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ディバインマザー 02

何度も書きなおした末、離れの描写はばっさりきりすてることにしました。
ごめんなさい、読み返す気力ないです

大物政治家あたりがお忍びでやってくるような立派な離れで荷物を解き(といっても大した荷物はない)少しばかりゆっくりしていると、すぐにもうライドウの母親との対面ということになり三人(?)は連れ立って部屋を出た。
休んでいる時にライドウから聞いた話によると、父親は存命であるがほとんどこの家には寄り付かないとのこと(といって離縁したわけではない)、そしてこの家には猫が他にもいるのでゴウトの事は気にしなくていい事、そして…彼の母親という人物が随分と変わっているらしい。
ライドウ曰く「だからといって緊張をする必要は全くありません」とのことだが、こんなに立派な屋敷を見せられた後、しかもその女主人と会うとなれば否応もなく緊張する。
トットットっと歩くゴウト、そして音もなく歩くライドウ。その少し後を玲治は初めての戦闘の時以上に緊張して歩いていた。
そして、
「ここです」
ライドウは立ち止まる。
ただひたすらに続く障子の前だった。
ずらりと並んだ障子。一体どこからどこまでが一つの部屋なのか…。
緊張に喉をカラカラにしている玲治に気づかず、ライドウは「入る」と一言告げるとパシーンと無遠慮に障子の一つを開けた。
「ちょ、ライドウ!」
それはあまりにも…と思ったが、当の本人とゴウトは全く気にもしてないようで、さっさと中へと入っていき、玲治は慌ててその後に続いた。
中は…一体何枚の畳が敷き詰められているのかと、圧倒されるほどに広い和室だった。
玲治がぽかんとしながら考えたのは…中学の頃にとまった旅館の宴会会場がちょうどこれくらいの大きさだった…というようなこと。しかしその時は、褪せた畳の色だったが、此処にある畳はまだ真新しく青い。また、就学良好の時には、両側にあったきらびやかな緞帳が下げられたステージはもちろん此処にはなく、代わりに左手の突き当りには床の間が設けられており…そして、その正面に着物姿の女性が煙管を吹かせていた。
まさか…アレが…

「ようやく帰ってきたか」

あの美しい女声が…ライドウの母親…?
玲治は彼女を見て、そのあまりの若さ、そして美しさ、またまるで遊女のようなしどけない姿に目を丸くした。
玲治から見て赤い襦袢のような着物ををかなりだらしなく着たその女性は、さすがに10代とは言わないが20代ほどに見えた。
この時代にしては珍しく染めているのか…それとも地毛なのか、長く伸ばされた髪の色はかなり明るい。
細い顎、白い肌…顔立ちはやはりライドウの面影があるだろうか、整った顔立ちにはうっすらと化粧が施され、少しきつい印象がある。
その彼女はゆったりと肘掛けに体を預け、もう片方の手に煙管を握っている。
ハッと気づくと、すでにライドウはすでに5歩ほど先を歩いている。
玲治は慌てて彼の後につき、あまりに彼女を凝視していたことを恥じ、視線を下げた。
彼女の前にはみっつ座布団が並べられており、玲治の前でライドウとゴウトが左右にわかれたかと思うと、真ん中の座布団を残して両側に座ってしまった。
つまり…真ん中の席ということは、ライドウの母親であるらしい女性の正面の席ということだ。
これはちょっと違うんじゃないか…。
引きつった玲治だが、席を変われとも言えない雰囲気に飲まれ、彼はしぶしぶと真ん中の席に座った。
「ご無沙汰しております」
「ふん。全く顔を見せぬから、どこかで野垂れ死んだのかとおもったぞ」
「まさか。この蒼一郎(本名です)しぶとくできておりますから」
「そのようじゃな」
にこやかな会話…であるはずなのだが、どうにも薄ら寒く感じるのは玲治の気のせいだろうか。
「帝都の様子はどうじゃ?」
「さて、これといって。特に変わりもしませぬ」
「随分と賑やかになったと聞いたが、どのように暮らしておるのじゃ?」
「いたって質素に。勉学に励む毎日でございます」
玲治とその母親の会話を畳を見ながらじっと聞いていると、横からふと茶を差し出された。
顔を上げるといつの間に入室したのか、玄関で出会った女の人がおり、ライドウとゴウトの前にも熱い茶を出していた。
そしてその彼女の足元に白い猫が。
尻尾の長い、金目の白猫。それはするりと歩いてライドウの母親の傍に座った。
するとその猫の前にも湯気の上がる茶が置かれた。
猫はしばらく湯のみを見ていたが、やがておもむろに立ち上がると…口を近づけペロペロとその熱い茶を舐めだした。
猫のくせに…熱い茶を飲むのか。
玲治が瞠目して驚いていると、
「面白い猫じゃろう」
と、屋敷の主人から声をかけられ玲治はビクリと体を揺らした。

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