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ゼロの夜想曲 26

「全く!何だって私があんたなんかと馬を並べて街までいかなきゃいけないのよ!」
「それはこっちの台詞だわ。ヴァリエール」
「そうじゃなくって!なんであんたが此処に来たのかって聞きたいのよ!」
「あら、そんなの簡単じゃない?ダーリンと貴女を二人きりになんてしてられないもの」
「主人と使い魔が二人でいて何がおかしいのよ!」
「おほほほ、そうね。貴女とダーリンが二人で居て何かあるほうがおかしいわよね~」
「一体どういう意味よ!」
「あら、これ以上、どう遠まわしに言えばいいのかしら?」
ギリギリと歯を鳴らすルイズに、高笑いをするキュルケ。
二人は確かに、見ようによってはとても仲がよいかもしれない。
何しろ二人は厩の前を出発してからかれこれ3時間近くしゃべりっぱなしなのだから。
「ねぇ?それにしても貴女、一体ダーリンを連れ出して何をしようってわけなの?」
「ダーリンじゃなくて使い魔!玲治よ!」
「だから、私のダーリンでしょう?」
「あんた、ほんっとに頭にくるわね!玲治があんたのダーリンになんてなるわけ無いでしょう!」
「ま、すぐには認められない気持も分からなくはないけどね」
「絶対に認めるもんですか!」
「まぁ、ヴァリエールに認めてもらわなくても構わないけど?」
「ツェルプストー!」
「で、ダーリンを連れ出してなにするつもりだったの?」
「・・・・剣」
「剣?」
「そう、あいつ、ギーシュとの決闘で剣をうまくつかってたでしょう?」
「えぇ、そうね。かっこよかったわ・・・!」
その時のことを思い出したのかうっとりと言うキュルケ。
反してげんなりとした顔を見せたルイズは、キュルケに見えないようにため息をついた。
「あの時の剣は借り物だったでしょう?だから今日はその剣を買ってあげようと思ったのよ」
「あら、そうなの。いい考えじゃない?」
「ギーシュとの決闘は褒められたものじゃないけれど、それを退けたのは褒めてもいいと思ったわけ。だからそのご褒美ね」
「でも、必要ないわよ」
「どういう意味?」
「ダーリンには私から剣をプレゼントすることにするわ。」
「はぁ?!」
「だって、その方が喜ぶに決まっているでしょう?」
「そんなわけないじゃない!」
「そんなわけあるわよ!」
「大体なんで、うちの使い魔の持ち物をあんたなんかに・・・」
「ルイズ!!!!!!」
言葉をさえぎるように大声を上げたキュルケにルイズは驚きながらも慌てて前に向き直り、道が唐突に切れていることに気付くと慌てて手綱を強く引いて馬をとめた。
隣ではルイズに注意を促したキュルケも同じように馬を半ば横向きにしながら、足をとめているところだった。
数分後、ようやく馬を宥めたふたりはあらためて道の先を見つめた。

まっすぐに町へと続いていたはずの道が突然途切れている・・・と思ったのは、よく見ればそうではなく、スプーンで掬い取ったかのようにくぼ地が出来ている。
直径50メートルほどお椀のように削り取られている土を見てキュルケが眉を潜める。
「なんなのこれ?」
「さぁ・・・こんなの前は無かったはずよ」
「なんなのかしら?これって」
「土の魔法・・・にしては派手よね?」
「土の魔法にしても変よ。練成したにしても・・・これだけの土を何にかえたというの?」
「そんなの知らないわよ」
「それにこんな道端の土を使うなんておかしいわ」
「私に言われたってしょうがないじゃない」
絶対変だと顎に細い指をあてるキュルケ。
ルイズはその横で穴のそこに妙なものを見つけていた。
それは一見すると水溜りのようなもの・・・。
しかし、ここ数日は良く晴れていて雨なんて降っていなかったし・・・。
ガラス・・?
「あ、だーーーりぃぃん♪」
ルイズの思考をさえぎるようにキュルケ。弾かれたようにキュルケの視線の先を見るとくりぬかれた道の向こう側にシルフィードとタバサ、そして黒いローブ姿の男が立っているのに気付いた。
と、そのときにはすでにキュルケは穴を迂回するように馬を走らせており、ルイズはまぁいいかと肩をすくめてキュルケに続いた。

ちなみに・・・ルイズが穴のそこに見たというものは水溜りではなかった。
それは高温度をあてられてガラス状に変化してしまった土の成れの果てだったのだが・・・それがどのような作られ方をしたのかは推して知るべし。

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