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026. 必殺技発動

山の上の全寮制男子校みたいな設定
王道学園がなんたるか知ってる人向け セシルがウザイ。
二人はまだ一年生
よみかえさない

セシルは近頃、とある生徒と仲がいい。
そいつは少し前に俺とセシルのホモ漫画を書いていて、俺のトラウマでもある。その男が鼻息を荒くしてセシルになにか語っている姿はなんというか…ゾッとする。
セシルはアホなんだから、おかしな事を吹き込まないでほしい…。
といって積極的に二人に近づき割り込むと、彼が鼻血を出しかねない勢いで興奮するので、それもまた恐ろしくて出来ない。

そんな風に消極的にセシルを放置して数日後。
朝、寝室から出てきた(俺たちは同室だ)セシルは、なんか知らないがキラキラしていた。
最初はだて眼鏡のせいで、そう見えるのかと思ったが、表情や身のこなしが違う。
なんというか…気持ち悪い。
うへって顔をした俺を見て、彼はその原因に気づいただろうに、それでもキラン☆っと笑った。いつものヘニョっとした脱力系の微笑じゃなくて、あくまで“キラン☆”だ。
背景にはキラキラのお星様が沢山舞っている。ついでに七色に輝くシャボン玉も飛んでいる。
「なんだ、お前…具合でも悪いのか?セシル」
「悪くないよ(キラン☆)」
「うざ…」
思わず口にすると、彼はさらりと指で髪を払った。
今度の効果音はシャラン☆だ。
「かっこいい?」
「だからキモいって、で、なんだよそれ」
「何って、もちろん“腹黒副会長”だよ」
「は?なんだそれ」
「何って、そのまんまだけど」
「…そのキラキラシャラランってのをヤメロ」
「えー、これが腹黒副会長の持ち味じゃない」
「腹黒はわかる。お前はその顔に似合わず、腹の中はイカスミも真っ青なほどに真っ黒だもんな、でも副会長じゃないだろうが」
大体その伊達メガネは何だ。
一気に言ってやると、キラキラシャランを少しだけ抑え口を尖らせた。
「似合うとおもうけど」
「…たしかに似合わないことはないかもしれないが、気持ち悪い」
「でも、僕、これからはこのキャラでいくから」
開き直ったのかしゃきっと背筋を伸ばし、指をメガネのふちにつけてシャララン☆ …と、やらかすセシルに俺はげっそりとした。
「キラキラシャラランな白馬の王子様みたいな副会長をめざすんだよー、でも腹黒なんだよー」
歌うように言うセシル。
おそらくあの腐りきった生徒に吹きこまれたに違いない。
放って朝の準備をしていると「あ」とセシルが声を上げた。
「あのね、カインは『ホスト教師』なんだって」
「は?」
また訳のわからない事を。
ギロっと睨むが、キラキラ~っとした笑みに弾き返された。
何かしらないが、キラキラシャランのセシルはキモイが、やたら強くなっている気がする。
これが腹黒副会長とやらの実力だろうか。
じっと見ていると、セシルは中指でクイッとずれてもいないメガネを整えた。
ものすごくウザイ。
「…で、ホスト教師ってのはなんだ」
「うん、ホストみたいな先生で、大人の色気がムンムンなオレ様教師」
「……へぇ」
何故朝からこんなに疲れなきゃいけないのだろう。俺は理不尽に思いながらも、朝食をとるために部屋を出た。もちろんキラキラシャラン☆のセシルも一緒だ。
朝食は寮にある大きな食堂で取ることになっている。
廊下は食堂にいく生徒たちで賑わっていた。
彼らは俺達を見ると、一様にぱっと華やいだような顔をするが…男にうっとりとされても気持ちが悪いだけだ。
まったく、これだから全寮制男子校の悪習ってのは手に負えない。
そんなことを思っていると「それでね」と隣でセシルが言った。
「ずっと二人で考えていたんだけど、カインにはオレ様生徒会長なんてどうかなーっておもうんだよね」
「…まだその話かよ」
少々ヤサグレて言うと、セシルは「そう、それ」と何故か喜んだ。
「一人称は『オレ様』で、傍若無人なんだよ。『オレ様の言うことをきけ!』とか『オレ様に不可能はねぇんだよ』とかいっちゃう」
「なんだその頭の可哀想なセリフは」
「まぁそうなんだけどね、そこはカリスマ性ってやつで…」
と語りだすセシル。それに適当に相槌を打ちながら食堂へと向かう。
食堂は一階にあり、かなり広いスペースがとられている。
その入口は大きく解放されており、少し前は食券の自販機が入ってすぐのところにあって、生徒たちが列を作っていた。
だが今はテーブル一つずつに端末がついていて、そこで注文も決算もできる仕組みになっている。
と、俺達が食堂に入った途端、何故かどよめきが走った。
「あ…?」
俺は何事かと食堂を見渡したが、特に変わった様子はない。…いや、違う。何故か食堂にいたほぼすべての人間が俺達の方を見ている。…もっと性格に言うなら、セシルの方を。
ものすごく嫌な予感…は、セシルと共にいるとそりゃもう度々あるのだが、だからといって慣れるようなもんじゃない。
それでもゆっくりと横を向けば…そこには案の定、先ほどのキラキラシャランを10倍くらいにしたようなうそ臭い笑顔で愛想を振り向くセシルが居た。

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