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攻略するつもりは無かった 08

クリスマスネタ
前回から時間が開きすぎていて、キャラかわってるかもorz
読み返してないです ごめんなさい 
リビングのソファでルートヴィヒが本を読んでいると、どんっと脚に衝撃を感じた。
本をよけて脚を見ると、そこにはルートヴィヒの同居人であるロヴィーノが頭を載せて彼の方を見ていた。
少し前までは警戒心の強い猫のようにルートヴィヒを警戒し毛を逆立てていたロヴィーノだが、近頃は随分慣れてきたらしく、こんな風に自分からルートヴィヒに近づいていく事も多くなった。
「どうかしたのか?」
「お前さ、今度の日曜の予定どうなってる?」
今度の日曜?
ルートヴィヒが壁に掛けられたカレンダーに目をやると、その日はちょうどクリスマスだった。
「いや、特に予定はないが…出かけるのなら構わんぞ」
彼女がいたという話は聞いていないが、ロヴィーノは女性に好かれる容姿をしているのでクリスマスにデートが入っていたとしても別におかしくはない。
気を使われてしまったか…とルートヴィヒは苦笑したが、逆に「何おかしな気まわしてんだよ」と言われてしまった。
「その日、久々にラザーニャつくろうかと思ってるから、お前の分もいるかと思って」
「出かけないのか?」
「お前は?」
質問に質問を返されてルートヴィヒは一瞬言葉をつまらせた。
「…俺は無いが」
「なら、決まりな」
それだけを言うと、ロヴィーノはパッと体を起こし立ち上がった。
やはり気を使われたのだろうか。
部屋の方へ去っていくロヴィーノの背中を見送り、自分も何か作ったほうがいいだろうかと考えた。

 *

当日、先に帰宅したルートヴィヒは、同居人が帰ってくる時間を考えて、ロヴィーノが用意していたラザーニャをオーブンにセットし(ちゃんと指示は受けていた)、自分が前日に仕込んでおいたビーフシチューに火を入れた。
冷蔵庫の中には帰りに買ってきたチョコレートケーキと、シャンパンが入っている。
ちょっと張り切りすぎただろうかと気恥ずかしくなったルートヴィヒだが、気を使わせてしまったのだし…と自分を納得させる。
クリスマスツリーもリースも…クリスマスに関する飾りは一切用意出来なかったが、楽しいクリスマスになりそうだった。

 *

ルートヴィヒが鍋に焦げ付かないようにとビーフシチューの入った鍋をかき回している頃、ロヴィーノは帰宅途中だった。
彼の両手には大きな袋が2つもぶら下がっている。
中身は、うっかり「クリスマスには予定はない」というふうな事を口にしてしまったのを聞いた店長が、ロヴィーノのために持たせてくれた大量の料理だ。
家に帰れば美味い料理が待っているロヴィーノとしては迷惑でしかなかったが、その店長はとても人がいいので邪険にすることが出来なかったのだ。
「ったく…もう学校も冬休み入ってんのに…男二人で食いきれるわけねぇよな…」
だが、仕方がない。
これらは数日かけてゆっくりと食べていくしか無いだろう。
幸い今は冬だから腐る心配はないはずだ。

そうして重い荷物を持って部屋に帰ったロヴィーノは、リビングを見て
「なんだよこれ…」
目と口をまんまるに開いた。
「あぁ、帰ったか…」
「お、おい、これはなんだよ!」
「それがな…」
ロヴィーノが驚くのも仕方が無いだろう。
何しろリビングのテーブルの上には、ラザーニャ、ビーフシチューの他にも…
「その白いのは?」
「あぁ…さっき兄さんから届いた手作りだというシュトレンだ」
「その樽…」
「これも兄さんから届いたものだ」
ちなみに中身はビールだという。
その他にも…
「そのチョコレートケーキも?」
「いや、こっちは従兄弟のローデリヒという男からだ」
「へー…で、そっちのは?」
と、ロヴィーノが指をさした先には2つのダンボールがあった。
ダンボールには「要冷蔵」と書かれたシールがべったりと貼られている。
ロヴィーノが手の荷物をラグの上に置き、送り状を見ると…
「げ、アントーニョからだ」
「アントーニョ?」
「えーっと…知り合い。俺の世話をさせてやってたやつ」
「お前の世話を…」
させてやった???
随分恩着せがましい…。
ルートヴィヒは呆れながら、ロヴィーノがおいたビニールの袋を覗き込み顔をひきつらせた。
「おい…」
「あ、これ生ハムだ。イベリコブタのやつ!それに俺が昔教えたパンチェッタ!」
「ほぉ…。いや、それよりこれは…」
ルートヴィヒの声に振り返ったロヴィーノは「あぁ…」ヌルい顔をした。
「それバイト先の店長がもってけって…」
一つの袋の中は山のようなフライドチキン、そしてもう片方はローストビーフと大量のサンドイッチが入っている。
「すごい量だな…5人前はあるんじゃないか?」
「な…。で、こっちの箱は…あ、こっちはバカ弟からだ」
「それはなんか重かったが…」
ロヴィーノはコクンと一つ相槌をうってダンボールを開け、「また食いもんだ…」と萎えた声を出した。
「うわ…ターキー?それとも鶏か?丸焼きの冷凍だ。あと、このタッパの塊はスープだな。あとジンジャークッキーまで入ってる」
「…すごいな」
小さなテーブルの上はもういっぱいで、ロヴィーノの持ってきた料理が乗るスペースはない。
そしてまた…まだロヴィーノには言っていないが、ビーフシチューは数日食べれるくらいに大量にあるし、冷蔵庫にはルートヴィヒが買ってきたケーキも入っている。
二人は申し合わせたように広げられた料理、食材を見てうんざりとした。
「なんだってこんな一気に送ってくるんだよ…」
「だな…ありがたくはあるが…」
これでは冷蔵庫に入り切らない。
幸い今は冬なので、冷たい場所に置いておけば腐ることはないだろうが。
「買い込んでいる食材も含めれば…、これだけで年が越せそうだな」
難しい顔をしてルートヴィヒが言うと、横でフッと息が漏れる声が聞こえた。
ルートヴィヒがそちらを見ると、ロヴィーノが何故か楽しそうに笑っていた。
「どうしたんだ?」
「いや、それいいなぁって思って」
「何がだ?」
「冬ごもりだよ!冬ごもり!これから年越しまで一歩も外にでねーの!」
それってたのしそうじゃねぇっと珍しくはしゃいで言うロヴィーノにルートヴィヒは目を見開いた。
「アリとキリギリスのアリみたいにさ。もちろん、キリギリスは入れないで」
「なんだそれは…バイトはどうするんだ?」
「んなもん、今日がピークなんだから後は休んでも平気だろ」
「…」
ルートヴィヒは呆れた。
不健康だとか、俺も付き合うのかとか…色々言いたいことはあったが、やけに楽しそうなロヴィーノを見て諦めた。
いや、本当は何故か嬉しかったのだ。
彼とふたりきりで閉じこもる。
それがとても魅力的な提案に思えたのだ。
ルートヴィヒ自身はその内心に気づいていなかったが、
「なぁ、楽しそうだろ?」
「あぁ…」
彼は確実にロヴィーノに惹かれていっているのだ。

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