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ゼロの夜想曲 38

「あぁ・・・!クソ!」
両手をふさがれ防戦一方どころか逃走一直線。
悪魔を統べ、アイツの片腕となった俺、混沌の王の名を冠する俺が・・・!
「だああっ!!!!!」
間近に迫った巨人の足を間一髪で避けて横に転がる・・・・際におかしな体勢になるのはルイズを抱えているからだ。
「キャァッ!」
っと声がするが、怪我なんてしているわけはないだろう。この俺が庇ってやっているのだから。
「クッ」
奥歯をかみ締めて左手一本で彼女の細い腰を掴み上げ、右手で力いっぱいに地面を突き飛ばす。反動で舞い上がった体を前へと飛ばし、着地と同時にまた走り出す。
追い詰められているというような焦燥は無いにしろ、この状況は面白くない。どうにかこの状況をひっくり返さなくてはいけない。あぁ・・・もういっそ、ルイズを放り出してしまおうか。
そうすれば、アイツを一撃で伸す自信はたっぷりと・・・っと、その時、俺たちに巨大な影が落ちる。
顔をあげると目にしたのは、
「乗って!」
「タバサ!」
風竜が俺たちに急降下してくるところだった。
走りながらタイミングを合わせ、俺はルイズを放り出すようにして風竜の長い首にしがみつかせる。
「あなたも!!」
そうしておいて、俺はタバサの差し出す手を無視し、
「玲治?!」
「行け!!!!」
風竜の後ろ足のあたりを力強くたたき、さっさと飛び上がれと急かした。
「あっ!」
「きゃっ!」
風竜が急上昇し、二人が小さな悲鳴を上げて遠ざかる。
残された身軽になった俺は、間近に振り下ろされた拳をアクロバティックな動きで避け、そのまま宙返りをいくつか・・・最後に力強く地面を蹴って手近な木の枝へと飛び移った。
瞬間、俺を見失ったらしいゴーレムが動きをとめるのに・・・ふぅっと息を吐いた。

そうしておいて、俺は背負っていた両刃の剣、デルフリンガーを抜いた。
「おまえ、アイツがきれるか?」
っと、鞘から抜いたデル公は眠りからさめ、その刀身に巨大なゴーレムを映した。
「んん?ゴーレムか。えらくでかいなぁ」
「関心してる場合か。切れるかどうかを聞いている」
「はん。そりゃ切れまさ。旦那の力がありゃぁ・・・って・・・いやいや、切れません、きれやせんぜ!!だからおかしな力を俺に流すのはやめてくれよ?!」
本気で刀身が変形しちまうと嘆くデルフリンガー。
それがお望みならばそうしてやらないこともないが・・・
「まぁ、そのままでもある程度は削れるだろう。それに・・・・」
此処はご主人様に花をもたせてやってもいい。
ある程度デルフリンガーで削っておいて・・・とどめはルイズに譲る。まぁ、悪くは無い考えか。
ニヤリと笑った俺に不穏なものを感じたのか、
「頼むから無茶だけはやめてくれよ!!!!」
デルがギャーギャーと煩い。
それをブンとふって黙らせ、さて、奴の前に体を晒そうかとしたとき・・・

「なっ・・・・!」

突然、俺とゴーレムとの間にルイズが舞い降りてきた。
ひどくゆっくりとした落下だったので、おそらくタバサが浮揚の業をかけたのだろうが・・・
「一体何の真似だ!ルイズ!!!!!」
あのバカ!!!!!
ルイズは俺に背を向け、ゴーレムに相対している。
俺を助けようとでもしたのか・・・いや、しかし、役者が違いすぎる。
あぁ・・・もう!俺は保育園の先生じゃねぇぞ!!!!!
一度抜いたデルフリンガーを背中の鞘に戻し、飛び出そうとした時、彼女が“破壊のピラミッド”と呼ばれている“あれ”を手にしているのに気づいた。
そしてそれを両手に持って・・・・
「ルイズ!!!!!」
そこに降りかかるゴーレムの拳・・・俺はもう一刻の躊躇も出来ないと飛び出し、本日何度目になるか・・・ルイズを抱いて転がった。
「この・・・・ばか!何している!」
「な・・・何って・・・この破壊のピラミッドを・・・!」
彼女は押し倒された体制のまま怒鳴られ唖然としながら・・・潤んだままの目で言った。
あぁ・・・そうだろうよ。悪気はないんだろうよ。
これを使って俺を助けてくれようとしたんだろうよ!
「だが・・お前じゃこれはつかえないんだよ」
「え・・・・?」
「この破壊のピラミッドはな・・」
言って、彼女の傍らに落ちたそれを手に取ると・・・・
これは・・・・・
空っぽだと思っていたそれに僅かに残るのは・・・・・
「ヤヒロノヒモロギはこう使うんだ!」

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