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ヒエラルキー

イケメンとそれなり男(幼馴染)

俺の名前はミキ。
もちろんあだ名だが、本名を出したところで覚えてもらえるとは思わないのでミキでいい。
俺は19歳で、現在2回目の高校3年生をやっている。理由については長くなるので省略。
おしゃれには気を使っているし、流行物には敏感。背はもう少し伸ばしたかったが174センチとそこそこで、顔だって割りといいほうだと思う。
そんな俺は現在…自分のベッドに押し倒されている。

「は?」

従兄弟であり、隣同士の家に住んでいる幼なじみであり、誕生日が一日違いの今は大学生をしているオミに。
俺より一回り大きな身体に、昔はヤンチャしすぎて手の付けられなかった…めっちゃくちゃ男前なオミに。
「何事?」
「いや、美味そうだなーと思って」
ニヤリとするオミは確かにギラギラしている。
うはー、色気だだ漏れ。
だけど…
「あれ?お前ってストレートじゃなかったっけ?」
「まぁそうだと思ってたんだけど」
「あらあら、趣旨変えっすか」
ちなみに俺は…両刀だ。
男も女もイケる。
ついでにネコにもタチにもなれる節操なし。
来る者拒まず去る者は追わず。(まぁソコソコしかモテないから取っ替え引っ替えはできないけど)
最低…と言われて、反論出来ないような人間であるので、この状況ってすっげぇ美味しいんじゃん?って普通は思うかも知れない。いや、完全ノーマルな男だってちょっとくらっといっちゃうんじゃないだろうか。
だけど…
「無理ッスよ。オミさん」
俺は残念ながらげんなりしていた。
「なんで?俺が従兄弟だからか?」
「いや、それもあるけどさー…」
っつか、お前しってんじゃん。

「俺、ブス専だし」

その瞬間、カチンとオミが凍りついた。
あれ?
「言ってなかったか?」
聞くと彼は錆び付いたブリキ人形みたいなぎこちない動きで頷きゆっくりと体を起こした。
「ブス専?」
「ブサ専でも可」
そう言った途端、オミからギラギラしたものがスッ消えたのがわかった。
どうやら萎えたらしい。
ん~ちょっと残念?いや、そうでもないか。
「ってかマジで言ってなかったっけ?」
「はじめて聞いた」
オミに続いて体を起こした俺は、ポテトチップスの袋をバリッと開けた。
期間限定の“Wリッチソルト”。もう販売は終了してるけど、旨すぎて箱買いしたからまだまだある。
やっぱうめぇとか思ってると「あ」とオミが言った。
「だからお前が付き合ってたやつって魚類が多かったのか」
「ぶっ!魚類って…」
いや…まぁ確かに魚類系な顔が好みじゃあるけどね。
「ベストはウーパールーパーだから」
俺が言うと、オミは「あー」と言った。
どういう意味が込められた“あー”なのかはあえて言及しない。
「顔が大きくて、目がちっちゃくて離れてるとかめっちゃ好み」
これはマジで。
オミは微妙な顔してるけど。
「でもそういうやつってさ、大概背がヒョロンとした骸骨みたいなのとか、顔にブツブツついてる不潔っぽいのとか、アニメキャラのついたTシャツ着てるやつとかに惚れて、俺、振られちゃうんだよな」
なんでか不思議。
俺って結構いい顔立ちしてると思うんだけどね。あ、これはごく一般的な視点で見て。
「あー」
また“あー”か。
男前の顔が間抜けになってら。
「でさでさ、今きになってんのがさ、一年のゆみっぺ」
見る見る?
とかっつって、俺は携帯電話で隠し撮ったゆみっぺの写真を見せる。
「出目金?」
「そそ!超かわいくない?」
「かわいくない」
「かわいくないとこが可愛いよね!」
うぷぷっと笑うと、オミはなんだかものすごーく疲れた顔をしてため息をついた。
そして「道理で…」となにやらブツブツ言った。
「ん?」
「いや。…ってか、じゃぁ俺は完全にお前のタイプから外れてるってわけか」
「うん。お前めちゃくちゃカッコイイからなー」
ほんと、オミはカッコイイ。すれ違った人間がほぼ100%振り返って頬を染める程度にはカッコイイ。
外見は誰も寄せ付けませんって感じの一匹狼系なのに、話してみると意外に話しやすい。
先輩たちには可愛がられ、後輩には頼りにされる。男にも女にも老いも若きもまんべんなく愛されるタイプだ。
ま、でも性格はともかくとして、顔だけでいうならオミは、
「ぜんっぜん俺の好みじゃねぇな!」
ケラケラと笑うと、オミは両手で頭をかかえてズズーーンと沈み込んでしまった。
きっとこんなセリフ今まで誰にでも言われたことがなかったんだろうなぁ~。
ヒヒヒ、うい奴め。
ぐりぐりぐりっと頭を撫でてやると、オミは「ぐぐぅ」と喉の奥から変な声を出した。

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