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ゼロの夜想曲 28

時間ないので・・・よみかえしてない・・・。

剣をクロスさせた図柄の木彫りの看板。
どうやらそこが目的地らしい。ルイズは迷いなくそのドアを開けて中へと入っていく。
続こうとしたタバサを何故かキュルケが引きとめ、そして俺を振り返った。
そして、
「ねぇ、私とタバサはこの通りの少し先の雑貨で待ってるわ。だから・・・」
分かってるわねっというように目配せをするキュルケ。
俺は首を小さく振ってため息をつき、彼女たちの横を通って店内へと入った。

入って右側にカウンター、中にある椅子に座っているらしい親父は50代あたり。パイプを片手に煙をくねらせている。
突き当りと左に棚があり、中央にも一つ。ハルバートやグラディウス、エストック、レイピア他、壁にはククリや鉄扇などが飾られている。
ルイズはカウンターの前に居て、俺が入ってきたのに気付くと肩越しに振り返った。
「あいつに持たせたいのよ」
「・・・あぁ、なるほど。しかし、彼は貴族ではないんで?」
「違うわ。・・・・使い魔・・・よ」
「へぇ・・・変わった使い魔です・・・いやいや、で、どのような剣をお探しで?」
「剣のことは、よくわからないし・・・そいつと相談してちょうだい」
言い捨てふいと顔を逸らして奥の棚へと向う。
店の親父はそっけない主人とその使い魔との間に微妙なものを感じたのだろう、俺にかける言葉を掴みかねているような曖昧な笑みを浮かべていた。
俺はそれに一つ頷いて安心させ、ルイズの後を追って店の奥へと歩いた。
店の角、カウンターからは棚の影になるような位置にルイズは膝を抱え込むようにして座っていた。
俺が影を落とすと、彼女は小さな背中を一層小さくした。

“私が怒ってたら、自分が悪くなくても謝ればいいのよ!それで全部解決するんだから!”

俺の幼馴染のお嬢様の台詞。
昔は、そう。彼女に対してはとりあえず謝る癖があった。
彼女はとても気難しい女の子だったから、ちょっとしたことですぐに機嫌を損ねた。
それを宥めるのが昔からの俺の役目だった。けれど・・・今の俺は・・・。
「・・・かったわ」
「ん?」
小さく聞こえた声に沈みかけていた意識がふと浮き上がった。
「悪かったっていってるの・・・」
「・・・あ・・・あぁ」
「・・・謝ってるんだから、もうちょっと気の利いた事はいえないの・・・?」
拗ねた声。
「別に・・・謝る必要はない」
「・・・・」
「価値案の違いだ・・・。俺とお前とじゃ、生きてきた世界が違う。仕方ないさ」
だから気にするなと肩を叩いてやるが、彼女は立ち上がる気配が無い。
どころか、彼女の背負った空気は先程よりもずっと重くなっていて、俺はどうしたらいいかわからない。
じっと彼女の背中を見つめてしばらく、またポツリと彼女が何かを呟いた。
何を言ったのか聞き取れずに、聞き返すと彼女はまたポツリと小さく呟く。
それもまた耳で拾うことができずに、彼女のすぐ傍に腰をおろした。
すると彼はちらりと視線をこちらにやり、すぐにまた正面に目を戻した。
「・・・私と貴方は・・・一応・・・対等の契約を結んでるわよね」
「あぁ」
何を言いたいのか分からずに頷くと、彼女は少しホッとしたような横顔を見せた。
「対等の立場で一緒にいるんだから・・・」
「だから・・・?」
「そ・・・その・・・・ぱ・・・パートナーよね?」
顔を赤くしてルイズが言う。俺はその言葉に思わず苦笑してしまった。
脳裏に横切ったのは、赤いコート姿の気障ったらしい男。
しかし、笑ったのは失敗。彼女は傷ついたようにきゅっと唇を噛んで、俯いてしまった。
「いやいや、違う。そう、パートナーだ。うん」
「わ・・笑ったじゃない!」
「じゃなくて・・・、昔、俺の相棒気取りだった奴が居て・・・それをちょっと思い出してたんだ。」
「相棒・・・?その人は・・・」
「もうそいつとはパートナー関係も解消しているし、そいつは関係ない。俺の今のパートナーはルイズ、お前で間違いない」
横目で私を覗うようにしていたルイズはその言葉にちょっとほっとしたような顔をした。
そして、
「だったら・・・貴方のことをもう少しきいてもいい?」
と聞いた。それにドキリとした。
もちろん、甘い色ではない。彼女が知りたいのは、俺の過去。
赤黒く甘ったるいような錆の臭いの世界。
脈動を刻む世界の母胎。
俺の顔は・・・その言葉に引きつったかもしれない。それでもなんとか、頷き「そのうち」と答えると彼女は可愛らしい笑みを見せた。

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