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甘く魅惑的な欲望 06

とりあえずロヴィーノの精神状態が落ち着くまでは、イタリア兄弟はドイツの家で世話になることになった。(ヴェネチアーノの案を採用した)
とはいえ…これがなかなか大変だ。
ドイツはロヴィーノが相手だとわかった時点で、もう仕事には手がつかないし、落ち着きがなくそわそわしている。ロヴィーノの傍によりたいらしいが、しかしそれを精一杯の努力で我慢している彼は、兄であるプロイセンの目から見てもいじましい。
そしてまたロヴィーノの方は……彼についてはもう殆ど本能にまけてしまっている。
発情期に戦の上手い下手が関係あるかどうかはわからないが…ロヴィーノはほぼ陥落したといっていいだろう。
今が一番ひどいのかもしれないが…彼はドイツが傍…同じ部屋の中に居ないだけで、涙腺が決壊してしまう状態。
それでも最後のプライドでドイツのもとに自分から駆け寄ることはないが、弟のヴェネチアーノにガッツリとしがみついて衝動を耐えているのがわかる。

「こんな状況じゃなきゃ喜んでやれるんだけどなぁ…」
同じ部屋にいながら遠く離れ、それでもお互いに意識しまくりな二人。
もう一度言うが、こんな状況でさえなければ…あとは若い者同志…と、いきたいところだがそうもいかない。
「面倒くせぇなぁ…」
遠い目をして頭をかきつつプロイセンがやったのは、部屋を2つに区切ることだった。
彼は二人をヴェネチアーノにしっかり見はっているように頼んで部屋を出ると、どこからか白いロープを持って戻ってくるとそれを部屋を2つにわけるように置いた。
とりあえず二人を物理的に…ではないが、心理的に分ける。これは大事だと彼は判断したのだ。
同じ部屋にいるし、たった一本のロープが二人を隔てているだけ。
“たったそれだけ” というルールなら、少々自分を見失っている二人にも理解が容易いだろう。
それはなかなかいいアイディアだったのだが…
「いいかぁ、お前らお互いにこの線から向こうに行っちゃ…お、おい、まだ最後まで言ってないんだから泣かないでくれよイタちゃんの兄ちゃんッ!」
重症であるロマーノにはそれでもルールが厳しすぎたようだ。
途中でロマーノがうるっとしたのと、その次の瞬間、間髪入れずに後ろから突き刺さった殺気にプロイセンは慌てて両手を振り、悪意は全くないのだと示す。
「わかるだろ!お前らのためなんだってば!」
不憫ポジション楽しすぎるゼー…。
そんな声が聞こえたような気がしたが、気のせいだっただろうか。
とにかくもなんとか最低限の落ち着きを取り戻した二人は一応納得してくれたようだった。
かなり不本意そうではあるが。
「いいか!ヴェストはこっちから向こうには行かないように!」
「兄さん…それでは俺はトイレにすら行けないんだが…」
「その時は俺が付きそう!」
胸を張るプロイセンにドイツは疲れたようなため息をついたが、それも致し方ないと納得したのか「わかった」と言った。
「ねー、プロイセン、俺もそっちにいっちゃダメなの?」
それまで大人しくしていたヴェネチアーノがのんびりと口を開く。
「ん?いや、イタちゃんは大丈夫だけど…でも、わりぃな、今回はロマちゃんに付き合ってこっちには入らねぇでくれ」
ハグもキスも禁止な。
「ヴェ~…、でも、ん。そうだね」
プロイセンの言葉にヴェネチアーノは少し悲しそうな顔をしたが、すぐに自分の腕をうっ血するほどに握っている兄に気づいて頷いた。
「わかったよ、我慢する。ドイツと兄ちゃんのためだもんね~」
「ありがとうな、イタちゃん。ってわけで…あー…どうするか」
とりあえず、ルールをひとつ決めたものの。
この部屋に4人集まって何もすることがない。
かといって外に出るというのもまたなんとなく微妙だ。
えーっと…とプロイセンが考えていると、
「俺たち、シエスタしてもいい?」
俺、さっきからすっごく眠くて。
ヴェネチアーノが助け舟を出してくれた。
「お、おう、いいぜ、ヴェスト、客室を…」
と言いかけたプロイセンは、しかしロマーノからの恨みがましい視線を受けてウッと言葉に詰まった。
彼の目が「俺とドイツを引き離す気か、コノヤロウ!」と雄弁に語っている。
そしてまた、ドイツの方からも…「俺も付き添っていいだろうか…?」というような懇願が向けられる。
プロイセンはこの時初めて、ドイツがよく言う “胃が痛い” という気分がわかった。
「えっと…あー、そのソファ、背もたれを倒せばベッドにもなるからッ!お、俺はブランケットをとってくるぜ!」
プロイセンは逃げるように部屋を飛び出し、それから急いで戻ってくると、半分眠っているヴェネチアーノをよそにぼんやりと見つめ合っている二人を慌てて引き離した。

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