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バッドエンドを望んでる

ヤクザな火村と飼われるアリス
R18を目指してみた。うそ、R15だ。
別人注意報。
読み返さない

“人生ってのはあちこちに落とし穴があるもんだ。”

私の祖父がよく言っていた言葉だ。

“だから気ぃつけて、おてんとうさんに恥ずかしくないように生きなあかんぞ。”

“ちょっとした事で隣の家の住人と喧嘩して十年も二十年も引きずることになったり、ちょっと飲みすぎただけで警察のお世話になって仕事までやめなきゃならなくなったり、誰かの喧嘩を仲裁したが為に逆恨みを買って刺されたり、まぁ色々だ。”

祖父は毎回違った例えを出して、独り言のように言っていた。
私が精神的にもっと大人だったならば、祖父の話をしっかりと聞いていたのだろうが、当時の私はまだまだガキで彼の話をありがたがるどころか、迷惑にすら思っていた。
話だって聞いているふりをしながら、違うことばかり考えていたし、さっさと解放してくれとあからさまにうんざりした表情をしたことだって一度や二度ではない。
だけど今こんな立場になって、私は骨の髄まで祖父の言葉が身にしみている。
人生というものは本当にどこに落とし穴があるかわからない。
穴の縁で躓くくらいならまだしも、深い穴に落ちてしまえば這い上がることなんて出来ない。
特に私が落ちたのは二メートルはある大きな穴で、しかも底無し沼だった。
本当に運がない。
私は一度穴の底に落ち、そこからまたずぶずぶと沈みながら、聞き分けのない子供のように泣きながら無駄なあがきをするしかないのだ。



街の真ん中にそのビルはあった。
十階建てのビルで、中には銀行の支店をはじめとしたいくつかのオフィスが入っている。一見健全そうなビル。一応持ち主だってちゃんとしたカタギの人間だ。
だけど…実際には腐り切ってる。
悪の温床。根城。本拠地。
呼び出されビルの前に連れてこられた私は、のろのろと中に入るとエレベータに乗って最上階のボタンを押した。
最上階には私の“ご主人様”であり悪の総統である火村が待っている。
しばらく放っておかれていたから、ようやく私に飽きたのかと期待半分不安半分の入り交じった心境で悶々としていたのだが、どうやら彼は私を忘れてはいなかったようだ。
もちろんそのことに喜びを感じるわけはないが、それでも幾分ほっとしているのは事実だったりする。
それを言えば“ようやく飼い犬の自覚が出てきたか”と嫌みたらしく言われるに違いないので、絶対に言ってはやらないが。
最上階につき廊下を進むと、見た目だけはエリートサラリーマンみたいな男たちがに私を見て目礼をして通り過ぎていく。
私はそれをすべて無視すると一番奥の主人の部屋へと向かった。
ノックもせず扉を開けると、窓を背にした席で火村は煙草を吹かしていた。
撫で付けられた黒い髪に、猛禽類を思わせる鋭い瞳。
いつもながらいやになるほどの男前だ。
格が違いすぎて嫉妬すらできない。ただ背筋が凍る感覚を甘い痺れとして感じるだけだ。
「遅かったな」
低い声に私は一瞬言葉に詰まり、それをごまかす為に視線を下に落とした。
「アリス、こっちにこい」
逆らうなんて全く考えていない態度には腹がたつが、彼は私のご主人様。
虫の息だった私を拾ってくれた飼い主だ。
もちろん、それが無くても私には逆らうなんて選択肢は用意されていない。
彼に逆らえば、私は恐ろしい目にあわされる。
彼のシマで無断で商売をしようとした頭の足りない少年たちのように、そして私を助けようとして捕まり、今は彼の部下たちの慰みものになってしまったかつての友人たちのように。
傍にゆくと彼は私にひざまずくように促す。
そして私が膝を床につくと、首輪を引っ張り、犬にするように私の頭をひざにのせて頭を撫でた。
彼の元にきて間もない頃、こんなことをされればがむしゃらに暴れたものだ。
しかしそれも遠い過去のはなし。
「いいこにしてたか?アリス」
「…あぁ」
「寂しかったか?」
まさか。そう笑ってやりたかったが、口から出た言葉はそれを肯定するもので、しかも妙に哀れっぽかった。
犬に成り下がったつもりはないが、私の精神はもうそれと殆ど変わらない。
彼が部屋に現れなかった日々。
解放されるかもしれないと期待した?
そんなの嘘だ。嘘っぱちだ。
本当の私はそれを喜ぶよりも、彼に捨てられたかもしれない恐怖で気が触れそうだった。
「どこいってたん?」
「上海だ」
「上海?」
「あぁ。大きな商談を纏めてきた」
「ふうん」
彼は私の頭を撫で、頬を撫で、唇に触れた。
そしていたずらに私の唇をなぞる。
そうすれば浅ましく躾られた私の体はトロトロととろけだす。
私は口を開いて彼の指を夢中でしゃぶった。
もう火村が蔑むように笑うのも気にならなかった。
彼の指を舐め、なぞり、吸い、やわく歯を立てる。
彼は私の口の粘膜を指でなぞり、舌を挟み、喉の奥へと手を突っ込んだ。
私が耐えられずに咳き込み、口をはずすと、私の口からはよだれがたらたらと落ちた。
「アリス、随分欲求不満のようだな」
「そんなわけ…」
「無いか?」
彼はべとべとになった手をまた私の口に入れる。
「誰かに慰めてもらっていた?」
火村の言葉に私は驚いて彼を見上げ、ゆるゆると首を横に振った。
「どうだかな。お前は好き者だから」
笑いながら彼は私の股ぐらを爪先で突いた。
気づかないうちに硬く反応していたそれを不意打ちで刺激され、私は文字通り跳ね上がった。
「どうやら言い訳を聞く必要もなさそうだ」
屈辱的な言葉にカッと目の前がフラッシュしたような気がしたが、そんなことよりも私は不貞を疑われた事にショックを受けていた。
「お、俺は…」
そんなことしていない。
信じてほしい。
そう言おうとして、愕然とする。
誤解を解こうと必死になっている自分に。
火村にすがりつこうとしている自分に。
信じられないことだが、私は気づかぬうちにそれほどまでに堕ちてしまっていたのだ。
私は気づかぬうちに頭までどっぷりと浸かってしまっていたのだ。
混乱し唇をわななかせる私を、彼は興味深げに眺め笑い、私の唾液で濡れたままの手で私の頭を撫でた。
そして彼は私の頭を引き寄せ、腰の辺りに押し付けた。
彼が何を望み、何をさせようとしているのか、分かりたくもなかったが私はそれをよく知っていた。
認めたくはない事実だが、私自身がそれを望んでいるということも。
「あ」
鼻孔をくすぐる彼の匂いに私はひどく発情していた。
体が一度ぶるりと震え、私は切ない息を吐いた。
そして彼の望むままに私は唇で彼のズボンの合わせ目を探り、ファスナーの留め具を前歯で噛んだ。

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