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ピエタ 04

シバ=主人公
シュウジ=無口で大柄、喧嘩半端ない  クロ=切れ長の美形、頭のネジが緩い
ヒロ=美人系、割りとまとも?  カナ=バカナ シュウジが好き
ユウキ=新人 チャラい。  ナンゴウ=赤毛 ???

昼にはヒロと一緒に学食。
長机がずらっとならんだ学食はまず食券を買う仕組み。
値段は日替わりが380円でうどんだけなら230円、オムライスが400円…と、かなり安価に設定されている。
俺とヒロが日替わりを持って席につくとまもなくバカナが弁当を持ってやってきた。
「一緒に食べようよ」
にっこりと微笑む顔はそこらのアイドルよりよっぽど可愛い。
そんなカナを見てヒロはあからさまに(半分は冗談だろうが)嫌な顔をするが、俺は彼ほどカナの事は嫌いじゃない。
確かにバカだと思うしあきれる面も多いが、色々必死で微笑ましいと思うこともある。(あと可愛いし、ビッチだし)
「そういえばシバ、クロに酷いことされたんだよね?大丈夫?」
「ん、まぁな。なんとか」
「そう、もうほんとクロってしょうがないよね」
苛ついたようにいうカナ。
でもべつにこれはクロが俺を傷つけたことについて怒ってるんじゃない。
極々個人的にクロが気にくわないと苛立っているだけだ。
そんな所が俺は素直だなぁと面白かったりするのだが、ヒロには腹立たしい所らしい。
「カナがさっさとつぶれるからシバがとばっちり受けたんだよ」
「だってシュウジが激しいから」
そして多分わざとか天然なのかわからないこんな所も。
「あの程度で潰れるんじゃ、シュウジには物足りないかもね~」
「シュウジ体力あるし、絶倫だよね。翌日僕腰ががくがくだもん」
ヒロの嫌みが全く通じてない。
うっとりするカナに歯噛みするヒロ。「顔がすごいことになってるぞ」といってやるとそのままの顔で睨まれた。
「でさ、そのシュウジ何だけど、しらない?」
「ん?来てないの?」
「か、どうかはわかんないけど見てないんだよね」
「携帯は?」
「反応なし」
「ふーん」
クロに確認すればいいのに…と思わないでもないが、カナに限ってするわけがない。
「それでぇ、帰りにシュウジのとこ寄ろうかなって思うんだけど、シバもヒロもどう?」
下心たっぷりのやらしい笑顔。
ほんと男を誘うのうまいな、このビッチ。
「俺はパス」
俺が言うと、ヒロもパスだといった。
「えー、なんで?」
「俺は怪我の治療の為」
「シバがいかないから」
「なにそれ」
俺の事情は理解できたらしいが、ヒロについては納得出来ないらしくカナはヒロを見て口を尖らせた。
「いいじゃん、行こうよ。ヒロ。ユウキも誘ってさ」
「べつにシュウジに連絡つかないなんていつもの事じゃん。どうせ女の子といちゃいちゃしてるよ」
「それがやなの」
「だから邪魔しようっての?シュウジの機嫌損ねてどうするのさ。嫌われるよ?バカナ」
「もうバカナっていうなって!いいじゃん、僕は真剣なんだから!」
「あのなぁ~、ほんとお前バカナだね、大体…」
「うるさい!行くったら行く!ヒロも一緒だからね」
「やだって!なんで行かなきゃいけねぇの」
ぎゃーぎゃー言ってる二人を見ながら俺は唐揚げを口に入れた。
こうなるとヒロがカナから逃げ切れる可能性はかなり低い。カナ押しが強いし。
二人に隠れて俺はこっそりクロにメールを打った。
『今どこ?シュウジと一緒?』

※※※

チッと舌打ちをした音に気付きシュウジがクロを見ると、彼は携帯を不機嫌そうに睨んでいた。
「どうした」
聞くとカナたち三人が帰りにこちらに寄るらしいとクロは言った。
「シバはこないのか」
「だって」
メールの返信を打ちながらクロ。
「いじめすぎるからだ」
シュウジが言うと、クロはにやりと笑った。
シュウジは数人でいるときにはほとんど口を利かないが、クロと二人の時には割りと普通にしゃべる。
「だってあいつ面白いだろ?」
「ヒロに恨まれるぞ」
「は、恨まれてなんぼだ」
シバは全然気づいていないし、シバはそんな関係を望んではないからヒロは必死に隠しているが、ヒロはシバに惚れている。
「俺はさ、カナも嫌いだけどヒロも嫌いなんだよ。うぜぇ」
「だからってシバを虐めんのは違うだろ」
「俺なりの愛情表現だって」
クロは笑い、シュウジは目を細める。
「それは本気でいってんのか?」
真剣な目をするシュウジ。クロの目にほんの一瞬だけ動揺が走るが、それはシュウジが読み取る前に霧散した。
「…さぁね」
ごまかすようにするりと視線を落とすクロ。
シュウジは座っていた椅子から立ち上がるとクロのすぐとなりに腰かけた。
ギシリと軋むソファ。
シュウジがクロの顔に手を伸ばすと、クロは「よせ」と一言。シュウジの腕を片手で払った。
「クロ…」
「やめろ」
覆い被さるように身を寄せるシュウジにクロは困ったように笑い、彼の胸を押した。
シュウジは諦め切れないようにしばらくクロの顔を見つめていたが…やがて体を引いた。
ほっとしたように息をつくクロ。
シュウジはクロに惹かれている。彼はそれを何度かそれを直接伝えもした。
だがクロから返ってくるのはいつもやんわりとした拒否。その“やんわり”がとてもくせ者で、シュウジはいつも困惑させられる。
嫌われているとは思わない。むしろ好かれているとすら思う。
だけど、それでもクロはシュウジを拒む。
「クロ」
シュウジがクロのこめかみの辺りに口付けると、クロはそれを受け入れた後で“やんわり”と体を離す。
シュウジの口からは思わずため息がこぼれた。

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