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Jack the Ripper 07

状況説明の文なのでおもしろくないヨ
読み返してもない

最初は土だった地面がいつのまにか石畳に変わっている。
何もなかった左右が少しずつつまり、そして針葉樹の森になった。
真っ暗な森。
そこに生き物の気配は無く、死せる者、そして悪魔と呼ばれる者たちの気配があるだけだ。
彼らは明らかに低級。
遮蔽物のない道の真ん中を堂々と歩く俺の方を興味深そうに伺っている気配はするが、俺にちょっかいを出す気はないらしい。
それというのも…多分俺が足を向けている先にあるのだと思う。
つまりドラキュラ城。
ノイシュバンシュタイン城に似たシルエットは、つまりイコールでシンデレラ城に似ているということなのだろうが、時折雷光に浮かび上がるそれはどうみてもドラキュラ城だ。
もっとも、あの城の中にいるのはドラキュラなんかよりもよっぽどおぞましいものだろうけれど。

10分、15分…20分は歩いただろうか。
遠くに見えていた城が少しずつ大きくなる。
そうしてその膝下に来たならば、もう目の前の大きな門しか目に入らなくなった。
その門は半壊しており、片側の扉が内側に倒れて、水たまりに沈んでいた。
「嫌な予感がムンムンするね」
ついでに面白そうな予感も。
踏み入れると大きな…元は荘厳な…と表現されていたであろう前庭へと出てきた。
兵たちがずらりと並んで、バルコニーの前に立つ王に挨拶…なんて風景が目に浮かぶようだが、今は荒れ果てた墓場のようだ。
雨さえ降っていなければ、いろいろと見て回りたい欲求に駆られたかもしれないが、とにかく雨が不快だ。
寒さは全く感じないが、長時間雨に打たれ続けるというのは、あまり気分がよくない。
さっさと城の中に入ってしまいたい。
そして突き当たったのは門ほどではないが、これまた大きな朱色の扉。
高さが三メートルほどもある扉に手をかけて、ゆっくりと押しやると、それは軋みを上げて開いた。
中は当然ながら暗い。
だが城の外観にふさわしく大きなエントランスであることはわかった。
ホコリっぽい香りに交じる血の香り。
それは新しくはあるが、もう冷たく半ば乾いたもの。
「まだ先にいるみたいだなぁ」
もちろんダンテのことだ。
だが別に急がなくてもいつか会えるはずだと思っているので、特に慌てはしない。
俺は壁際の西洋鎧にかけてあった白い布で、体をざっと拭いた。
下は…気持ち悪いが、代わりになるようなものがない。…いや、探せばあるだろうか?
俺は適当に右手の部屋に入った。
するとそこは待合室…?のような感じになっていた。
特に荒らされては居ない。
応接セットに本棚に…クローゼット。
中には時代がかった黒の外套に帽子。残念ながら下に履くようなものはない。
まぁ当然だろう。此処は誰かの私室ではない。
俺は部屋を出て今度は左手の部屋に入った。するとそこはどうやら使用人の部屋であるらしかった。手前は休憩スペース。その奥にはキッチン…と休憩スペースの壁にある2つの扉はどちらも仮眠を取るためのスペースになっているようだった。
「此処も思ったよりきれいだなぁ」
そうしてこちらの箪笥を開くと…
「あったあった」
此処には当たり前かもしれないが、洋服が詰め込まれていた。
左右の部屋の内、最初に入った部屋は女性の部屋であったらしくブラウスにはヒラヒラがついていたので、逆の部屋に入って箪笥を漁る。
すると普通の白いシャツに黒いズボン、そして真新しい下着が出てきた。
俺はパパッと自分の着た服を脱ぎ、下半身をタオル(これも箪笥にあった)で拭くと、見つけた服を着ようとして…
「お?」
壁に執事服一式が掛けられているのに気づいた。
黒い燕尾服、朱色のアスコットタイ、中は白のシャツそしてベスト。
全く戦闘には向かないけれど…向かないけれど…向こうの部屋にあった黒の外套と帽子を合わせれば…なんかあれじゃね?
怪盗紳士みたいな?
いや、俺も自分で言ってて意味がわからないが…。
「でも惹かれるよなー」
これ着て登場したら、ダンテもウケてくれるだろう。
っつか、寧ろ、これ着て「ハハハ、よくぞここまできたな!」とか言ったら、アイツ馬鹿だから気づかないかも。
そのアイディアはなかなかよいものに思えて、俺はその執事服に手を伸ばした。

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