スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

執着に満たない情熱

独ロマと読んでもいいし、独+ロマでもいいです。
読み返さない。
多分…怪しい漢字がある。後で調べなきゃって思いながら、忘れた。

バカップル発見。
さっきから狭い丸テーブルの片側に二人で寄っていちゃいちゃべたべた?べちゃべちゃ?してる。
最初は向かい側に座ってるスペインと会話してて気づかなかったが、一度気づいてしまうと気になって仕方がない。
テーブルの上には赤い小さなプレゼントボックス(どちらかの誕生日か?)に、放置されて久しいドーナツにチョコレートフロート。
時々、店員が他のテーブルを片付ける時にいい加減にしろというような視線を投げ掛けているが、二人だけの世界に入り込んでいる彼らに通じるわけもなく、ご愁傷さまという他無い。

「ロヴィ、ここはアップルタルトも最高やで。食わへん?」
「いらねー」
「そやったら親分が頼むわ。半分にしよな~。」

女は厚く化粧をして美人になった感じで、きっと化粧を落としたら別人だろうという感じ。まぁスタイルは悪くはない。
男の方は見事なスケベ面してる。鼻の下伸びまくりで、何かと彼女の体に触っている。で、女の方もまんざらじゃなくて…微笑ましいっつーよりむしろいかがわしい。
さっさと安宿にでも行けばいいのに。

「そういえば、こないだベルギーがうちにきたんやけど、これが最高なんや!ぷすすっ!」

なんか腹立ってきた。
リア充死ねとか、やっかみとかじゃなくて、腹がたってきた。
化粧臭そうな女や、でれでれの男も見ていて不快だけど、そうじゃなくて何て言うか…。

「わりぃスペイン、俺、今日はもう帰るわ」



勝手に家に上がり込んだ俺を見て、ドイツは呆れてはいたようだが怒りはしなかった。
多分もう慣れたんだろう。
つまんねぇ…とは思うがごちゃごちゃ言われるよりはマシだ。
“どうした?”“機嫌が悪いのか?”下らねぇ事を言いやがる口を、俺のそれで問答無用で塞いでやった。ぶちゅっと一発。
そしたらドイツは瞬間ゆでジャガ。
ぱくぱくと金魚みたいに口を開閉するから、いらいらが少し落ち着いた。っつーか、珍しく今日のドイツはスーツじゃない。
そういえばここもドイツの執務室じゃなくて、キッチンだ。シンクの上には、ボールがあって中にはパン生地みたいなのが入ってた。
「今日、休みだったのか」
「え、あ…あぁ、まぁそうだ」
ゆでジャガは微妙な表情で言った。
「ギリシャの件はまだまだ長引くかもしれないが、とりあえず一段落がついたからな」
「ふん。つぎはうちかスペインかに火がつくだろうからな。今のうちに休めって言われたんだろ」
「そこまでは言われなかったが…確かにスペインには色々注意しておくように言われたな」
そのスペインは多分今ものほほんとカフェでアップルパイ頬張っているはずだ。それを告げたらなんと言うだろうかと興味はあったが、とばっちりは受けたく無いので黙っている。
「それ、何つくってんだよ」
「これか。久々にシナモンロールを作ろうかと思ってな」
少し前までは菓子作りが趣味だとばれることを恥ずかしがっていたドイツだが近頃は慣れたらしい。
「ふーん。俺も食いたい」
「まだ食べられないぞ」
「それくらいわかってるぞコノヤロウ!」
弟ほどの腕じゃないが、俺だって菓子作りはするしパン作りの行程くらい承知している。
「そ、そうか」
「ジャガ兄は?」
「兄に用か?」
「んなもんねーよ!」
「あ、あぁ」
「で?」
「兄ならオーストリアの元にタルトをせびりに朝から出かけて行った」
「仲いいんだか悪いんだかわかんねぇな」
俺の言葉に、ドイツはエプロンを脱ぎながら頷いた。そして「多分、仲がいいんだと思う」と言った。
「あれで良く遊びに行くんだ。説教されただの、けち臭いだの文句は言うがな」
それにオーストリアもなんだかんだ言いながらプロイセンを受け入れているという。
「フランスとイギリスの関係に近い…かもしれない」
ドイツの説明になるほど…と思う。
確かにあいつらも仲がいいんだか悪いんだかよくわからない。
考えてみると国同士だと、そういう関係のやつが少なくない。ギリシャとトルコとか、日本と中国とかノルウェーとデンマークとか…あと、
「俺とお前とかも?」
気づいて問うと、彼は洗い物をしていた手を止めて俺を見、微妙な表情を浮かべて「そうだな」と言った。
なんだ今の反応は。
何か引っかかったが、それが何かはわからない。
洗い物をするドイツの手元をじっと見ていると、「そういえば」とドイツが口をひらいた。
「そろそろキックオフじゃなかったか?チャンピオンリーグ。ローマの試合だろう?」
「あ」
その言葉に慌てて時計を見ると、今まさにキックオフというところだった。
「そういうことは早く言えよ!コノヤロウ!」
俺は慌ててキッチンから飛び出し、隣り合ったリビングに行くとテレビのリモコンを手にとった。
離れる間際、ドイツのため息が聞こえて俺は一瞬ムッとしたが、テレビからきこえるスタジアムの歓声にすぐにそんなことは忘れてしまった。

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。