけでも携帯をいじってるわけでも、はたまたタバコを吸っているわけでもない。
退屈そうな彼もまた俺に気づくとちらっとこちらを見てすぐにぷいと視線を反らした。
ま、知り合いでもないし当たり前。それに俺だって知らないやつに気軽に話しかけるほど愛想がいい訳でもないし。
そのままナンゴウを通りすぎ奥にいきかけた俺だが、いくつかある給水塔の大きなタンクの影で誰かが小さい男の子にちんこをしゃぶらせているのに気付いて引き返した。
うへ。えげつねぇ…とは思うものの、実はそう珍しい光景でもない。
男子高校生なんて基本頭の中はやることしか考えてない。
だけど女の子が誰でも彼でもやらせてくれるわけではないから、手っ取り早く身近な男で済ませるって発想に至るわけだ。
中でも多いのは年長者が年少者に強要するパターン。
運動部なんかじゃそれが顕著らしくて、一年は処理係をさせられてる…なんて話もよく聞く。
だけどこれは擬似的なホモであって、本物のホモじゃない。まぁ中には本物もいるかもしれないが、彼らは基本的にはノーマルだ。あくまで男は代替品。そこに恋愛は絡まない。
俺と一緒。
と、そういうわけで俺はまたナンゴウの近くに戻ってきてしまった。
さてどうしよう。
俺は少し考え、結局ナンゴウから少しだけ離れた場所に腰をおろす事にした。

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