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髑髏のランプ

パラレル 大好きなFTで
ちなみにFTとはファンタジーのことで特定の二次創作をさすわけじゃないのだ!
よみかえしてない

ある日、私を育てている魔女が言った。
「お前はいいこだね。お前には私の後継者になってもらおう。どうだい?」
しゃがれた声。
魔女はもう1500年以上は生きているらしい。
50年前にはまだまだ20代に見える美女だったらしいが、私が拾われた時には、もう彼女は今の姿だった。
「どうだいアリス」
問われて私はコクンと頷いた。
何にも考えていなかった。
何にも。
「えぇよ」
私は…いい子ではあったかもしれないが、頭のいい子ではなかった。
そんなバカな私を見て、彼女はおかしそうに笑った。
そうして私は魔女の魂を受け取った。
きらきら光る宝石のようなそれ。
それが私の中に入ると、魔女は死んだ。
私は衝撃を受けた。
魔女はどんなことでもできる。
霧に姿を変えることも、ねずみを御者に変えることも、鏡に入って別の場所に出ることも。
だけど砂の固まりになってしまった魔女は…もう死んでいた。
私は一粒だけ涙を流し、砂になった彼女をバケツにいれて谷から撒いた。
何度も。何度も。

そして私は魔女になった。
正確には男だから魔“女”ではないけれど魔男だと間男みたいだし、魔人だと他の種族になってしまうから、やっぱり魔女だ。
でも…魔女になったからといって何も生活は変わらない。
外の世界は怖い。
私は両親から虐待を受けていたから人は嫌いだし(もちろん誰もが私に暴力を振るうとは思わないけれど)、何より外には魔物がいる。
魔女(これは私の事じゃなくて)が張った結界の中が一番安全だ。
魔女(これはわry)がいなくなってしまったのは悲しいが、きっと仕方のないこと。
その時私は多分…13・4くらいの年齢だったと思う。
たった一人で生きていくのは難しい年齢だ。
だけど此処は魔女の家。まったく心配はなかった。
地下にある倉庫にはたっぷりと穀物や干した肉なんかが保存されているし、畑もある。
近くに川もあるし、そこから引いた池がすぐそばにあって水には困らないし、魚だって取れる。
魔女が育てた薬草が裏山には生えてるから、怪我をしたって病気をしたってまず平気だし…魔女が集めた膨大な書物があるから退屈だってしない。
「なんて快適なんやろ」
アホな私はそう思った。
そして十代半ばを前に隠居生活を始めたのだ。

そうして4年ほどがすぎ、私は17・8歳になった。
魔女を受け継いだからといって特に魔力を使うこともなく、隠居生活を満喫している。
今は夏。今のうちにやらなきゃいけないことはたくさんある。今年はトマトが沢山実ったから、トマトピューレ、ドライトマトなどを大量につくらなきゃいけない。
かぼちゃだって収穫時期が来たからそれも収穫して倉庫に転がしとかなきゃいけない。
それに罠にはまっていたライチョウ。これもちょっと可哀想だけれど、血を抜いて燻製にしなきゃ。
それが終わったら森に入ってきのこを収穫して…あぁ、そういえば倒した木がそろそろ良い感じに乾燥しているはずだ。小屋の修繕をしなきゃいけない。それにはしごも作らなきゃ。
「はぁ…それにしても…」
山羊が欲しいな…と思う。
何故山羊…というと、魔女が…前代の魔女がいたときは普通に牛乳やヤギの乳が手に入ったけれど…今は無理だからだ。
村に降りて薬草や野菜なんかを売れば買えるかもしれないけれど…やっぱり外に出るのは嫌だ。
これまで何度も考えては取りやめたことだ。
人が怖いのもあるけれど…隠居生活を4年も続けていると、別の意味でも外に出るのが怖い。
変な格好してないかとか、喋り方おかしくないかとか…人と話したことももうずっと昔の話だし…金銭感覚もおかしいかもしれないし…。
「まぁええわ」
乳製品が全く食べれないのははっきりいって辛いが…他にもおいしいものはある。
「まぁ…とりあえず、作物の水やりからやな」
私はバケツを持って家を出た。

この森に誰かが入り込んだ事になんてまるで気づかずに。

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