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ゼロの夜想曲 41

ドラゴンに跨った少女と紅蓮の炎を思わせる豊かな髪を持った少女は、大きく目を見開き息を詰めて二人を見ていた。
そして、少し離れた木の横枝に立った黒のローブをまとった女もまた・・・・ゴーレムを再構築することに意識を集中できず、二人を見つめていた。


「がんばれよ」
声をかけたのは、ルイズの体力が磨り減っており、魔力もまだ回復しきっていなかったからだ。
ヤヒロノヒモロギと一緒。彼女は今ギリギリだ。(ヤヒロノヒモロギは今はからっぽだが)
だからといって、俺自身の力でアレを壊してしまうのはやはり“違う”気がした。
彼女に手柄を譲ってやりたいというのももちろんあるが、それよりもこの世界の事は少なくともこの世界の人間が解決するべきだという思いが強い。
干渉し、あれを一撃で葬り去ることは簡単だが、それはこの世界の住人である彼女の役割だ。
「ルイズ」
彼女を胸に抱く形ををとっているので顔こそ見えないものの、包んだ彼女の手に力がこもったのが分かった。
そして
「わかってる!」
彼女のたくましい声。
魔力・・・というのだろうか、彼女が集中したのが分かる。そして、力が集まっていく。
強いが・・・しかし、拡散しがちなそれを、俺がサポートし、支え集めてやる。
暴れ馬のようなそれを宥めながら、そして、叱咤しながら、そしてまた血からづくで押さえ込む。
もっと・・・もっと・・・・!
スイカのような大きな丸を俺が小さくコンパクトにまとめていく。
理想はパチンコ玉くらい・・・しかし、今の魔力では到底足りない。
もっと魔力を・・・・!
「ルイズ・・・」
「わか・・・・てるわよ!」
ルイズが力を出す。
しかし・・・・やはり足りない。
俺は魔力をまとめつつ、ルイズを探る。
彼女の奥底・・・ルイズの持つ魔力の泉はもう枯渇寸前だ。
これ以上は無理か?
否・・・まだだ。
彼女ならやれるはず。
「根性だせ!ルイズ!」
「こ・・・こんじょうってなによ!」
「黙って出せ!」
「もう無理よ!」
「んなことばで俺が納得すると思うのか!お前は曲りなりにも俺の主人だろうが!ゼロに誇りを持つといったのはどこのどいつだ!」
怒鳴りつけると、彼女の方肩がピクンと動いた。
そして・・・・そして・・・枯渇していた泉の底からまた新たな魔力がわきあがる。
そうこなくては。
だが・・・それは本当に最後の力を振り絞って・・・というようなものだった。
ほとんど命を削って・・・といっていいような代物だ。
彼女の意識が朦朧としていくのが分かる。彼女はもうそれを外に出す力は残っていない。
俺は彼女の様子を見ながら慎重に魔力を掬い上げ・・・そして・・・・
「いくぞ・・・」
「・・・・」
「しっかりしろ、ルイズ!」
「・・・・もぉ・・・大丈夫?」
何が大丈夫なのかよく分からないながら、うなづいてやる。そして構えを取らせるように少し手を上げさせる。俺が支えてやらなきゃすぐに落ちそうな腕には舌打ちをしたくなるが・・・・この場合仕方ないかもしれない。
こういう手段が正しいのかはわからないし、人間に害が無いともいえないが・・・・俺は少しだけ彼女に力を分け与えてやる事にした。
といっても、俺は攻撃魔法専門で補助も回復も一切覚えたためしがないので、まったく使いこなせない。
だから、俺の生(き)の悪魔の力をほんの少しだ。
「・・・ふっ」
「大丈夫か?」
「大丈夫・・・・!いくわ・・・・!」
小指の先で掬った程度の力。
副作用が出るとも限らないので、この程度だけにしたのだが、それでも気合だけは入ったらしい。
彼女の手にまた力がよみがえる。

そして・・・・

「いっけぇぇぇぇぇ!!!!!!」

彼女渾身の魔法が放たれた。

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