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Sledgehammer 33

駄文 読み返さない

悲鳴か、それとも歓声か。

ぎゃあああああああああ!!!
きゃあああああああああ!!!
うぉおおおおおおおおお!!!
うぅぁあああああああああ!!!

鼓膜が破れそうな声に迎えられてステージに立った俺たち。
コスプレ・ナイトというだけあって、観客の衣装はなかなかに見応えがある。
ふしぎの国のアリスや全身に包帯を巻いた男、スーパーマンにスパイダーマン、サザエサン?!、バニーガール、吸血鬼にサボテンダー。…おや、あそこにいるのは後輩のクラウド君か?
などとニヤニヤしていると、ピシッとなにかが弾けるような音が足元からして驚いた。
音のしたほうをみると、黒くて細長い…蛇?
いや、違う…鞭だ。
長さが2メートルくらいある。
それを握っているのはもちろん…我らがヴォーカリストだ。
毒婦の面目躍如とでもいうような怪しい笑み。
夜の蝶ここに極めり?ってかんじか?
観客席にふりまかれる毒鱗粉が目に見えるよう。
歓声だか悲鳴が一段と大きくなり、お客が全員セシルに飲み込まれたのを俺は確かに見た。
俺が月影先生ならいってるね、「恐ろしい子!」って。さすがに白目はむかないけど。
盛り上げリに反して帰りたくなったのは俺だけではないようで、ドラムセットの方からなにやら訴えるような視線が首筋にチクチクと当たっている。
涙目になっていても俺は驚かない。
そして「ladies and gentlemen boys and girls」というやたらと発音のいい挨拶をセシルが始める。
観客ほとんど100%日本人しかいないだろうに。
今夜は俺達のステージにわざわざ足を運んでくれてありがとう…の辺りまでは、なんとか英語を追えていたのだが、途中からよくわからなくなってきた。
というか途中から明らかに英語じゃなくなっているきがするが…まぁいいか。
もうどうにでもなれや。
俺はとりあえず演奏だけさっさと終わらせることにして準備をはじめる。
セシルなんて無視だ。
歌がなくても音楽が成立することを教えてやる。
ついでにリズムだっていらねー。
さっさと準備を終えて、ギャーンとばかりにギターをかき鳴らす…と、腹の立つことにすぐに慌てたようなエッジの太鼓が乱入してきて、歌い出しにはキッチリセシルも合わせてきた。
チクショウ。
選曲を失敗した。
腹がたったので派手な曲を選んだが、それは多分今のセシルに一番合う曲。
チラリとセシルを見ると、真っ赤に塗られた唇が弧を描いた。
“別にお前のために選んだんじゃねぇ”
“わーかってるって、アリガト”
アイコンタクト。
全然わかってねぇ…が、走りだしたもんは止まらない。
セシルが客を煽りまくり、否が応にも血は熱く滾る。

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