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023. トランプとウノは必需品

「どうだった?」

年下の女の子に告白を受けていたカイン…を窓から伺っていたセシルに賭けをしているカードを切りながら聞くと、不機嫌そうな顔をした彼は「付き合うみたい」と一言。
その途端、一緒にカードをやっていた連中からは、「おぉ」とか「うわぁ…」とか歓声とも悲鳴ともつかない声が出た。
そんな彼らに俺は少しだけ笑ってセシルを見た。
相変わらず不機嫌そうな顔。
あいていた席に座るとみるともなしにゲームの見学をはじめた。
「それじゃセシルも寂しくなるよなぁ」
「うん」
「お前、カインにべったりだもんなぁ~」
「うん」
否定しないのか。
ちらっと見ると、セシルは今度は携帯をいじっていた。
「前から聞きたかったんだけど…」
「ん?」
「セシルって、カインが好きだよな」
「うん」
「それって、恋愛的な意味で?」
俺の言葉に、他の奴らがピクンと動いたのがわかった。
彼らもその点は気になっていたらしい。カードゲームに興じながらも、耳だけはこっちに集中しているのがまるわかりだ。
「どうなんだよ?」
ちらと彼を見ると、彼は自分が注目を浴びているのを知っているのだろう、ニヤリと企み顔を浮かべた。…が、それも一瞬、「それはないよ」と軽く否定した。
彼の事だからもっと意地の悪いことを言うのかと思ったが、意外だ。
「そうだったのか」
「うん。大体、僕彼女いるし」
「「「「え!!!」」」」
図らずともそこにいたセシル意外の全員の声が重なった。
みんなぽかんという顔をしている。そして…俺はセシルが目配せをしているのに気づいた。
…ぁ、みんなの手札が丸見え。
と、
「ま、カインに彼女ができちゃうと、一緒に遊べないから両足粉砕してやろうかなぁ~なんて事くらいは思うけど」
セシルのセリフで、俺とセシル以外の三人の顔がサッと青ざめた。
セシルをまた見ると、あくどい笑みを浮かべていた。
そして口をパクパク。
きっとこれは貸しだとかなんとか言っているのだろう。
とんでもないやつだ。
そう思いつつ、普段のカインの不憫さを見ていると、素直に借りて置かなければ後が怖い。
仕方ないと肩をすくめると、彼はにこりと今度はいつもの笑みになり、「じゃぁ、カイン邪魔しなきゃいけないから」と言って帰っていった。

ちなみにそのゲームではもちろん俺の勝ち。
その後もセシルが彼らに残した精神的ダメージのお陰で、俺は大儲けが出来た。
まぁ…ちょっといい物おごってやらなきゃな。…ついでにカインにも。

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