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微笑の解放

ルート×にょロヴィ
フェリが死んでますorz 苦手な人はスルーで。
あと1話くらいは書く気がある なんか色々ヘン。でも読み返さない。

一年と半年前、俺は結婚を決めていた最愛の女性に先立たれた。
そして今、その女性の姉と暮らしている。

ロヴィーナ。
それが彼女の…婚約者だったフェリシアーナの姉、俺の妻の名前だ。
彼女は一年前、立ち直れずに仕事に逃げ、ほとんど眠れず酒に溺れ廃人になりかけていた俺に言った。

「ねぇ、私と結婚でもしてみる?」



フェリシアーナと暮らすはずだった家に、今はロヴィーナと暮らしている。
結婚したといっても、実質は同居。ホームシェアだ。

朝、別々にしている寝室を出て一階に降りると、キッチンでは彼女が朝食を作っていた。
いつもは下ろしている髪を、今は後ろで一つにまとめている。
ほっそりとした後ろ姿は、姉妹だけあってフェリシアーナとよく似ていた。

ロヴィーナと結婚し、一緒に暮らしはじめて間もない頃は、後ろ姿と言わずあらゆる場面で彼女にフェリシアーナを重ねていたものだが、一年も経つとそれもほとんどなくなった。
フェリシアーナはもういない。
あの明るく優しい…しかしどこか抜けたところのある彼女はもういないのだ。
神の愛し子は天国に連れ去られ、そして俺は此処で生きなくてはならない。
それは少し前までは残酷な現実だった。
だがそれも近頃では少し変わってきている。
全てはロヴィーナのお陰だ。
彼女は『親が結婚しろってうるさいから、貴方ならちょうどいいわ』なんて言っていたが、実際は俺が死んだ妹の後を追わないかと心配していたのだと思う。
婚約者が死んで半年後にその姉と結婚したというのは、ごく一般的に見てあまりにも薄情に思えるかもしれない。
だが俺の衰弱ぶりをしっていた周りの人間は皆が皆、この結婚を喜んでくれた。
俺自身、自棄になって彼女と結婚したことを後悔したが、今は感謝している。

「おはよう」

「おはよう」
ちらりと振り返って言った彼女に、挨拶を返して席につくとすかさずベーコンと目玉焼きがのった皿が目の前に置かれた。
テーブルの中央にはクロワッサンの入った籠。挽きたてのコーヒーに彼女が家庭菜園で育てているトマトの入ったサラダ。いつもの朝食のメニューだ。
「よく眠れた?」
「あぁ、おかげで」
睡眠が取れたかどうかの質問は、暮らしはじめてからの恒例になっている。
最初の頃は本当にひどいものだったから仕方がない。
彼女は自分の分の準備も済むと、向かいに座った。
フェリシアーナによくにた…しかし、彼女とはやっぱり違う。
気の強さが表に出たような少し上がった目尻。フェリシアーナよりも少しだけ濃い、チョコレートブラウンの髪。涼し気なエメラルドの瞳。
ロヴィーナはロヴィーナだ。フェリシアーナとは違う。
暮らし始めた時には許せなかった事を、今は普通に受け入れている。
「なに?」
視線が気になったのか、顔を上げて首を傾げる彼女に「いや」と俺は言った。
「お前には世話になったと思って」
荒れていた頃にはずいぶんひどいことを口にした覚えがある。
それを口にすると、彼女は困ったような顔をして「別に」と小さくつぶやいた。
「あんたに後追い自殺でもされた日には…こっちだって気分が悪いから…」
「それでもだ」
婚約者の姉。
俺にとってはそれだけの存在でしかなく、フェリシアーナを挟んでしか彼女のことは知らなかった。それは彼女にとっても同じだろうに、これほどに親身になってくれるなんて感謝してもしきれない。
しかもそんな人が、名目上だけとはいえ俺の妻なのだ。
「イタリア人の女性は情に厚い聞いたことがあるが本当なんだな」
コーヒーを口にしながら言うと、彼女はますます複雑な顔をしてクロワッサンを口に運び、「別に…そういうんじゃないから」とボソボソ言う。
「馬鹿妹がいなくなって…両親が私に早く結婚しろってうるさかったし…」
結婚するような相手もいなかったし、するつもりもなかった。
だけど妹を亡くした両親の気持ちもわからないでもないから、結婚しなきゃいけないとは思っていた。
だから俺という存在は彼女にとってうってつけだったのだ。
これまでに何度も何度も彼女が言ってきた言葉だ。
わかっていると頷くと、彼女は不満気な顔で俺を見上げた。
「わかってないくせにね。まぁいいんだけど」
「なんだ?」
「なんでもないわ。いいからさっさと食べてよ」
にわかに機嫌を悪くしたように口をとがらせる彼女に苦笑して、俺は朝食に手を付けた。
そういえば彼女と暮らし始める前までは、味覚すら失っていたのを思い出した。
どうも今日は感傷的だ。
フェリシアーナの夢をみたわけでもないのに。
俺は黙々と朝食を口にしながらふと思いついて「今日は夕食をどこかへ食べにいかないか」と誘ってみた。
普段は…いつもは名目上だけの夫婦だからということもあり、一緒に出かけたりすることは少ないし、お互いにそれをなんとなく避けていた。
だから今回も断られるだろうかと思っていたのだが…
彼女は少し考えた後、こくりと小さく頷いた。

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