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ミルクセーキ味の恋

国で学園
読み返さない

俺達三人は昼間から暇に飽かせてプロイセンの家に乗り込み酒をんだ。
そしてぐでんぐでんになった俺は気を失うように眠り、そしてふと目を覚ますと夕暮れだった。
俺はソファで横になっていて、その下ではプロイセンのアホが酔いつぶれていた。
腹を出して気持ち良さそうに大口開けている彼の近くには、彼自身が飲んだたくさんのビール瓶が転がっている。
もう一人はどこにいった?と辺りを見回すと……おやおや。
スペインはすぐ近くのダイニングテーブルにいた。
一人ではない。学校から帰ってきたらしいドイツが隣にいる。
勉強でも見てやっているのか、ドイツはノートを広げており二人は頭を寄せあっている。
楽しそうな二人の距離はやけに近く、見ているこちらが照れるくらいだ。
スペインだって随分飲んでいたように見えたが…あの様子ではさりげなくコントロールしていたらしい。
ラテンの血か。意外に手が早い。
いや、恋愛に関して言えば策略家というべきか。
彼は計算して飲み、わざと俺達を潰したんだろう。

彼が昔からプロイセンの妹であるドイツを気に入っていたのは知っていたのだが、近頃はどうやら本腰を入れているらしい。
最強…いや、最狂のシスコンであるプロイセンには決してばれないようにしているが、この分だとちゃくちゃくと外堀は埋めているのかもしれない。

 *

「…あぁ、なるほど」
「それがわかれば簡単や。こっちにも応用できる」
スペインの指がテキストを指し、その文章を読んだドイツはコクリと頷いた。
「これなら解けそうだ。ありがとうスペイン」
ドイツが顔を上げると、スペインは熱っぽい目を細めてじっと彼女を見ていた。
ドイツはハッとしたように目を見開くと、頬を赤らめ気まずそうに視線をテキストに落とす。

 *

「うまいなぁ…」
思わずそんな言葉が漏れた。
それほど色気のある視線だった。俺だってやれないことはないさ。もちろん。やれないことはない。
だが、誰にだってついつい色目をつかっちゃう俺がやるのと、いつもは恋愛のれの字も感じさせないスペインがやるのじゃ威力が違う。
いつもはトマト食ってる時か、畑いじってる時が一番楽しいって感じで、馬鹿やってるのが一番楽しいって感じなのに…。
あんな目で見られちゃ大抵の女はひとたまりもないさ。
ほら現にドイツもどうしていいかわからず、かわいそうなくらいに狼狽えている。
助け舟を出してやるべきかどうか考えていると、スペインの方が動いた。

「なんや喉乾いたわ。なんか貰ってもええ?」

わざとらしいほどに明るい声を…いつも通りの声を上げて、席を立つ。
自ら張った緊張の糸を、彼自らが切り裂く。
ホッと息をついたドイツの心境が手にとるようにわかり、俺はまた「上手い」と感心してしまった。
ラテン男の本領発揮というところだろうか。
いつもは隠している男臭さを、此処ぞとばかりに見せつけ、そしてサッと引く。
まったくそんな事をされては心臓の休まる暇もないだろう。
彼女はドキドキしっぱなしなはずだ。
いっそ早くとどめをさしてくれと願うほどに。

キッチンにスペインが去った途端、ドイツは両手で赤くなった頬を隠した。

おやおや…だ。

俺は足元でのんきに眠っているプロイセンに同情した。
お前の可愛い妹は、今まさに親友だと思っている男に粉掛けられてるぜ。
いや、むしろもう唾つけてるって感じかな。
悪い男…ではないけれど、まぁ食われる寸前だ。
彼女の強固な城ももう陥落寸前。ガタガタだ。
どうするんだ?泣いてもしらねぇぞ。
あいつが本気出したら怖いってこと、別に喧嘩だけじゃねぇみたいだぜ。

かわいそうに。
でもやっぱり、ちょっと面白い。

プロイセンからまたドイツの方に目を移すと、キッチンの方からスペインがアップルジュースの瓶を片手に戻ってくるところだった。
ドイツは全く俺が目をさましていることに気づいていないようだが、スペインはどうやら気づいていたようで、はっきりと俺に視線を合わせてきた。
そして、ニヤリ…と笑った。
普段のスペインからは考えられないほどの性質の悪い笑み。
邪魔をするなってか?
わかっているよ。
俺が両手を上げて降参を示すとソファに寝転がって眠ることにした。

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