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ルルルララ!

独+ロマ
国で学園 学園だけど少しだけww2を引きずるよ
読み返さない

一瞬息が止まった。

「び…くりした」

 *

俺が持っているサボりスポットの一つ。
プールの裏、ちょうど更衣室のある建物の裏がそのサボりスポットの一つだ。
ここなら校舎からは見えないし、日当たりもよくお気に入りの場所でもある。
そこに人が転がっているのが見えて俺は誰かに先を越されてしまったと腹が立ったのだが、それがドイツであると気づいて心臓が止まるほどに驚いた。
学生服に見を包んで眠っているドイツが、真っ赤に染まった軍服を着て横たわっているように見えたから。
それは一瞬ではあったが…鮮明すぎた。
はっきりと目の裏に焼き付けられて、胸が痛い。
胸の辺りをぎゅっと握りしめ、ゆっくりと近づき、それが確かに制服姿のドイツであること、血なんて一滴も無いこと、胸がゆっくりと上下している事を確かめると少しだけ心が落ち着いた。
おどかしやがって。
大体、なんでコイツはこんな所にいるんだ。
未だに騒がしい胸をなで、足で彼のこめかみあたりを蹴りつけようとして…やめた。
穏やかな寝顔。
こいつに限ってサボりってことはないだろうから…多分、居眠りしてて寝過ごしたんだろうと思う。
だけどなんだってこの場所を知ってるんだろう。
俺はじっくりと彼を見つめ、彼が熟睡していることを確かめると、傍にしゃがみ込んでゆっくりと上下する胸にそっと手を置いた。
トクン、トクンっと穏やかな伝わる鼓動。
また俺は胸をなでおろした。
大丈夫。
ったく。
完全にあの時の事がトラウマになってやがる。
別にこんな奴、どうでもいいのに。
真っ赤に染まったあいつは、心臓に悪すぎた。
いっそ俺がとどめをさしてやろうかと思う程度には。

「いっ!!!」

ピンっとデコピンをしてやると、彼はパチンと額を手で抑えた。
「な、何をする!」
そして俺を見て驚いたような顔をした。
「ロマーノか!」
「んだよ」
「い、いや」
彼は何が起こったかわからないというように額を撫で、それから俺の顔を見て首を傾いだ。
「どうか…したのか?」
「あ゙?」
「凄むな…。…変な顔をしているから、どうかしたのかと思ったんだが」
「てめぇ、人のこと言えんのかよ!」
ふざけんな!俺の顔は変じゃねぇと言ってやると、彼はそういう意味じゃないと首を振った。
「お前が女性にもてる顔立ちをしているのは知っている。だが、何かあったんじゃないか?そんな表情をしているぞ」
「…そんなってどんなだよ」
「いや…よくわからないが。何もないならいい」
「……くそ、あったよ」
どかっと隣に腰を下ろして、プールのある方の壁に背をつけると「ふむ」とドイツは言った。
「俺で良ければ話を聞くが…」
「原因に言われてもな」
「お、俺が原因なのか?」
「あぁ、そうだよ」
俺の言葉にドイツは鹿爪らしい顔をして、顎に手を当てた。
俺は草をブチっと抜いて、そんなドイツに投げつけた。
投げつけたといっても、それは空気の抵抗の前には無力で、ひらひらっと彼の胸の辺りに落ちただけだったけれど。
「ロマーノ」
避難するような声を無視して空を見上げた。
座っているせいか、いつもより高く見える空。
雀みたいな鳥が二匹連れ立って横切っていった。

「…もうすぐ、夏か」

ぼけっとつぶやくと「そうだな」と返事が返ってきて、一瞬、彼の存在を忘れていた俺はカッと頭に血がのぼって、また草をむしって彼に投げつけた。
またへにょっと落ちただけだったけれど。
「ロマーノ!」
「うるせぇよ!」
怒鳴り返すと、彼は肩を落としてため息を付いた。
俺は背中でずるずると下がって、頭の頂点を壁にくっつけて大の字に寝転んだ。
ますます空が遠くなった。
もうすぐ夏が来る。
そうしたらプール掃除がある。
俺は当然サボるつもりだけど…毎年いろんな奴に引っ張られて結局掃除をしているような気がする。
やれば割りと楽しい…と思わないこともないけれど、ジリジリ熱いし、水は汚いし…ろくなもんじゃない。
でも、決まって誰かが差し入れにくるのは嬉しかったりする。
よく冷えたラムネとか、ちょっと溶けかけたジェラートとか、アイスキャンディもよかったな。
ジリジリした太陽だって、本当は嫌いじゃない。
俺の肌は割りと綺麗に焼けるほうだし、こんがりと焼けた肌はちょっとばかり男らしくていいと思う。
そうか、夏がくるのか。
少し体を鍛えておかなきゃいけないな。
ヒョロヒョロの体で海パン姿っていうのは、俺の美的感覚からするとアウトだ。
少し体重を増やして、腹筋をしておいたほうがいいかもしれない。
「機嫌は…なおったか?」
「あ゙?」
「だから凄むなといっている」
そういえばコイツがいたんだった。
チラッと見ると、憎たらしいほどに筋肉のついた体だ。
腹が立つ。いつかその筋肉はがしてやるからな…とおもって、気づいた。
そうだ。こいつは…。
ふんっ。
鼻で笑ってやった。
「なんだ、いきなり」
「お前は夏になるといつも真っ赤だったなって思いだしたんだよ」
「真っ赤?」
聞き返してすぐにそれが何を指すのか気づいたんだろう。ドイツは拗ねたような顔をした。
「…仕方が無いだろう。体質なんだ」
こんがりと焼けずに、やけどしたみたいに真っ赤になる体質のドイツ。
彼がその体質を地味に気にしている事を俺は知っている。
くだらない…が、彼にとっては比重の大きなことなのだろう。
本当に悔しそうで、俺の笑いを誘う。
「兄さ…兄貴も同じなんだ。仕方がないだろう」
そういえばそうだった気がする。
だけど気にしているコイツに対して、馬鹿兄貴の方は全く気にしていなかった気がする。
真っ赤になってヒィヒィ言ってはいたが、いつだって楽しそうだった。まぁ、彼の場合は頭が可哀想な作りをしているから、多分、ドイツのほうが正しい反応だろう。
「ふん、羨ましいだろう」
「…そう、だな」
ふふん。
いい気分だ。
目を閉じて浸っていると、遠くでチャイムの音が聞こえた。
それと同時にドイツが立ち上がる気配。
「そろそろ5時間目だな。お前はサボるのか?」
「あぁ」
「お前は……」
彼は説教じみたことを言いかけたが、結局諦めたのか「程々にしておけよ」と言って校舎の方に帰っていった。
別に賑やかにしゃべっていたわけでもないが、ドイツが居なくなった途端、急に静かになったような感じがする。
俺は閉じていた目を開け、青い空を見上げながらにやりと笑った。
「バーカ、次は6時間目だっていうの」
さっきのチャイムは5時間目の終了のチャイム。だから、昼休みなんてとっくに終わってたんだよ。
教室でそれを知ったら、彼は唖然としたような顔を見せるんだろうな。
そう思うととても気分が良かった。

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