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だけど、うぬぼれるなよ。

石岡×御手洗 というか 石岡→←←←←←←←御手洗
現在、占星術と斜め屋敷を読み終わってる

ようやく彼へと伝わった。
彼は驚いてはいたけれど、嫌悪はしなかった。
困っていたけれど、結局弱く笑った。
いつもの彼であり、やっぱり彼であった。
私は嬉しくて嬉しくて「僕を愛してくれるかい?」っ聞いた。
彼は少し考えて曖昧に頷いた。
「まぁ努力はしてみるよ」
「僕を愛する努力を?」
「君を愛する努力を」
聞きようによってはなんとも高慢だし、ごまかされてる気がするし、不誠実な気がする。
だけど、まぁいいかとその時の僕は思った。
だけど、少し考えてやっぱりそれは少しいただけないと感じたので「努力はいらないね」と彼に言った。
「ただ愛してくれればいいのに」
「ただ愛せるように努力するよ」
「だから努力はいらないよ」
彼はよくわからないと首を傾げた。
その気持ちはよくわかる。
僕だって自分がうまく自分の心を伝えきれてないってことを知っているから。
「つまりね」
僕は少し考え、唇をペロリと舐めて言った。
「僕が努力するよ」
「君が?」
「そう。僕がふたりぶん愛するように努力する。だから君は何も考えずに愛してくれればいいんだよ」
「君が僕が愛する分をとっちゃったのに?」
「あ、努力だけだよ。君が愛そうとする努力だけだよ」
愛は君の中にあるんだ。
慌てて言い繕うと、彼は赤ん坊がお腹をくすぐられた時みたいに笑った。
「御手洗君、それはなんだかとてもおかしいし、よくわからないよ」
「君には難解すぎたかな?」
「そうかもね」
じゃぁどういえば伝わるだろうかと僕は考えた。
彼はただ僕を愛してくれればいいってことを。なんにも考えないでただ僕を愛してほしいってことを。僕は掛け値なしの打算なしの愛がほしいってことを。
すごく簡単なのに、言葉にすると難しくなる。
いやはや人間ってなんて面倒なんだろうね。
「つまりね」
僕は考えながら言った。
「さっきから言ってるんだけど、僕は君に愛を乞うているんだ」
いやいや、これじゃさっきと全く変わっていないぞ…ともごもごと口の中で言っていると、石岡君の圧し殺した笑いが僕の耳に届いた。
顔を上げると案の定彼は笑っていた。
今度は箸が転がるのを笑う女子高生みたいだった。
「なに?」
「いや」
彼は笑いを押し込めるようにしながら軽く手を振った。
「なんだか僕は君が愛しくなってきたよ」
「え!」
僕は驚いて背中をピンとした。
「それって、君が僕を愛してるってことかい?」
「うーん、まだ愛には遠いかな」
なんだ。
僕は肩を落としたが、すぐにそれはそう悪いことでもないと気がついた。
「ねぇ、だったらもっと愛しくなっていいよ」
僕が言うと、彼はまた笑って頷いた。
「そうしてみようかな」
「そうして僕を愛したくなったら、抱き締めて、キスをしてくれたらいい」
「なるほど」
「僕はいやがらないよ。だって僕はとっくに君を愛しているからね。…ねぇ、これって知っていたかい?」
聞くと彼はまたまた笑った。
今度はお笑い番組で笑い転げる時と一緒の笑いだ。
「僕には、どうして君がこわごわ尋ねるのかわからないな。今まで自信たっぷりだったくせに」
「だって!これは愛の告白だからね!こういうとき繊細な僕はとても緊張するものなんだよ!」
僕が怒って言うと、彼は「へぇ」と言った。
面白いものを見つけた子供の目だ!
僕はとても腹がたったので、散歩に出掛けてくると言って立ち上がった。
なんだい石岡君のあんぽんたん。
いたいけな男心を弄んだ罪は重いんだからな!
僕がせっせと外套を着ていると、彼は「ますます君が好きになったよ」と言った。
僕は「今さら遅いよ!」と怒鳴って部屋を出て、廊下を数歩歩いたところで、両手で顔を覆ってしゃがみこんだ。
きっと僕の顔はりんごみたいに真っ赤にちがいない。
悔しい。
だけど、うぬぼれるなよ!

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