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029 ギブアップ

パラレル FT 奴隷
カイン→セシル風味を目指したけれど、別にそんなことはなかったんだぜ。
カインが騎士 セシルが魔術師
モブ注意 途中でダレた。 題名?なにそれ美味しいの?
無駄に長いが故に読み返さない。
そしてあまりにも長くなったので中途半端

「別にわざわざついてこなくてもよかったのに」

呆れたようにいう男は一目で王宮に仕える魔術師とわかるような白いローブをまとっていた。ローブには同じく白の糸で細やかな紋様が描かれており、また魔石を嵌め込んだアクセサリーをたくさんつけている事から、かなり力のある魔術師だろう。
しかしそれに対してローブの下の顔はまだ若く、せいぜい二十歳の前半と見える。
白金の髪に、優しげで中性的な美しい顔立ちをしており、物腰も柔らかい。
そんな魔術師の隣を歩くのは、こちらもまた女性の目を引くような見目の良い騎士だ。
紺色の士官服をりゅうと着た男は長い金の髪を後ろで一本にまとめている。
顔は魔術師と同様とても整っているが、こちらは騎士ということもあり魔術師とは違って寄らば切るとでもいうような鋭さを感じさせる。

「心配しすぎだよ、カイン」
そんな二人は今、城から出て奴隷を扱う店を目指している。
「お前は毎日魔術魔術で世間知らずなところがあるからな、心配するのは当然だろう、セシル」

奴隷といっても千差万別であり、口減らしのために売られたり盗賊にさらわれたりして奴隷に落ち、動物と変わらぬ扱いで檻に入れられ店先に並べられ二束三文で売られているものから、綺麗なべべを着せられ数百万から数千万の値がつくものもある。
前者は主に潰しのきく肉体労働やに用いられ未成年の子供が多い、後者はある程度教育のある大人が主力であり、奴隷自身の能力が高ければ高いほど値があがる。
故に両者は同じ奴隷という呼称でありながら、実は雲泥の差がある。
前者はまさに犬猫であり人権などあってないようなもの。後者は大事な財産として扱われ、将来的には奴隷から抜け出すものも多い。
彼らが向かっているのは高級な奴隷を扱う店の方だ。
セシルはそこで家の片付けや料理をしてくれるような奴隷を買うつもりなのだ。

「お前が選んだ奴隷じゃ、いつ全財産持っていかれるかわかったもんじゃない」
きちんと見張っていなけりゃ。そうカインが言うのにセシルは少しだけムッとしたような顔をした。
「バカだな。奴隷には首輪がつけられるのは知っているでしょ。彼らは主人から逃れることはできないし、害することもできないんだよ?」
「だとしてもだ。奴隷が金銭を横流ししたり、交換殺人をやったりした例がないわけじゃないだろ?」
「はいはい、だけどそんなのは特殊な例でしょ」

確かにカインが言うような例はないではない。
中には数年間いいこを演じて主人が奴隷の首輪を外した瞬間にそれを害したものもある。
だがそれらは基本的には底辺に所属する奴隷の所業であり、劣悪な環境から逃げ出すためにするものがほとんど。高級奴隷の場合はそれ相応のプライドがある為、そういったことはほとんどない。
それというのも先ほど言ったように、高級な奴隷は将来的に解放される希望がかなりあるからだ。
リスクを侵すよりも、自分の実力を示し、主人に利益をもたらし、そして解放されるほうが利口だからだ。
もちろん中には悪い主人もいないではないが、高級奴隷を扱う店には高級奴隷を扱う主人の審査もしており、いくら金を積んだところでブラックリストに乗ってしまえば絶対に高級奴隷を買う事はできない。

