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にっちもさっちも 06

駄文な上に過分に趣味が入ってます。
ホントはマキシマムホルモンとかにしたいけど流石に自重。

「ひねったのが足でよかったぜ」

そう言ったのはルートヴィヒの兄であるギルベルトで、彼らはその日戦利品としてベースを1本とマイクスタンドを3本も掻っ攫ってきた。
ちなみに足を捻ったのはギルベルト…ではなくフランシスで、彼は喧嘩には参加しなかったものの、ふっとんできた“誰か”に巻き込まれたらしい。
要領の悪い男だと思うかもしれないが、それはそれは彼がギルベルトとアントーニョを友人に選んでしまったという時点で逃れられない運命なのかもしれない。
ちなみに喧嘩の相手はギルベルト達の顔見知りの北欧連中…ではなく、ライブハウスの前で絡まれた某バンド連中であるらしい。(北欧連中とやっていたならば、ギルベルトとアントーニョもただではすまなかったはずだ。彼らは手強い)
もちろんマイクスタンドもベースもそいつらからの分捕り品。
いかにも喧嘩してきました…と言った風な彼らを見てルートヴィヒは複雑な表情を浮かべたが、結局ため息をつくだけで何も言わなかった。…言えなかった。言っても同じだと知っているから。

ご機嫌のギルベルトは自らが演奏するわけでもないのに、ドラムセットの前にすわりめちゃくちゃに太鼓を叩いている。
実に楽しそうではあるが、リズムも何もなくただただ力いっぱい叩いているだけなのでものすごくうるさい。
フランシスは足が痛い、足が痛いといってフェリシアーノに慰めてもらっており、その横でアントーニョはロマーノに対して武勇伝を披露してウザがられている。
ルートヴィヒは彼らを呆れた様子でみやり、それから兄をほっぺたをギュッひねることで黙らせ、パンパンっと手を叩いた。
「さて!注目!」
「いってーぜ、ルッツ…俺様のかっこいいほっぺたが…」
「ん?なんなん?」
「幸いにも、楽器の演奏に支障はないようだからそろそろ楽器の練習を始めようと思うんだが…」
兄の非難を軽く無視してルートヴィヒは提案した。
本当は喧嘩でひと月はまた練習など出来ないと思っていたのだが、幸い(?)けが人はフランシスだけ。しかも足の怪我だったので、なんとか練習はできそうである。
「とりあえず何か課題曲をひとつ選んだらどうかとおもうんだが」
ルートヴィヒの提案に、一同は目を煌めかせた。
「課題曲!!なんだよ、いよいよバンドらしくなったじゃねぇか!」
「うんうん!さすが、ルーイ。身近に反面教師がいると違うねぇ」
「おい!誰のことだよ!!」
「あはは、それ以上はっきりは言われへんよなぁ~?」
「あぁ?!」
「コラ!!!静かにしろ!!!」
声を張り上げるルートヴィヒに、その場に居た全員が何かしらのデジャヴを感じたのだが…まぁこれは本編には全く関係がない。
「フェリシアーノ!スコアを持って来い!」
ルートヴィヒが指示を出すと、「はい隊長!」とフランシスの隣にいたフェリシアーノが手を上げ、ダンボールをひとつ持ってルートヴィヒの傍にやってきた。
「これ、俺と兄ちゃんが見つけたんだよ!」
ダンボールを置くと、みんながよってきて楽譜の詰まった本に手を伸ばした。
「お、ベイ・シティ・ローラーズやん」
「こっちはベンチャーズだ。ビーチボーイズもある」
最新のバンドの名前は全くないが、それでも少しでも音楽に興味がある人間ならば誰だって知っているバンドのオンパレードにそれぞれ歓声を上げる。
「こっから課題曲決めるんか?」
「お、ツェペリン!俺、これがいい!」
「んじゃ~俺は、プレスリーとか押しちゃおうかな~。監獄ロック!」
「あ、サンタナもあるやん。サンタナええよなぁ、ブラックマジックウーマン好きやわぁ」
「あぁ、いいよなぁ~あれは。っつか、割りと渋いとこつくねぇ、アントーニョ」
「じゃぁ俺はマネーにするぜ!」
「マネーって、なんやっけ?」
「ピンクフロイドだろ?」
「あー、せやせや。けどギルちゃんには無理やろぉ~」
「あ?どういう意味だよ!」
「どうってなぁ?」
「そうそう、大体、パンクやるっていってなかったか?ん?グラム・ロックだっけ?」
やいのやいのと喋り出す三人。
ルートヴィヒはしばらくそんな三人を黙って見下ろしていたが、やがておもむろに、

「では、課題曲はビートルズとする」

と一方的に宣言した。
突然の宣言に「えー」「横暴だ!」「ビートルズかよー」との声がとんだが、最後には三人はそれを受け入れることにした。
大体、彼らの演奏技術は未熟なのだ。
ピンクフロイドやサンタナなんてもってのほか。
曲がわかりやすくてノリがいいビートルズは、バンドメンバーの更生からいってもちょうどいいのだ。

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