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ヒトデナシとロクデナシ

注意:捏造スコットランド 出てないけど。
読み返してない 微妙

コの字になった建物の向かいの部屋、ドイツとプロイセンの姿を見つけた。
午後からの会議に向けてなのか書類に向かうドイツと、その背後に立ち弟の肩に手を置いて書類を覗き込んでいるプロイセン。
仲の良い姿に奥歯を軋る。

羨ましくなんかねぇぞ。
…強がりなんかじゃなくて。

持っていたコーヒーカップから力を抜き、向こうに気づかれない内にと視線をそらしたその先に、何故かフランスが立っているのに気づいて一瞬ぎょっとした。
そういや、さっき話があるとかで押し掛けてきたんだったか?
忌々しい事に窓際に立ったフランスは、先ほど俺が見ていた部屋に視線を向けている。
「ふぅーん、なんだよ、なんだよイギリスぅ~、お兄さんと仲良くしたいなら素直に言えよなぁ~」
「な!誰がお前なんかと!!」
「またまたぁ~、あーんな物欲しそうな顔でドイツとプロイセンのこと見てたくせにぃ~」
「誰がだよ!ばかぁ!」
「ほんっと素直じゃないよなぁ~イギリスはぁ~」
ほ~ら、胸に飛び込んでおいで!
そんなアホを言って両手を広げるフランス。
容赦なく腹を殴り付けると、その場に腹を押さえて崩れ去った。
「ごほっごほっ!いてぇ」
「は、ざまぁみやがれ!」
「…とに…、乱暴」
窓際から離れ応接セットのソファに座ると、しばらくしてフランスも腹を撫でながら向かいに座った。
さて、仕事だとモードを切り替えるが…
「まぁ、お兄さんじゃ変わりにはならないかもしれないけどさぁ~」
「あ゛?」
「一応さぁ、俺だってお兄さんだよ?わかってる?」
きめぇ。
「なに言ってんだてめぇ」
ものっすごく不満だが、フランスは確かに俺の兄ともいえる国だ。
俺は認めちゃいねぇが、事実としては兄弟といってもいい。
但し、古い、昔の兄弟だ。
今は全く一切全然関係ないけどな!
「だから~、妬けるなぁって話じゃないの」
妬ける?何が?
「なんだよ、お前もプロイセンみたいにドイツと仲良くしたかったのか?」
よくわからずに言うと、フランスは「は?」とアホみたいな声を出した。
「なんでそうなるんだよ」
馬鹿にしたような態度にムッとする。
「な、てめぇがアイツら見て“妬ける”なんていうからじゃねぇか!」
それ以外に彼が“妬く”理由が見つからないのだが…フランスは、大げさに肩をすくめるとため息をつきながら首を左右に振った。
「お前、ほんとわかってないよなぁ~」
「なんだと!!俺が何をわかってないってんだよ!!!」
「ってゆーか、もしかしてお前、自分がなんでアイツらみて気分悪くなってるのかすらわかってないんじゃねぇの?」
「は、はぁ?気分なんて悪くなってなんかないし!!!」
「あ、やっぱわかってねぇわ」
嘲笑するようなフランスにカッと頭に血が上る。
コイツ、もう一回殴ってやろうか…そう思っていると、フランスは今は喧嘩をするきがないというように手を上げた。
「お前さぁ、教えてやろうか?」
「は?俺がてめぇに教わることなんてひとっつもねぇぞ」
「まぁそういわずに、お兄さんのいうことも聞いてみなさいって」
「なんだよ」
フランスの言いようは気に食わないが、ひたすら思わせぶりなセリフを言われるだけでは反論のしようがない。
さっさと言えと促すと、「お前さ」と呆れたような声で言った。
「最初、俺はいったよな?“お兄さんと仲良くしたいなら素直に言えよなぁ”って」
「それがどうしたよ」
「で、ついさっきお前はなんて言った?“プロイセンみたいにドイツと仲良くしたかったのか”」
な?
と言われても意味が分からない。
首を傾げると「やっぱり無意識か」とフランスはぽつりと呟やき、
「話がすりかわってるだろう?」
と言った。
「すり変わっている?っつか、全然別の話だろう」
「違うって、お前最初からさっきの会話思い出してみろよ」
言われて、先ほどまでのフランスとの会話を思い出してみるが…やはりわからない。
「俺が妬いたって言った理由がすり変わっている…だろ?」
「すり替わるも何も…変わってねぇだろう」
フランスはドイツとプロイセンの兄弟を羨ましいか、それなら俺に甘えてみるか…というような事を言った。
それを突っぱねると、“妬ける”とフランスがいい…、ドイツと仲良くしたいのかと俺が聞いた。
何も話は変わっていない。
それを言うと、フランスは首を横に振った。
「違う、視点が違う」
「視点?」
「そうだ、俺は“お前”に“兄”に甘えたいか、と言ったんだ。なのに何故お前は俺が“弟”と仲良くしたいと思ったんだ?」
「それは…話が違うのか?」
「違うね」
断言されてもやはりわからない。
何が話が違うと言うんだ?視点が違うってなんだ?
さっぱりわからない俺にフランスは焦れたような顔をした。
だがわからないものはわからない。
「はっきり言えよ」
回りくどすぎる。
そう言うと、「あぁもう」とフランスは苛立ったように言った。

「だからさぁ、お前は…
  “兄に甘えたい”んだろう?
  “弟と仲良くなりたい”んじゃなくてさぁ」

兄に甘えたい?
その言葉に俺は目の前が真っ白になるのを感じた。
フランスの指す兄…それは、目の前の兄もどきのことではなく、おそらく…。
目の前でフランスがにやりと笑っている。
その顔に“やっとわかったか”と書いてあるのは、きのせいではないはずだ。
ぎっと睨んでやるが、フランスは涼しい顔「やっぱりなぁ」なんて言いやがった。
無駄に長い付き合いをしていないってことか。
完全に見透かされている。
そう、見透かされている。
無意識下に欲しているものを。
たまらなく悔しくなってそっぽをむく。
確かに俺は“彼”に弱い。それは自覚がある。
だがそれはもう昔の話として、近頃は疎遠になっていた。
それでも彼は俺の心のなかの重要な部分に居座り続けて居て…
「くっそ…」
自分を持て余す。
そんな俺には…

「ほんと妬けるよなぁ…」

苦笑したフランスのつぶやきは当然ながら聞こえない。

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