「だとしてもだ。お前は無防備すぎる」
カインはとても不機嫌そうに言う。
「大体、週に何度か呼んでいた手伝いじゃだめなのか?」
「うん。彼女、娘さんが一緒に暮らそうっていってくれたらしくてね。こっちを離れるっていってるんだ」
「そうなのか?」
セシルが手伝いに呼んでいた女性は夫に先立たれた初老の未亡人である。
まだまだ矍鑠としていて、セシルの家の手伝いの他、洋服店や魚屋、食堂といろんな手伝いをしていた。
「一人でも大丈夫なんて言ってたけど、娘さんに呼んでもらえたのがすごく嬉しそうだったよ」
「ふぅん。まぁそれなら仕方がないが…わざわざ奴隷を買うこともないだろうに」
カインは貴族の息子であり、彼の実家である大きな屋敷には何人もの使用人とともに高級奴隷が何人かいた。
彼らが何をしたというわけではない。むしろ使用人よりよく働いていて、カインは彼らの事を半ば尊敬すらしていた。
それなのにセシルが高級奴隷を買い入れるということにかたくなに反対するのは、カインがセシルに友情以上の気持ちを抱いているからだ。
手伝いに来ていたおばさんはともかく、高級奴隷を買うということは同じ屋根の下で暮らすということだ。
セシルは男の目から見てもはっとする程に美しいし、セシルにその気がなくても買い取られた奴隷は必ずセシルに過剰な好意を抱くに違いない。
セシルはぼんやりとしたところがあるから、無理やり迫られ流されたりしたら大変だ。
「なぁやっぱり…」
「もういつまで言ってるの。もう着くよ」
うだうだと言っている内に、二人はもう店の前についていた。
三階建、クリームイエローの外壁に赤い屋根。貴族の屋敷だといっても誰も疑わないだけの大きな屋敷だった。入り口には今時まりとした趣味のいい立て看板があり、そこには金の優雅な文字で“ウシュラの羽”と書かれている。ちなみにウシュラとは天使の一人で生まれた赤子を祝福する天使だ。
さっさと中に入るセシルについてカインもなかに入る。
玄関はとても広く、まるで高級ホテルのエントランスのようになっていた。
入るとすぐに所謂メイド服を着た上品な女性がやってきて「ようこそ」と声をかけてくる。
「本日はどのようなご用件でございますか?」
「奴隷が欲しくてね。ちゃんと紹介状もあるし、予約も入れてあるよ」
セシルはそういって胸元から一通の手紙を抜き出すとそれを女性に渡した。
彼女はそれを恭しく受け取ると、一度奥へ引っ込み、それからすぐに戻ってくると「おまたせいたしました。セシル=ハーヴィ様ですね。二階へご案内します」とにこりと微笑んだ。
二階の応接間の一つに通された二人はソファの片側に座り、時期にやってくるという主人を待つ。
二人の待つ応接間もまた貴族の家といってもおかしくないほどに調度がすばらしく趣味がよかった。
セシルは部屋を見渡し「信用ができそうだろう?」とカインに言う。
「ベイガン殿に紹介してもらったんだけどね、ここの奴隷は多少値は張るけど間違いはないって言っていたよ」
「ふぅん」
「彼の家の家令もここの出身なんだって。すごく優秀な人で、奴隷を解放した後もずっと仕えてくれているってさ」
「へー」
「他にも特色のる奴隷を揃えていることで有名だっていってたよ。例えば、商売にとても詳しかったり、宝石細工が得意だったり、剣の腕に覚えがあったり…。まぁある種の人材バンクだよね」
それにこの店では「奴隷を買い取る」という形の他にもいくつかの契約方法がある。
幾らかの金で一定期間借り受けることもできるし、同意さえあれば半分だけの金額だけ支払い、あとは奴隷自身が稼いでその金を店に払っていくというものや、同じく半額だけ主人が支払う代わりに数年後の解放を約束し、その倍の金額を解放後の奴隷が支払うといったようなもの、また手に職をつけるような仕事をさせる場合には半年間無料貸出といった事もできる。
「実際、人材バンクとして登録している人もいるみたいだよ」
「奴隷じゃないのにか?」
「そう。自分をある程度の値段で売りつけて、買ってもらう用な感じみたいだけど」
よくは知らない…とセシルが言った時、扉が開いてチョッキ姿の小太りの男がやってきた。
「たいへんおまたせいたしました。」
小太りな上に丸顔。目が細くてとても人のよさそうな男に見える。
「セシル=ハーヴィさんと、えーっと、そちらは…」
「友人のカイン=ハイウィンドです」
「あぁ、ハイウィンド家の。これはこれは。ハイウィンド家には私共もかなり良くしていただいております」
