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ふたつのたいよう

訓練してるのに現代
全くオチがない。駄文 読み返しすらしない

その日、日本は用事があり、ドイツとイタリアが訓練している公園に遅れてやってきた。
ちょうど昼に差し掛かる所。上司に持たされたランチボックスを持って小走りにやってきた日本は公園の入口で足を止めた。そして中を見渡し中央あたりでドイツがイタリアに指をつきつけ何事か怒っている姿を見つけると、小さく微笑みを浮かべた。
「相変わらずですね」
今度は何をしたのだろうか。
猫と遊んだのか、女の子をナンパしたのか、それとも縄跳びをしていてぐるぐる巻になったのか。もしかしたらそのすべてかもしれない。
日本が彼らの方に一歩踏み出そうとした時、イタリアが「あ」と大きな声を上げて日本がいる方とは反対側を指さした。
日本もつられてそちらを見ると、親子がいた。
まだ若い父親と、その息子であるらしい5歳くらいの子供だ。
膝に手をおいている父親に、小さな子供が両手を伸ばして抱っこをせがんでいるらしい。
父親は笑って子供の両脇を手で持ち、それから“高い高い”をした。
かなり離れた場所での出来事だが、日本の元までもきゃっきゃっという子供の甲高い歓声が聞こえた。
微笑ましい光景に思わず目が細まる。
そのままドイツとイタリアの方に視線を戻した日本は、えっと驚き細めていた目を大きく見開いた。
日本が見たのは、ドイツに向かって両手を広げるイタリア。
いつものようにハグを強請っているのではなく、あれは間違いなく先ほどの子供のように“高い高い”を強請っている様子だ。
ドイツは嫌がっているようだが、イタリアはしつこい。顔を背けるドイツの前に回り込み、回り込み、回り込み…ぴょんぴょんと跳ねる。
「あらら…」
ドイツはかたい人間ではあるが、イタリアには弱い。
“イタリア~~”っという怒鳴り声を上げてはいるが、それでもしつこくイタリアが強請ると…いかっていた肩ががくんと落ちた。
「あらあら」
思わず口元に手を当てる日本の視線の先で、ドイツが先ほどの父親のようにイタリアの脇の下を持ち上げた。
「はぁ、さすがですねぇ」
そして、多少小柄とはいえ、大の大人を軽々と持ち上げ“高い高い”をした。
「すごいですねぇ」
一回、二回、三回…
子供でもそれをしてやるのは骨が折れるというのに、隆々とした筋肉を持つドイツは特に苦痛を感じていないらしく、イタリアの要望に答えて10回ほどもイタリアを上下させた。
そうしてようやくドイツがイタリアを下ろしたかと思うと、イタリアはまた何かを強請っているようである。
「今度はなんでしょう…?」
イタリアはまたドイツに手を伸ばすが、今度は抱きかかえられるのを強請っているというふうではない。
両手をドイツに伸ばしてぶんぶんと振って、何かを強請っているが…日本にはそれの意味するところがよくわからない。…と、ドイツはまた仕方がないというように首をふり、そのイタリアの手を握った。
そして、
「あぁ…」
自分を支軸にして、メリーゴーランドのように回り始めた。
するとイタリアの足が地から離れて、斜めに浮かび上がった形になる。
それもずいぶん力がいるだろうに、しっかりと大人一人を浮かび上がらせてハンマー投げの要領でぐるぐると回る。
日本はハッと気付くと、あわてて胸元から携帯電話を取りだし、パチリパチリと数度それをカメラに納めた。
そしてそれをツイッターに投稿する。
ツイッターは、各国が鍵つきででアカウントを登録していたりする。
ある国は夕食の写真を、ある国は帽子のコレクションを、町並み、ブリキのおもちゃ、ペットの写真などを上げて大いに盛り上がっている。
そうして投稿を終えて日本が顔を上げると、地面に下ろされたイタリアが誰かにむかって手を振っている。
日本がそちらを見ると、いつからいたものかイタリアの兄ロマーノが立っていた。
ロマーノは弟に呼ばれてしぶしぶといった感じで二人に近づく、すると…
「おやおや…」
イタリアのほうが両手でドイツの腕を抱きつくような格好をしたあと、ドイツの腕をあげさせる。そして兄にも反対側で同じようにするようにと言っているようである。
これもまた子どもがよく親にねだる遊びの一つ。
二の腕に子どもがぶら下がって、父親が持ち上げる…というやつをリクエストしているらしい。
ドイツは呆れているし、ロマーノは渋っている…が、イタリアは乗り気だ。
先程ドイツはイタリアに弱いといったが、ツンツンのロマーノもあれで弟には弱いところがある。
日本が思わず鼻息を荒くしている前で、とうとうロマーノも同じようにドイツの腕に抱きついた。
「は、ハーレム…だと?!」
少々テンションのおかしな日本が携帯で写真を撮っている間に、ドイツは両腕を持ち上げた。
だが、ドイツに比べて背は低い二人とはいえ、その程度では足は地面についたままだ。
どうするのかと思えば、ドイツが腕を高く上げたのと同時に、イタリア兄弟がぴょんとジャンプ。そのまま足を曲げてぶら下がった。
さすがに大の大人はきついのだろう、ドイツの顔は若干歪んでいるが、それでもしっかりと二人を抱え上げている。
日本はそんな三人を写真に収める。
楽しそうなイタリアの顔と、少しきつそうなドイツの顔、それから不満そうな顔を浮かべてはいるが、ほんの少し楽しそうなロマーノの顔。
何枚もシャッターをきっていると、やがてまたイタリアが何か言い、ドイツが二人を腕にぶら下げたまま走りだした。
「これはこれは」
日本は驚きの声とともににんまりと笑い、携帯を構えてつぎつぎとショットを収める。
ドイツは苦しそうだが、イタリアにもっともっととねだられて頑張っている。
…と、
「お、これはレアレアですね!」
不機嫌そうだったはずのロマーノの顔がフッとほころんだ。
国という存在には、人間のような肉親はいない。
だがドイツは兄プロイセンに、イタリアはオーストリア…はないかもしれないがフランスあたりに、そしてロマーノはスペインあたりにあぁいう遊びをやってもらったことがあるはずだ。
日本が初めて見るようなロマーノの笑顔、イタリアの弾けるような笑顔、そして苦笑するようなドイツの笑顔。
日本が夢中でショットをとっていると、ロマーノがふと日本の方を見た。
「おや、ばれてしまいましたか」
日本がふふふっと笑い手をふると、ロマーノがパッとドイツから離れ真っ赤な顔をして日本の方に走ってきた。
「これはいけませんね」
日本がくるりと背を向けて走りだすと、「こら、まてじじぃ!!!」というロマーノの声が追いかけてきた。
ロマーノはドイツに比べれば全く体力はないが、しかしもう爺さんの日本と比べると彼の方に分がある。
日本は走りながら携帯を操作し、三人の最高のスマイルを映したベストショットをツイッターに投稿した。

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