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君への愛と免罪符II

できてないけど雰囲気できてる。
上の続きのような 同じような話の別バージョンのような。
読み返さない

以前、セシルは男性にもてはするが、結婚相手に望まれることはない…と言ったが、例外もある。
とはいっても、それは男性からの求婚ではなく…。

*

「はぁ…」

大きくため息をついて肩を落とすセシル。
そんな親友の様子を見て、槍の手入れをしていたカインはくつくつと肩を震わせた。
「カイン、笑い事じゃないんだが…」
セシルの非難に「悪い」とこたえながらも笑いを収めることができない。
「だが…エミリア姫だろう?すごいじゃないか」
「すごいって…」
「彼女の家はローザ家のファレル家と肩を並べる名家だ。その彼女から求愛されたなんて、誰もが羨む名誉だぞ」
にやにやとしながら言うカイン。
セシルは呆れたような顔をして、口を尖らせた。
「本気で言ってるの?」
「うちの部下にも彼女に熱をあげていた奴がいたな。俺はよく知らないんだが…実際どんな人なんだ?」
「…可愛い人だよ」
不機嫌そうな表情のままセシルは言い、椅子に座るとテーブルの上にあったチョコレートを細い指で摘んだ。
「僕よりもずっと小柄で、栗毛で、薄いピンクのドレスが似合っていた」
そういって、彼女は昨日の昼にバラ園に呼び出された時のことを思い出しながら言った。
「すごく気が小さそうで…でも、一応大貴族の娘っていう自覚はあるのか、胸は張って、でも顔は真っ赤で」
後ろにいた侍女の青い顔と対照的だったと苦笑するセシルは、しかしすぐに真顔に戻るとカインを睨んだ。
「あのね、親友が困ってるんだからそのニヤニヤとしたいやらしい笑いはやめてくれないかな?」
「ん?あぁ」
カインは口元を手で撫で、笑いを抑えこむ。
「悪かった」
「さっきもそんなこと言ってた気がするけど」
「それでなんと答えたんだ?」
「何って…お断りしたよ、丁寧に。僕はこう見えても女ですから、貴女と一緒になることはできませんって。そしたら性別なんて関係ないなんていうから、僕では子どもを授けてあげる事はできないって言って…で、僕よりももっと素敵な人がいるでしょうから…とかなんとか」
セシルはチョコレートを口に入れ咀嚼したあと、ため息をついた。
「なんとか納得はしてもらえたみたいだけど…」
そこまで聞いてカインは少し彼女が気の毒になったのか、表情をかえて「大変だったな」と声をかけた。
「それにしても勇気のあるお嬢さんだな。お前が暗黒騎士の頭張っているのは知っているだろうに」
「そうだね」
「でもまぁ、お前はだまって立ってりゃ立派な貴公子に見えるからな」
「そんなに男っぽいかな?」
セシルは普段男装ばかりしている。
だから男に見えておかしなことはないのだが、それでも男性よりは線は細いつもりだ。
頬に手を当てるセシルにカインは目を細めた。
「男っぽいというか、中性的ではあるんじゃないか」
「中性的ねぇ」
セシルは女性にしては背が高い。そんな彼女が軍服を着ると、身のこなしの優雅さも相まってとても映える。その上、男臭さがない。それは逆に言えば色気がないということにもなるのだが、性別を持っていないかのような無垢な魅力があり、男性ばかりでなく女性もつよく惹きつける魅力を持っている。
それはバロン一の美女とうたわれるローザとは全く別種の魅力だ。
「褒めてるんだろうけど…女性に好かれてもね」
「じゃぁ、ドレスでも着たらどうだ?」
「カイン…まじめにいってくれる?」
そうは言うが、カインとしてはすべてを冗談で言ったわけではない。
彼女が女性らしい姿をしているのを見たのは数えるほどしかなかったが、その全てが息を呑むほどに美しかった。
夜会など大嫌いなカインだが、パーティで着飾ったセシルを連れて歩くのは、かなり気分のいいものだった。
セシルのことをよくしるカインですら、ドレスを着た彼女にはドキリとしたものだ。
苦笑するカインを不審そうに見つめたセシルは、ふと時計を見ると「あ」と声を上げて立ち上がった。
「ごめん、これからエンリ(※副官)との打ち合わせがあるんだった」
「ん?そうなのか」
「うん…あぁ、あとで夕飯でも一緒にどう?」
「そうだな、セシルがドレスアップするなら」
「バカ」
冷めた目でカインを見たセシルだが、すぐに笑顔になると「後で迎えいにくよ」と言いおくと、足早に部屋を出ていった。
彼女が動いたことで、部屋の空気もまたそよいだ。
セシルが出て行ってしまうと、カインは手に持っていた槍と布を置き、倒れるようにベッドに転がった。
そして、

「『それともいっそ俺と結婚でもしてみるか?』…なんてな」

言えなかった言葉、言えるはずのない言葉をポツリと呟き、苦く笑った。

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