スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

闇をまとう少女

使いにくい題名。 まぁ、雰囲気で。

かしこいアリス。

もしお前が、悪夢を見た俺の前に膝まずき「お前の悩みを聞かせてほしい、お前の苦しみを分け与えてほしい」と言ったならば、俺達の関係は全てが破綻するだろう。
俺はお前を憎悪し、嫌悪するだろう。
お前の無神経さを罵倒し、腹から溢れ出るマグマでお前を焼き尽くすだろう。
お前を押さえつけ、傷つけ、支配するだろう。
しかしそれは俺のせいじゃない。
お前のせいだ。
お前が引き金を引くのだ。
いつのまにかさし変わった悪夢に気づかず、不用意に触れるお前が悪いのだ。

ある時、俺はお前の首を思い切り締めて殺す。
ある時、俺はお前の体に何度も何度も刃物を振り下ろす。
ある時、俺は嫌がるお前を押さえつけお前の身体を汚す。
ある時、俺は眠ったお前のそばにガソリンをかけて煙草を吸う。
ある時、俺はお前で作った料理に舌鼓を打つ。
ある時、俺はお前の頭を抱いて旅行に出る。
ある時、俺は密林の中に腐りゆくお前を見て愉悦に浸る。

俺が恐れるのは“それ”であり、お前だ。

夜中に汗をびっしりとかいて飛び起きた俺は、腹の中からせり上がるものを耐え、洗面台に向かう。
蛇口をいっぱいに開き、手を一心不乱に洗う。
指がふやけるまで洗って、目の前の青白い顔をした自分と目を合わせる。
青白い鬼火がチロチロと燃える目の奥。

事は起こったのか?
それとも“まだ”か?

俺は確かめるためにアリスの寝室に向かう。
特に足音を殺す必要は感じない。“どちらにしろ”
そして俺はすぐに“まだ”であることを知る。
まだ。
安堵半分、落胆半分に息をつき、俺は自分の寝床に帰る。

かしこいアリスは今日もまた息を殺して知らぬ振り。

そうだ。それでいい。そうしていてくれ。
叶うなら永遠に。
そうやって狂いそうな俺をなだめてくれ。

アリスが一枚上手だった場合、話はもっと暗くなる。

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。