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シンデレラボーイはすぐそこに

学生 にょ火村
アリス←火村 っぽぃはなし。
火村、女の子ですけど、口調とかそのまんま。

「うわ、めっちゃかわえーー!」

某週刊少年漫画雑誌の付録にある、グラビア写真を見てアリスはひゃーっと舞い上がっていた。
グラビアの少女は某ガムのCMで近頃ブレークしたばかりの17歳の少女だ。
愛らしい笑顔とちょっと甘えたような喋り方が人気で、来年はドラマデビューが決まっているという彼女は、紙面の中で惜しげもなく水着姿を披露している。
ひらひらとした蝶を思わせるピンク色の水着を着た彼女は、異性に夢見がちな有栖川有栖の好みそのままと言える。
目を輝かせて「いいなぁ、可愛いな、色白いな」などと言っているアリスを冷ややかに見つめた火村は、彼の肩越しに雑誌を覗き込みフンっと鼻を鳴らした。
「そんなのがいいのかよ」
「ん?あぁ、めっちゃかわええやろ?ミユミユっていうんやで」
「みゆみゆ~?」
頭大丈夫かよ っとでもいいたげな目で見られて、アリスはムッとする。
「なんやねん、めっちゃかわええやんか!」
色白で、小柄で、華奢で、目がくりっとしてて、唇がぷっくんとしてて、顎が小さくて…
「胸がでかい、か?」
火村の言葉に、べらべらとしゃべっていたアリスはウッと詰まり気まずそうに「ええやんか」と視線を逸した。
男の子は女の子のおっぱいが…夢が…とぶつぶついっているアリスから火村は雑誌を取り上げると、改めて“ミユミユ”という少女を見た。
はにかんだ笑顔を見せる少女。
確かに男心をくすぐるような顔立ちをしている。
それに胸を強調するあざとい格好。
火村は不機嫌そうな顔で彼女をしばらく見つめていたが、やがて「頭、悪そうだな」とボソリと呟いた。
ブツブツ自己防衛をしていたアリスはその言葉にハッと顔をあげ、おかしそうに笑う。
「確かにバラエティに出てた時の彼女は、あんまり頭よさそうやなかったなぁ」
「それでもこれがいいのか?」
「アイドルに頭は関係ないねん」
むしろ少し抜けてたほうがカワイイのだと言うアリスに火村は納得しないような顔をした。
「頭が良すぎると、男の子としてはちょっとコンプレックス刺激されてしまうねん」
「そんなもんか」
「そんなもんやって」
笑って紙パックのオレンジを飲もうとしたアリスは、

「でも俺のほうがいい女じゃねぇか」

という火村のセリフに思わず、口の中のものを吹き出しそうになって咳き込んだ。
「げほ、、、ごほっごほっ!あ、あかん、気管にッ…!」
咳き込むアリスを呆れた目で見つめ、苦しそうな彼の背中を撫でてやった。
「おい、大丈夫か?」
「ちょ、ゴホッ…待ち」
ゴホゴホゴホ…。
しばらく咳き込み続けたアリスは、目に涙をため苦しそうに肩を上下させた。
「運動不足じゃないか?」
「あー…そうかもしらんけど…君が変なこというからやで」
「変?」
自覚がないらしい火村。彼女に「実際そうだろう」と言われてアリスは唸り、親友を見た。
火村は性格はアレで口調もアレだが、ミユミユとはタイプこそ違うもののかなりの美人で、頭は小さく、手足は長く、腰は高くヒップもバストも申し分ない。知的でノーブルな美人だ。
もし世の男性に、ミユミユと火村を並ばせてどちらを取るかと聞いたら、答えはフィフティフィフティ。
彼らよりも少し年齢の高い男性に選ばせるならば、火村に軍配が上がるかもしれない。
「え、えーっと、アレや。君はこんな水着は着ぃへんやろ?」
「まぁそうだな」
「やから、彼女の勝ちやねん」
「勝ち?」
ムッとした言い方の火村はかなりイラついているのがわかる。
彼女はムッとした視線をアリスに向ける。
睨まれたアリスは、まるで他の女に見とれていたのを責められる彼氏の気分だ。
なんでそんな気分に陥らなければならないのかアリスにはわからないし、とうの火村も何故こんなに自分が機嫌を損ねているのかわからない。
火村はしばらくアリスを睨みつけた後、ふいと視線をそらすと「なんかムカつく」と言ってタバコを一本口に咥えた。

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