ぺこぺこと頭を下げた男は、適当な世間話を幾つかした後片手に持っていた大きな本をテーブルに広げ二人の方に見せた。
「こちらが今現在取り扱っている奴隷のリストで、ご希望の家事手伝いの出来るものをピックアップしております。それと余計かとは思いましたが、家のセキュリティのことも考えてある程度剣を使えるものや魔術の心得があるもの、また助手にできそうな古代語に詳しいものや魔力の高い魔族のものもピックアップしておきました」
「へぇ…結構いるんだね」
「はい。ただいま現在こちらにいるものばかりではありませんので、奴隷によっては派遣までに数日間猶予をいただく場合があります」
そんな奴隷には赤い印をつけておいたと主人。
リストには顔写真や名前の他、年齢・性別・身長や種族、持っている技能や得意なものなどが事細かくかかれている。
「ちなみにセシル様は魔術の心得があるということなので、そちらを教えていただければ半年間の派遣は無料となります」
もちろんその間に家事手伝いという仕事はすると主人は言った。
リストを熱心に見つめるセシル。カインもまた横から覗きこんだ。
リストに載っている奴隷は年齢的には十代から二十代が大半で、中には育ちのよさそうな子どもや、これぞ執事といったような年配の男もいる。
セシルの希望した職種が職種なので、性別はやや女性が多いようだ。
しかも男女共になかなかの美人揃い。
おそらく店の主人も相手が若い男ということで特別にそういう女性を調達してきたのだとおもうのだが、それがまたカインの気に障る。
そんなカインの気をしらずに二人は「この子は繕い物が上手だ」とか「この子は手先が器用だから…」とか話をしている。
面白くない。
ぶすっとしていると主人はカインに「こちらはどうですか?」と予備に持ってきていたらしい“若い男性用”のファイルを渡してきた。
中身はわざわざ言うまでもないが、夜のベッドの共に最適に調整された者たちのリストだ。
グラマラスな女性にまだあどけない少女、他にもエルフなどの珍しい種族の雌に、女性かと見紛うような美少年。
カインは眉間に皺を寄せてリストを見ていたが、中に一人だけ彼の興味を引く奴隷がいた。
ほっそりとした銀狐の雄だ。
年齢は50とあるか、寿命が人よりも長い種族であることを考えるとまだまだ子供といってもいい年齢かもしれない。
青みがかった白の美しく長い髪、目尻が少し下がった顔は隣に座るセシルに少しだけ似ているかもしれない。
なんとなく値段を見て、四千万という数字に行き当たり、意外に安いと感じた自分にカインは舌打ちをしたくなった。
そしてパタンとリストを閉じたとき、廊下の方からバターンという大きな音と共に尋常ではない怒鳴り声が聞こえ、セシルとカインはぎょっとした。
「今のは?」
セシルが聞くと主人は言いづらそうにしながら「うちは信用、信頼を第一に商売をさせてもらってるんですがね」と前置きをして、いまだ外でゴタゴタしている件について話し出した。
「あれは元傭兵の獣人でしてね、かなり手を焼いてるんですよ」
こちらに渡ってきたのは仕事をポシャしたから。
その賠償金を払うためだったそうだ。
「傭兵あがりとあって口は悪いが腕は立つ。それで貸し出しでそこそこ稼がせていたんですが…」
ある日派遣先で、その家の娘さんにてをだしてしまったのだという。
「無論同意の上です。そう本人も娘も主張したんですがね」
父親は認めず、賠償金を店に要求したらしい。
店はなんとか仲裁に入ろうとしたが、父親は聞く耳を持たない。
仕方なく金を払おうとすると今度は奴隷の方が侮辱だと怒る。
「なんとか落としどころを探っているうちに、父親の方が娘に結婚の話を持ってきたらしいんです」
そこからはもうよくあるといえば、よくある話だ。
娘は奴隷と一緒になりたいといい、父親は認めず奴隷に恨みを募らせる。
そして…
「つい先日ですよ。娘さんが手首を切っちまったのはね」
父親は今度こそ逆上して、店に戻っていた奴隷を殺せと言ってきた。
奴隷の方も奴隷の方で、彼女を殺したのは父親だ、復讐してやると憤る。
「多分さっきのはその奴隷が逃げ出そうとして捕まったのでしょう」
主人は大きく息をついた。
「それは大変だね」
「まったくです」
いつの間にか廊下の喧騒は止んでいたが、まだ空気はざわついていた。
三人はなんとなく沈黙した。
そして
「その獣人は買い取れますか?」
とセシルが言った。
主人もカインもその言葉にはぎょっとしたが、主人の方はセシルの目に本気の色を見たのか少し考え「少々お待ちを」と言い残し部屋を出ていった。

