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飴玉を噛み砕く 06

ゲイ専用ソープ店の世話人

「やっぱさ、二時間入って一時間休むスパンの方がいいのかな」

しばらく休んで体力が回復したのか壱さんは言った。
次の仕事がないではないが、俺は壱さんの休憩時間は彼に張り付くように指示されている。
「そうかもしれませんね」
俺は壱さんの隣で茶を飲みながら頷いた。
「二時間コースならシャワーも浴びれるし、ゆっくり一時間休めますもんね」
実際そっちのスパンを選択している子も多い。
もちろんその場合は取れる客が減るから、稼ぎも減るのだが。
ちなみにうちの店は、俺が入るのが6時からなだけで昼間もあいている。
「でもねちっこいヤツとか来そうだしな」
「あー、いそうですね、時間ギリギリまで愛撫して本番ちょっと…みたいな」
「それそれ。それ考えるとやっぱこのスパンだよなぁ」
壱さん曰く、俺が言ったような愛撫が長いタイプは一時間コースでもいるらしい。
「演技とかうぜぇし、疲れる」
「え、演技なんですか」
「客相手には最低限しか感じないようにできてんの」
にやりとこちらに流し目をくれるのは心臓に悪いから自重して欲しい。
「プロだよ、俺。コレは仕事であってセックスじゃねぇし、感じねーっつの」
アレだって根性でたたせているという壱さんはすごい。
その割りには、風呂場で簡単にたってた気がするけとすごい。
「演技なのに“すごい感じ方だね”、“いいの?もういく?”、“びくんびくんして可愛い”とかばっかじゃねぇの」
しかも毒舌。
こわっ。
そんなセリフ言われたくないなぁ…。
「でも別に俺は不感症じゃないからな」
「はは…そんな事思いませんって。でも壱さんなら不感症でもナンバーワンとれそうですよね」
「人形好きの変態野郎にか?」
嫌そうな顔をする壱さんに冗談ですと笑う。
「なぁ、ダイ、帰りどっかいかね?」
「いいですね~っと言いたいとこですけど、今日は帰って寝たいんで、また今度誘ってください」
昨日ほとんど寝ていなくて、と言うと壱さんがムッとしたような顔をした。
「はぁ?んだよそれ。お前女がいるとか生意気いうんじゃねぇだろうな」
いやいや、壱さん、目が怖いから。っつーか、いたとしても、壱さんのお目がねにかなうような美女であるわけもないし…!
「違いますって」
俺は手を振り、クマサンに話したのと同じ内容を口にすると一応納得はしてくれた。
何に怒ったのかはいまいち不明だが、壱さんがよくわからないのは割といつもの事だ。



時間になって外に出ると、次は八夜さんがちょうど休憩に入っている。
彼の場合はたまに愚痴が出る他は、自分でさっさとシャワーに入ってくれるし手はかからない。
早めに出て他のサポートに入ったりお客さんの暇潰しに付き合ったりしていると、また壱さんの休憩時間になって…と、ほんと過酷だ。

家に帰ると俺はベッドにたおれこみ、それこそ泥のように眠った。



翌日、目を覚ましたのは昼過ぎの事だった。
携帯を見ると国見からの着信が一件と、メールが一件。
メールには無事レポートを提出した旨とお礼の言葉があった。
次からは自分でやれよーっと返信。
腹が減ったなぁと思っていると国見からの電話がかかってきて、タイムリーに飯を食いにいこうというので駅前で落ち合う約束をした。
急いでシャワーを浴びて着替えて準備。
駅に行くと爽やかボーイ国見がギャル系の女の子二人に逆ナンされてた。
困った顔でなんとか断ろうとしているようだが、女の子は自分に自信があるのかかなり強気だ。
国見の腕に手を絡ませ、どこかに行こうと誘っている。
女の子と遊ぶのもいいが、今はそんな気分じゃないし…。
俺は物陰に隠れて国見に電話してみることにした。
呼び出し音が切れたと思った途端、『クラッチ!』と国見の悲鳴にもにた声が飛び込んできて苦笑する。
『今、どこ?』
国見の後ろからは、女の子の声が聞こえてくる。
「あーわりぃ、すぐ近くなんだけど、お前なんか絡まれてるし」
『ちょ、どこだよ!遊んでんじゃねーよ!』
焦ってる国見に俺はちょっと笑ってしまった。
「上手くことわれないなら走って振りきれよ。※※プラザの一階にいるから」
俺はそれだけ言って電話を切った。
さて、どれくらいで来るかな?

※※プラザは若者向けの店舗がたくさんはいったビルだ。
一階にはファストフードに食品売り場、雑貨売り場がある。
二階から四階はショッピングエリアで、五階は本屋に映画館が入っていて、六階がレストランになっている。
案内掲示板の前で何を食おうかと考えていると、以外に早く国見がやってきた。
「あーも、お前な!助けろよ!」
半分は本気で怒っているらしい。
本当に走ってきたのかと聞くと、彼は「そうしろって言ったじゃないか」と口を尖らせた。

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