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Stand by me.

独×にょ仏
現代?パラレル 割りと大人、20代後半から30代くらいまでの恋愛
こんな話がかきたかったのさ! 気が向いたら続きかく
よみかえしてない。ごめんなさい

大きな戦争の真ん中で出会った彼は、敵国に出撃間近だった兵士。
当時私が16で、彼は19。
アルバイトをしていたレストランで出会い、淡い恋をした。彼も私の事を好いていてくれたとおもう。
何度かデートだってした。
だけど結局お互いに何も言わないまま、彼は戦場へ、そして私はその少し後に疎開の為に親戚の家に引っ越した。
そしてそれきり。

美しく純粋な過ぎ去りし思い出。
私が一番輝いていた青春の一頁。
もう戻らない。
私の初恋。



あの戦争で結局私の祖国は戦いに敗れ、そして10年が経った。
26歳になった私は隣国に移り住み、花屋で働きながら恋愛小説を書いている。
いつかは小説を本業にしたいのだけれど、今は時々雑誌社に短編を頼まれる程度。小説だけじゃ全然食べていけない。
それでもまだまだ諦めてはいない。

「入院している方にですか?それなら、その花よりこちらの方がいいですよ」
花は好きだ。
働きはじめてすぐはちょっと鼻炎に悩まされたけれど、友人に勧められたハーブティがよかったみたいで今はなんともない。
「ではこちらでお作りしますね」
「フランシーヌ、花束は私が作るから、配達に行ってくれない?」
「はい」
花屋は駅の近くにある。近くには病院や映画館、洒落たレストランなんかがあってかなり繁盛している。
私が頼まれたのは、ここから15分ほど離れた場所にあるおばあさんの家だ。
独り暮らしのおばあさんは、もう十年以上一週間に一度うちの花屋で注文しているというお得意様だ。
私が勤め出してからは、彼女の家に花を持っていくのは私の役目だ。

表通りから細い脇道に入り、曲がりくねった坂道を上っていく。
「あら、今日も大変ね」
「今日のお花も綺麗ね」
何度も花をもって通ううちに顔馴染みになった人々、そして坂道を走り回る子供に、塀の上で気持ちよさげに眠っている猫。
私はこの街が大好きだ。
家々は古くて路は狭いけれど、人々は暖かいし、犯罪は少ないし、気候もいいし最高だ。

幾つもの角を曲がり、小さな階段をいくつものぼり、その先に届け先のおばあさんの家、ミュレルさんの家はある。
ミュレルさんの家はこの辺りの伝統である赤の屋根に白い壁の三階建てだ。
ご高齢な事もあって二階や三階には上がれないらしい。買い物も大変な住まいなのだが、魚売りは近所まで来るし、買い物は近所の方がしてくれるらしい。
お総菜のお裾分けだけでも十分に食べていけるといつも笑っているミュレルさんは白金の髪をしたとてもお上品な方だ。
私も年を重ねたらあぁなりたいととても憧れていたりする。
「ミュレルさん!フランシーヌです!お花もってきました!」
開いた玄関から声をかけると「はぁい」と奥から声が聞こえた。
「キッチンよ、入ってきてちょうだい」
しゃきっとした声にはいと返事をし中に入った。
と…、キッチンの方からパタパタと足音が聞こえ可愛らしい男の子が姿を見せた。
「こんにちわ!」
「こんにちわ」
男の子は金色の髪に淡い水色の瞳をしている。
まだ四歳くらいだろうか。
私を見上げ、すぐに花に目をとめると「わぁ」と目を輝かせた。
「お花!」
「えぇそうよ、きれいでしょ?」
「きれーい!」
腰を落として花を見せると、「きれい」とまた言ってニッコリと笑った。
「あなたミュレルさんのお孫さん?」
「ミュレル?ぼく、おばあちゃんのこどものこどものこども!」
「あら、ひ孫さんなの」
確かにミュレルさんの年を考えると、ひ孫さんがいてもおかしくはないのだけどなんだか驚いた。
「ユーリ、邪魔しちゃダメよ」
「はぁい!おねーちゃん、おばあちゃんこっちだよ!」
彼はパタパタとまたキッチンの方に走っていった。

「あらフランシーヌ、いつもありがとう!今日のお花も綺麗ね!」
「こちらこそいつもありがとうございます、ミュレルさん」
軽く抱擁を交わしたあと、何をしていたのだろうと何となくテーブルを見ると…。
「この子のおやつを作ろうと思って」
と、ミュレルさんが言った。
「久しぶりにクッキーでも焼こうかと思ってるのよ」
「チョコのやつだよ!」
ユーリと呼ばれた男の子は床でおもちゃの車を動かしながら言った。
「あらいいわね。私もチョコは好きよ」
私が言うと、彼はニコッと笑って「ぼく、外でパパ待ってる!」と言って、またパタパタと駆け出していった。
なんとも元気な子供だ。
くすくすと笑うと、ミュレルさんは呆れたような…それでいて目に入れても痛くないというような顔でため息をついた。
「男の子だから仕方がないにしても、ホントに騒がしいんだから」
「元気が一番ですよ」
「そうかもしれないけどね、元気すぎるのも考えものよ」
家の中に大型の台風がいるみたい。
私はミュレルさんの言葉を聞きながら、花束をほどいた。
ミュレルさんの家では一時間くらい潰すのが暗黙の了解になっている。
いつも配達に来た私は、部屋のあちこちに飾られた花を取り替えたあと、ミュレルさんとお茶をすることにしている。
だけど今日はお客様がいるようだから、さっさと仕事を済ませた方がいいだろう。

仕事の片手間にする話は自然とひ孫さんとその近辺、つまりミュレルさんのプライベートな話になる。
ミュレルさんの話によると、彼、ユーリ君はミュレルさんの長女の二番目の息子の子供なのだという。
ミュレルさんの長女は、16才で駆け落ちし子供を産んだらしい。
「それからずっと没交渉。子供を生んだのも知らなかったんだけどね…」
これは後々知ったことだが、長女の最初の結婚はすぐに破綻したらしい。
「でもすぐにまた再婚してたらしくてね、それでできたのがあの子の父親よ」
「そうなんですか」
ミュレルさんは、クッキーをオーブンに入れてエプロンをとりながら言った。
その時のこともまた後で聞いた話。長女さんはその5年ほど後に病気で死んでしまって、結局ミュレルさんは再会できなかったのだそうだ。
一人暮らしではあるが、とても幸せそうなミュレルさんにそんな過去があるとは少し意外だった。
話はまだまだつきないのだが、そろそろ店に帰らなくてはならない。
私がちらっと掛け時計に目をやると、察しのいいミュレルさんはすぐに気づいて「あら、長話しちゃってごめんなさいね」と頭を下げた。
「いいえ、いいんですよ。またお話をきかせてくださいね」
そう言って立ち上がると、彼女はもちろんとうなづいてくれた。
そして廊下に出ると、玄関から男の子と男性の声が聞こえてきた。
もちろん男の子の方はユーリだろう。そして男性の方は、多分ミュレルさんの孫で、ユーリくんの父親だろう。
私は笑顔で玄関を出、挨拶をしようとして…固まった。

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