「まさか本気じゃないだろうな?」
「それは履歴書を見てから決めるよ」
「絶対にやめておけよ、セシル。余計なトラブルを背負い込むことになるぜ。これは警告だ」
「トラブル!なんて素敵な言葉だろうね。僕はその言葉に恋情さえ寄せているよ」
「バカを言うな」

店の主人が戻ってくる間に、セシルとカインの間で交わされたのはおよそそんな内容の会話だった。
戻ってきた主人は苦々しげなカインをちらっと見たあと、セシルに「今は正式な売りには出してはいませんがね」と言いながら持ってきた紙を渡した。
カインも横からそれを覗く。
名前はアルマス=グライド。種族は狼族の獣人。
元は傭兵で長剣をよくつかう。
要人警護や護衛、私兵に向く。
などとある。
顔は二十代の中程くらいか。獣人らしく頭の上に狼の耳がある。浅黒い肌に、目尻の切り上がった強面。
値段は…
「たったの200万?」
驚くセシルに主人は苦笑しつつ頷いた。
「彼が店に出した損害を考えると、200万ぽっち回収したところで焼け石に水ですがね…」
「彼を恨んでる人間なら十倍の値だって買うんじゃないか?」
セシルがからかうようにいうと、主人はとんでもないと首を振った。
「確かにそれは否定しませんがね。うちのもっとうである信用と信頼はお客様に対してだけではなく、商品に対しても適応されるんですよ。だからいくら彼がうちに損失を産み出したからといって、まさか命の危険のあるところに売り付けたりはしません。」
絶対に。
彼は力強く言い切る。
そして「しかし今のところは売りに出す予定はありませんがね」と小さく笑った。
「ほとぼりが冷めるのをまつか、遠くの支店に回すつもりです」
「ふうん。でも僕は彼がほしいな」
「いえいえ。こういう事情ですので。…じゃあなんでリストを持ってきたと問われるなら、見せなければあなたが納得しないと思ったからですよ」
にこりと微笑んだ主人はセシルの手の中のリストに手を伸ばしたが、それを回収することはできなかった。
「セシル様?」
セシルが手を引いたからだ。
嫌な予感がするカインの横で、セシルはにっこりと主人に向かって微笑む。
「出来れば、僕が引き取りたいと思っているんですが」
「いえ…ですから、無理です。彼はひどく恨まれていますし、彼自身未だに頭に血が登った状態で引き渡せる状態ではありませんから」
「大丈夫ですよ。僕の身元は確かでしょう?それに、これでも僕は国の特級魔術師です」
「いえ、そういうことではなく…」
「まぁ仕事としては僕の家の警備担当というところでしょうか。といっても、僕に手を出すようなお馬鹿さんはいないとは思いますけどね」
主人がカインに助けを求めるように視線を動かす。
カインはそれを受けて「セシル」と親友の名を呼んだ。
「お前は家事手伝いをしてくれる奴隷をかいに来たんだろう?」
「あぁ、そうだね。でも、彼の欲しいんだよね」
「警備担当が欲しいなら、部下を派遣してやってもいい。わざわざそんな面倒そうな男を抱え込む必要は…」
なんとか説得しようと試みるカインをセシルは冷たい目で見つめ、それからまた主人に目を映した。
「家事手伝いには、先ほどの少年を引き取りたいと思います。魔術を教えこめば半年間は無料で派遣してくれるということでしたが、買い取りたいと思います。値段はいくらでしたかね?」
