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シンデレラに三日の猶予をあげましょう

学生
火村→アリス ヤンデレ火村
読み返さない

テネシーワルツを鼻唄で歌いながら、アリスはノートに“かわいいコックさん”を描いている。
ひどくご機嫌らしく、口元はにんまりと弧になっている。
そんな彼を見ていると、不思議と俺の気分まで浮上してくる。
それに気づいたのはもう随分と前の事。
彼が好きだ。彼が愛おしい。彼さえいれば何もいらない。
アリスだってそれは同じはず…だろう?

だから、

さぁ、今回はどうしてくれようか。



一度目は、頭に血が上ってまったく上手くなかった。
衝動の赴くままにレイプして、二度とアリスに近づくなと脅しつけた。
今考えると、相手が気の弱い女で本当にラッキーだった。
彼女はアリスと別れるばかりか、そのまま大学を辞めて実家のある北海道に帰ったらしい。
俺は自分の短慮に呆れると共に、大いに反省し、次からはもっと上手くやることを心に誓った。

決して尻尾を掴ませないように。
だけど、俺がやったと匂わせるように。
目的がなにか察せられるように。
幸いに俺はそれだけのことをやり遂げる頭がある。
次はもっとうまくやる。

二人目は鼻っ柱の強そうな女だった。
高慢ちきで自分に自信たっぷりの身の程知らず。
それだけでもアリスの相手として許しがたいというのに、彼女はよりによって二股かけていやがった。
腹がたって、いっそ一度目と同じような目に合わせてやろうかとも思ったが、すんでのところで思いとどまった。
あの女にはそれでは駄目だ。
せっかくプライドが高いのだから、それをへし折ってやらなければならない。
幸いなことに俺は女に無駄にもてる。
それを利用して、自分自身が彼女に近づくと同時に、ある女に頼んで二股相手にモーションを掛けさせた。
結果、あっけないほどに男は高慢ちきを捨てた。
捨てられた女は腹を立て、何度か近づいてみせた俺に誘いをかけてきた。
俺は二番目の二股相手に選ばれたというわけだ。
なめられたものだが、それはまぁいい。
俺はそれに何度か思わせ振りな態度をとった後、タイミングを見計らってアリスに実はお前の女に付きまとわれてると相談した。
もちろんそれだけでアリスが信じなかったが、実際に俺がしつこくされているのを見ると、アリスは彼女を捨てたた。
もちろんそれだけじゃ甘すぎる。
俺は事の顛末にいくつか尾ひれをつけて噂を流してやった。
するとどうだろう。彼女はそもそもあまり好かれてはいなかったらしく、尾ひれはどんどんと大きく育っていった。結果、鼻っ柱を折られた女は、大学に居はするが派手だった外見が地味になり、もう誰にも相手にされない。

三人目は気の弱そうな女だった。
友人の恋人ということで仲良くしてやりながら、時々チクリとやるだけでよかった。
それだけで彼女は、アリスにありきたりな理由で別れを告げた。
なんともあっけない。
物足りなかった俺は、猫が狩ってきたねずみの死体を彼女にプレゼントした。
彼女とは友達に戻った…なんてアリスは言っていたが、別れて以来全く顔を合わせていないらしい。

そして…

さぁ、今回はどうしてくれようか。

*

「なんや、機嫌良さそうやな」

アリスの声にハッとした。
横を見ると、にやにやとしているアリス。
俺はニコリと微笑み「まぁな」といってやる。
「だが機嫌がいいのはお前もいっしょだろう?」
するとアリスは「わかるか~?」と言って顔を蕩けさせた。
「明日**ちゃんとデートやねん」
「へぇ?また短期間で別れるんじゃないか?」
俺がからかうように言うと、彼は「あほ」と言って拗ねたような顔を見せた。
「縁起悪いこといいなや。今回は大丈夫なんや」
「あぁ、そうだな」
俺はふてくされたアリスの頭をくしゃくしゃとかき乱し、慰めてやる。

 *

あぁ、早く気づけばいいのに。
俺以上にお前の事を思っているやつは、理解しているやつは誰もいないのに。
早く気づけばいいのに。
アリスには俺しか居ないんだってことを。
そうしたら煩わしい他の人間なんて蚊帳の外にして、俺とアリスだけで世界が完結してしまうのに。
だけどアリスは鈍いからな。
ゆっくり気づかせてやればいい。
俺は気が長いんだ。これでも。

だから…

さぁ、今回はどうしてくれようか。

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