「え、あ、あの、少年でしたら確か2500万です。はい」
「ならばその子を倍額の5000万で買い取ろう。そのかわり彼…名前なんだっけ?」
セシルはちらりと手元の紙を見、「そうアルマスだった」と言った。
「アルマスをつけてほしい。もちろん彼の料金がいるというなら200万…いや、その倍で引きとるがどうでしょう?」
「お客様…」
呆れたように言った主人は、しかしその程度では首を縦に振らなかった。
商売上、無理をいってくる客には慣れているのだろう。
「いいえ、ダメです。残念ですがお断りさせていただきます。お客様の経歴はこちらでも確認させていただいていますので、他のものなら誰でも売りましょう。ですが、彼はダメです。」
「それは僕の信用と信頼を裏切るから?」
「それに彼の信用と信頼を裏切るからです」
セシルはそれを聞くと、少し苛立ったように指でリズムをとった。
カインはそれを見て諦めろというような視線を送るが、意固地になったセシルはそんなものを軽く無視する。
「貴方は?貴方は僕に信用と信頼を向けてはくれないのですか?」
そして切り返された言葉に主人は少しだけ動揺したように見えた。
「初めてのお客だから、信用も信頼もできない?」
「それは…」
「もちろん違うよね?だとしたら商売なんてできるわけがないものね?」
「セシル…」
「カインは少し黙ってて」
キッと睨まれ、カインはセシルがかなり頭にきていることを知った。
こうなったら経験上、是が非でもセシルは自分の思うがままにことを運んでしまうことをカインは知っている。
そんな時に彼にできるのはただ諦め、受け入れること。そしてこの場合は、主人に『無駄だ』と伝えることくらいである。
「僕は自分の地位や経歴をひけらかす趣味はないんだけれど、これでも王には随分と信用と信頼を頂いているし、ベイガン殿にも懇意にさせていただいている。それにもちろんハイウィンド家にも、付け加えるならばファレル家にも。それでも信用がおけないかな?」
「お客様…困らせないで下さい。私だって、お客様の要望はできるだけ答えてあげたいと思っています。しかし…」
「ならば、貴方は僕の信用と信頼を裏切らないでほしい」
主人の言葉を遮り、セシルはきっぱりという。
「貴方が僕を信用・信頼してくれるならば、僕はそれに全力で応えると誓う。それでもだめだろうか?」
じっと見つめられて目を泳がせるウウムと唸った主人は、しかしそれが限界だった。
すぐに主人の肩はストンと下がり彼は「わかりました」と降参の声を上げた。
「ただし、家事手伝いは2500万、そして200万でお願いします」
「別に倍額を出してもいいよ?」
「いいえ。お客様を信用しておりますので」
主人は弱く笑い首を横に振った。
セシルはそんな主人に機嫌良さ気なほほ笑みを向け、それからカインに笑いかけたが、カインとしては笑う気にはなれなかった。
きっとこれから騒がしくなるというカインの思いは、予感というには限りなく確信に近いものだった。

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